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第六章 さらば壁役令嬢! 真のエンディングへ!

第51話 メキラ撃破! 形見の一撃

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「なんてやつだい!? 死に体から再生しやがった!?」

【神格化】の情報も、メキラは手に入れていないようだ。

「落ちなさいまし!」

 マージョリーたんが、【魔導砲マギ・ランチャー】を撃つ。魔力切れになるまで、相手に攻撃を続けた。

「シャクだねえ! これでもくらいな!」

 反撃に、メキラがマージョリーたんに大剣で切り捨てにくる。
 メキラの攻撃に即反応して、マージョリーたんがシールドを構えた。

「ムダだよ! 【貫通】持ちのアタシに、盾なんて無意味さ!」

 物理的な判定は、退ける。だが攻撃判定だけが、私を突き抜けてきた。

「ぐうう!」

 肩から胸にかけて、浅く斬られる。

『マージョリーたん! ムチャかも!』
「ご心配なく、ダテさん! 心得ていますわ!」

 メキラの大剣をかすめたタイミングで、【魔導剣マギ・ブレード】を展開した。

「たとえ止められなくても、受け流すなら!」

 マージョリーたんの狙いは、防御ではない。カウンターだ。
 お返しとばかりに、メキラに斬りつける。
 逆袈裟に斬られて、さしものメキラも後退した。

「また、復活しやがった。シャクだねえ!」

 トドメにかかろうとしたところで、イーデンちゃんが前に出る。

「あなたの相手は、マージョリー姉さんだけではありません」

「ガキが! 引っ込んでな!」

「くらえ。【サンダーストーム】!」

 襲いかかってきたメキラに、稲妻の嵐を巻き起こす。

「これはケフェスの!?」

 イーデンちゃんが手にしているのは、ケフェスの持っていた軍刀だ。この刀があるため、イーデンちゃんは【神格化】を手にしたのだろう。

 しかも、ケフェスの攻撃よりも精密性が高い。ゼットさんが魔力を制御しているおかげで、メキラにだけダメージが通っているのだ。

「ちくしょおお!」

 メキラが、消滅する。

 なぜ、ケフェスがイーデンちゃんに手を貸したのか、それはわからない。

 義理の妹に対して、なにかしら思うところがあったのだろうか。

「マージョリー姉さん、最後の勝負です」

「ええ、魔王ゴーマの元へ」

 イーデンちゃんが、ヒザをついた。どうやら彼女は、ここまでのようだ。無理して【神格化】したせいだろう。自力で回復をしたようだが、魔王との戦いについていけそうにない。

「あなたは休んでいなさい。一人で参ります」

『大丈夫。インテリジェンス・アイテムの私がついてる』

 マージョリーたんは単身、魔王の待つフロアへ向かう。

「ついにここまで参りましたわ。魔王ゴーマ、いえ、ゲミュート!」

 魔王となったゲミュートが、玉座に座っている。右腕が異様に肥大していた。機械と生物が一体化したような、歪な腕である。

「どこまでも、わが計画を邪魔するか! マージョリー・ジンデル!」

「覚悟なさいまし、魔王ゲミュート」

「そううまくいくはずがない。我は魔王の一部だったが、今や魔王こそが我が一部! 魔王を取り込んだ我の力で、今度こそ永遠の苦痛を!」

 やられてたまるか! 

「失った右腕に、魔王を取り込むなんて。おぞましい執念ですわ」

 いや、違う。

『魔王の正体は、ゲミュートのインテリジェンス・アイテム?』

「なんですって!?」

 おそらく、私と逆だ。脚本家が、ラスボスを支配している。

「気づいたか。その盾の言うとおりだ。魔王は我の分身。これこそ、本来の姿なのだああぎゃああ!」

 魔王が肥大し、骨が軋む音が響く。

『私の声が、聞こえるんだね、ゲミュートは?』

「そうだ。これは、魔王を倒して得た力だ。今や魔王はインテリジェンス・アイテムとして、我の手足となっている」

 また、魔王が膨れ上がった。ぐぐう、とゲミュートは魔王を抑え込む。

『でも、かなりムチャをしているみたい。意思が肥大化しすぎて、制御できていない!』

 私の想像は当たっているらしく、ゲミュートも苦痛に顔を歪めていた。

「貴様も、女神の力を得てチートを手にしたか。だが、その快進撃もここまでだ! 死ね、魔神の盾よ!」

 ゲミュートが魔王を取り込んだ腕を振り回し、空間を切り裂く。
 だが、マージョリーたんは瞬時に受け流した。

「あなたの正体がなんであろうと、抹殺対象に変わりはありません! 覚悟なさいまし!」
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