新大陸を開拓するため、幼女型モンスターに魂を転送した魔女は、後に邪神と崇められる(自力で幼女になりたかっただけやのに!

椎名 富比路

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第五章 幼女、はじめての襲撃ミッション!(邪魔するんやったら、帰って~

第37話 幼女、仕事の流儀

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 飛空艇を使って、ポーレリアの街へ。

「おはようございます、アティさん。ようこそ、ポーレリアへ。はるばるお疲れさまでした」

 なんと、停留所にトルネルが現れた。

「ウチがポーレリアを見に来たって、なんでアンタにわかったん?」

「先日、セルバンデス王国の飛空艇が、こちらに見えたので」

 近い内に、またやって来るだろうと踏んでいたとか。

「ポーレリアはあまり諸外国と交流しない国ですから、外国の馬車や飛空艇は、珍しいんですよ。特にポーレリアは『海なしの国』なので、セルバンデスが開発した飛空艇には、助かっています」

 飛空艇は、海がない国と交流するために開発した。

 広い大陸だと、海に面していない国もたくさんある。
 
 そのため、航空技術の開発が急がれた。

 天空の城に住む魔王を倒したのも、空の安全を確保するためである。
 ウチは飛空艇の技術を、惜しげもなく各国に提供した。独占すると、軍事利用を疑われるからである。

「ポーレリアにも、海があるやん……っていっても、テネブライの【内海】エリアやったな」

「そうなんですよ。そこを攻略しない限り、我が国に海は」

 なるほど。

(ウチを取材したんも、不便な【テネブライ:内海エリア】の攻略を急いでいるんかも知れへん)

「ですが、先日のアティさんへの取材は、我が国の事情とは関係ありません」

 
(ないんかいっ)
 

「かわいい領主が、テネブライに滞在しているというので、お話がしたいと」

「それは、おおきに」

 ここは、喜ぶところなのか?
 
「まあ、テネブライの【海洋エリア】からやって来る敵の襲撃に困っていることは、事実です」

「ふむふむ」

 どうも海洋エリアのボスは、かなりアグレッシブな性格のようだ。

「その事情も込みで、今日はウチらがポーレリアを観光したいんやけどな」

「どうぞどうぞ」


「ムム!」

 クゥハがさっそく、屋台に飛び出していった。

「アトキン先生! これって!」

 屋台の隅っこのほうで、新聞というかフリーペーパーが置かれていた。

「見てください、アトキン! おいしそうな焼きとうもろこしが、網焼きで売っています!」  
 
「いや。あんたが驚くところ、そこか?」

 色気より食い気かい、と。

「かってー。アトキン」

「はいよー」

 ウチは、子どもには甘い。メフティからおねだりされたので、焼きとうもろこしを人数分いただくとする。

「私の分まで、ごちそうさまです。ありがとうございます」

「気にせんでええよ、トルネル。観光させてもらうんやさかい」

 どうやら、「商品を買ったら、一枚ペーパーをもらえる」システムのようだ。

「『幼き実業家・仕事の流儀』ですって。大げさですね、先生」

「せやな。ケツの穴がかゆくなってきたで」
 
 ウチの内容も、しっかり掲載している。「テネブライを攻略成功した英雄!」としてではない。「王都と協力して、テネブライ開拓を命がけで進める幼き実業家!」とあった。

「たしかに、これは驚くかもしれへん」

 トルネルが勤める編集社は、存在していなかったはずなのに。

「急遽、作ったということでしょうか? 我々に悟られないように」

「それにしては、手を回すのが早すぎへん?」
 
「もし、あなたへの取材が、国家プロジェクトだったとしたら……」
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