新大陸を開拓するため、幼女型モンスターに魂を転送した魔女は、後に邪神と崇められる(自力で幼女になりたかっただけやのに!

椎名 富比路

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第七章 魔の高山エリア! 幼女はダウンサイズする!(うちは最強の生命体になりたいわけやないんよね~

第64話 幼女、総力戦に

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 ウチが、この場のモンスターを全部倒すと宣言したが、クゥハが前に出る。
 
「アトキン、冗談じゃねえですよ」

「なんや? 気に障ること、ウチが言うたか?」

「いいましたよ。こんな楽しそうな戦場を前に、黙ってみてろとは、あんまりじゃないですか」

 そっか。コイツは案外、戦闘狂だったんだよな。

「オイラも戦いたいぞ、アトキン」

 メフティも、ゴーレムの拳をガツンガツンとぶつけてやる気満々だ。

「せやったな。思う存分、暴れてや。せやけど、手助けはできへんからな」

 さすがに、二人を気遣う余裕はない。

「カニエ、状況把握を頼むわ。ウチは、大天狗エンシェント・イーストエルフとの勝負に専念するさかい」

「はい。お二人が危なくなったら、声をかけます」
 
「それでええ」

 まあ、この二人がピンチになるなんて、よっぽどなのだが。


「木端ども、まとめてかかってこい! 神の力を、思い知るがよい!」

 歌舞伎の見得を切るように、大天狗が宙を舞う。本当に、舞台演出のようだ。ピアノ線で吊るすのではなく、本当に浮かんでいるが。

「その鼻っ柱、へし折ったる!」

 そっちが神なら、こっちは邪神だ。

「邪神ショット!」

 ウチは、邪神ショットを腰撃ちする。

「むうん!」

 大天狗は腕を変形させて、扇型に。手のひらを、肥大化させたのか。

 巨大な手から、衝撃波が放たれる。

 衝撃波が、ショットを軽々と打ち消した。勢いが止まらず、ウチに直進してくる。

「よっと!」

 大天狗に合わせて、ウチも浮遊した。

「邪神ショット!」

 ウチは続けざまに、ショットを放つ。

 大天狗は、ウチの魔力砲を大きな手で受け止め続ける。

「くすぐったいわ!」
 
 命中率を上げるために威力を弱めた作戦は、失敗か? 普通の魔法使いなら、そう思うだろう。
 だが、違った。その分だけ、威力を圧縮させている。
 
「ぬお!?」

 やがて、大天狗は小指を折った。ダメージの蓄積に、気づかなかったか。

「なんと、この神に傷を……」
 
「傲慢な神様やからや」

 自分より強い相手と戦ったことが、ないのだろう。

 これまでの敵も、そうだった。自分がダメージを受けることなど、想定していない。そんな相手ばかりだから、勝てた気がする。

「お前の弱点は、イキリ散らかしている性格じゃ!」

 ウチは妖刀を構えて、突撃した。
 
「小賢しいワッパよ!」

 浮遊した状態から、大天狗は横回し蹴りを繰り出す。

 妖刀に、蹴りが入った。

「ぬう!」

 だが、ウチの剣は蛇腹状に広がっていく。

「これで!」

 ウチは蛇腹に展開した妖刀を、振り回した。
 
「見事! だが遅い!」

 さすがの天狗は、無軌道な妖刀の攻撃を軽々と回避する。

「大見得を切ったの割には、大した動きではない!」

 大天狗のキックが、ウチのみぞおちにめり込んだ。

「そのまま内蔵を吐き出して、死ぬがよい!」

「残念やったな」

 ウチは、バイオジャケットを脱ぐ。

「な、脱皮とな!?」

「邪神ショット!」

 ショットがようやく、大天狗の心臓を捉えた。
 
『脱いだバイオジャケットの腰』へ、ウチは触手を伸ばしていたのである。

「これぞ、邪神分身の術や」
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