ダンジョンを出禁にされたJK二人組は、母校の旧校舎型ダンジョンを守護するバイトを始めました。

椎名 富比路

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第五章 鬼族が合宿を襲撃! 防衛ミッション!

第48話 水着の冒険者たち

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「モモ、あんた。普段の下着となにも変わらないじゃないの」
 
 はるたんが、あたしの水着姿を見てガッカリする。

 あたしたち金盞花きんせんかチームと勇者連合は、駄菓子屋でお着替えをしていた。

 みんな、思い思いの水着を着ている。

 はるたんは、スカートタイプの白ビキニである。
 同じく巨乳タイプのピオニは、黒いヒモビキニだ。デニムのナノミニスカートを穿いている。

 控えめ胸チームは、ワンピースで揃えていた。
 姫は水玉、綿毛は縦ストライプで、揃って肩紐がフリルである。メイド服か、ドレスを意識しているのかも。
 勇者連合の蓮川はすかわ先輩は、背中から見るとビキニに見えるタンキニを選んだ。

 だがなんといっても、見どころは爆乳の睡蓮すいれん ティナだろう。花柄ビキニというおとなしめなビジュアルに対して、そのポテンシャルは群を抜いていた。

 で、オチ担当はあたしと。

「えー? これが一番、動きやすいんだって」

 スポーツタイプのビキニをチョイスして、あたしは身につけていた。

「ダメよ。普段使いは禁止って言ったでしょうに」

「えーっ。着替え直しかよ。これからダンジョンで素材集めるのに」

「それは、この子たちに任せましょ。ウチはモモと、昨日壊れた装備のメンテをしておくわ。素材掘りは、みんなで行ってきて。野呂のろ先輩、引率お願いしますね」

 唯一の男子である野呂先輩に、はるたんが声を掛ける。野呂先輩は膝丈の短パンだ。

「承知した。気をつけてね」

 女子を引き連れて、勇者のリーダーは平然としている。

「野呂先輩、あれだけのかわいい女子を連れても、顔色ひとつ変えないとは。大物すぎるだろ。仙人かよ」
 
「あんたにそこまでの魅力はないよ」

「でも、他の女子たちだって水着じゃん。もっと思春期っぽい反応してもよくね?」

 ここまでくると、ホントに仙人かもと疑ってしまう。

「まあ、それっぽい訓練は受けてたらしいぜ」

 ピオニによると、野呂先輩は煩悩対策を中心に特訓していたらしい。

「わかるわ。純魔って、『精神攻撃は基本』ってところがあるから」

 はるたんにも、思うところがあるようだ。

「おうよ。特に高校男子って、頭ピンクじゃん。女子にいいところを見せたくて、イキったりしてよお」

「そうね。で、具体的な特訓はどうするの?」

「どうも、企業秘密らしい。オレも詳しくは知らないんだ。かなり際どい訓練らしいけど、見せてもらえないんだよなぁ」

 ティナとかに悩殺されるとか、かな?

「とにかく、行ってくる。そっちは素材を待っていてくれ」

「あいよー」
 
 みんなが素材を取りに行った後、あたしは即座にひん剥かれる。

「どれにしようかな。あんたは腹筋があるから、エロかろうがかわいかろうが、選ぶのも難儀なのよね」

「だからスポーツタイプでいいじゃん」

「ダメよ。ありきたりすぎる」

 ダンジョン攻略に、水着にありきたりもなにもないだろう。

 水着といっても、特殊素材だから魔法や物理攻撃も防ぐし。
 
「サンプルとして、ドワ女や巳柳みやなぎにも写真を送ってもらったわ」

 ドワ女は、全員がビキニタイプにしたようだ。副部長のパニさんは、水色のビキニに紫の地雷系パレオという組み合わせ。部長のトロちゃんは、あのナリでヒモを着させられていた。黒柄に白水玉か。パニさんの趣味だろう。
 
 巳柳の愚地おろち三姉妹は、見事に個性バラバラだ。
 長女はセクシーな、面積が少ない蛇革のビキニである。次女三澄みすみはピンクのガーリータイプで、姉妹の中で最も女子力が高い。三女青葉あおばはハイレグが大胆な競泳水着であり、思っていたより見た目を重視する子だった。

「ほら見なさい。みんな見られることを意識しているんだから。ガサツな水着は、笑われちゃうわよ」

「とはいってもなあ」

「だから、選んでやるって言ってるのよ」

「ふんどしとか、やめてくれよ」

「そこまで攻めないわよ。そうねえ、あんたには……」

 結局、あたしはイエローのヒモビキニを着せられる。

 着替えが済んで、はるたんと装備の見直しに。

「昨日作った防具は、オーバースペック過ぎたわね。頑丈だったけど、反応速度に振り回された人が多かった。もう少し素材のレア度を下げて、誰でも扱えるようにしましょ」

 はるたんの指示通り、あたしは素材を改良する。

「こうすれば、メンテナンスも楽でしょ? レア素材がないと修復できないってのは、それだけ取り回しも難しくなっていく。ウチらが腕を上げて、レアじゃない素材も活かす方向で行くわ」

「わかる。ゲームでも、意外と店売りのほうがボスドロップより強いってのがあるからな」

「自分で開発できると、店売りも化けるのよね。それをリアルで体験できるってのは、貴重だわ」

 それにしても昨日はやばかったと、はるたんに語る。

「ドラゴンキラーの本当の力を、出しそうになったぜ」

「まあ、それくらいの相手でしょうね」

 ダンジョンから、デリオン姫と勇者たちが帰ってきた。

 みんなの素材をもらって、装備を作る。

 野呂先輩の剣に、新たな素材を重ねた。

「剣に流れる魔法の効率を一〇%上げたんですけど、その代わりに物理攻撃が五%犠牲になってます。大丈夫です?」

「ありがとう。剣が軽くなったよ。僕は純魔だからね。剣を振るときは、主に防御時なんだ。これくらいで、ちょうどいいよ」

 ついでに蓮川先輩の盾に、水属性の加護を施す。ドラゴンのブレスだって、受け止められるはずだ。

「ありがとう。大事に使うわ」

 これで、準備は整った。

 昼食後、ミッションを開始する。
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