4 / 48
第一問 日本で初めてコーヒーを飲んだ、歴史上の人物は? ~クイズ番組研究会、発足~
クイズ番組研究部
しおりを挟む
名護《なご》先生は、嘉穂さんが書いたクイズ研究部の退部届を受理。新しい入部届を二枚用意した。
僕と嘉穂さんは、『クイズ番組研究部』と届に書いて、提出する。
「これでお前達は、晴れてクイズ番組研として活動することになるな」
「ところで、部員は僕たちだけですか?」
「いや、もう一人来る予定なのだが……遅いな。呼んでくる」
ついでに入部届も提出してくると言い、名護先生が退出する。
五分後、ドアが開く。
栗色ショートボブの少女が、部室に入ってきた。
「あれ、先生?」
いつもはふんわりボブでパンツスーツであるはずの先生が、本校の制服を着ている。背丈も髪型も、名護先生に酷似していた。やや変わっている部分を探せば、化粧が薄めなくらいか。
「先生、冗談もほどほどにしてくださいよ」
思わず吹き出してしまった。
まさか、人が少ないからって自分が生徒になりすますなんて。やけに制服が似合っているのが気になるけど。
「ん? 何が?」
しかし、先生の反応が鈍い。
「え? おや?」
僕も戸惑う。
「おお、湊《みなと》、入れ違いになっていたか」
再度引き戸が開き、先生が帰ってきた。いつものスーツ姿である。
「あれ、先生?」
名護先生が、二人いた。
嘉穂さんに比べて、スカートの丈がやけに短い。
線が細く、プロポーションは中くらいだ。なにより、背が非常に高い。名護先生も結構高いが、ヒールを履けば先生と肩を並べるんじゃないか?
「ウチは名護 湊。名護岬先生の妹だよ、クラスは一年一組」
生徒手帳を見せてくれた。確かに、『名護湊』と書かれてある。
「よろしくお願いしますぅ。わたしは」
「知ってる。四組の津田嘉穂さんでしょ? 今日からよろしくね」
初対面であるはずの湊に名前を呼ばれて、嘉穂さんは両手で口を隠した。
「どうして、知ってるんですか? わたしのこと」
「姉さ……先生から聞いたよ。キミ、クイズ大会の次期エースだって」
湊は、嘉穂さんの隣に腰を下ろす。
「それからキミは、一年五組の福原だよね?」
「福原晶太だ。名護さんは、自分のこと『ウチ』って言うんだな。ちょっと訛りがある?」
僅かに、湊の話し方はイントネーションが変わっている。
「母親が関西出身だからね」
「それにしては、先生は訛りがないですけど?」
先生に話を振った。
「父が関東出身で、私も方言を直したからな。あんまり関西にいい思い出がないんだ、私には」
それ以上、二人は語らない。名護先生と湊には、深い事情があるようだ。
「あとさ、ウチのことは気兼ねなくしたの名前で呼んでよ。顧問まで名護だと、困惑するでしょ?」
確かに。湊を名字で呼ぶと、先生を呼び捨てにしてるみたいで気が引ける。
「そうさせてもらうよ、湊」
「よろしくお願いしますね、湊さん」
湊の方も、まんざらでもなさそうだ。嘉穂さんが淹れたコーヒーを「ありがとう」と受け取る。
これでようやく、部としての体勢は整いつつあるな。とはいえ、研究会設立にはあと一人が必要だ。
ならば、あと一人はあいつを呼ぶか。
そういえば、あいつはまだ部活には入っていない。今頃、あちこちのクラブに体験入部しまくっている頃だろう。はやく勧誘しないと。
早速、スマホに連絡を入れる。幸い、相手はすぐに来てくれるそうだ。
一分もしないうちに、勢いよく引き戸が開けられた。
「おっす、しょーた」
現れたのは、バサッとした髪をツインテールで結んだチビだ。全体的に利発的で見た目も幼く、高校に小学生が紛れ込んだのかと思うほどの小ささ。
ワンピースタイプの制服が、彼女の見た目の幼さをより一層強調する。色気のある湊と違って、コイツが短いスカートを履いても余計子供っぽい。
だが、彼女はれっきとした高校生である。
「おう、来たか、のん」
僕が声をかけると、のんはフフン、と鼻を鳴らす。
「彼女、五組の小宮山《こみやま》 志乃吹《しのぶ》さんだよね? 彼女が、最後のメンバーなのか?」
湊が首をかしげた。
「そうだよ。『可愛くないから』ってんで、周りに「のん」と呼ばせてる」
「知ってるよ。有名人だよね?」
湊のいるクラスにさえ、のんの存在が知れ渡っている。まあ、目立つよな。
「二人は知り合いかい?」
僕の代わりに、のんが返事をする。
「オイラとしょーたは、いわゆる幼なじみなのだぞ」
こいつとは、中学からの知り合いだ。
「いやあ、あと一歩遅かったら、オイラはセパタクロー部に入るところだったぞ」
のんはクラスで唯一、いまだ部活に入っていない。
各運動部から引っ張りだこで、のんの方も、どのスポーツにしようか迷っていた。そこへ、僕がクイズ番組研へ誘ったというわけだ。
「セパタクロー部って。なんの思い入れもないだろ」
「特定のスポーツで天下を取る気なんてないしなー。それに面白そうじゃんか、この部活」
特に気にせずに、のんは答えてきた。スポーツはコイツにとってストレス発散の手段でしかない。身体を動かすのが好きなのだ。
「中学からの知り合いって言ってましたが?」
「特別、仲がよかったわけじゃないよ。たまたま家が近所で、見かけることが多くてさ。そこから徐々に仲良くなっていった」
「そういうわけだ。みんなよろしくなー。お、これもらっていいか? オイラ大好きなんだ」
答えを聞くより先に、のんは無遠慮に、湊の隣にどっしりと腰を据える。ちゃぶ台に置かれた○×どら焼きに手を伸ばす。
「いいよ。遠慮しなくて」
「ありがとなー、しょーた」
袋を乱暴に開けて、のんは「いただきまーす」と口の中へ放り込む。
「いつ食ってもうまいな、このどら焼き。お前の家でよく食べたぞー」
喋りながら、○×どら焼きを二口で平らげた。
嘉穂さんが気を利かせて、スティックコーヒーを入れる。
「おう。ありがとなー。ずずず」と、のんは熱々のコーヒーを一気に喉へ流し込む。
「面白い子だね?」
「そうだな。面白いのは確かだ」
湊と二人、どら焼きを食べながら、のんの感想を述べ合う。
「お、これでメンバーは揃ったな。それじゃあ……」
名護先生が話を進めようとした次の瞬間、部室のドアが乱暴に開けられた。玄関前にいた僕を押し潰す。
「しょ・う・ちゃーん!」
僕の首に、女性の細腕が巻き付く。
僕と嘉穂さんは、『クイズ番組研究部』と届に書いて、提出する。
「これでお前達は、晴れてクイズ番組研として活動することになるな」
「ところで、部員は僕たちだけですか?」
「いや、もう一人来る予定なのだが……遅いな。呼んでくる」
ついでに入部届も提出してくると言い、名護先生が退出する。
五分後、ドアが開く。
栗色ショートボブの少女が、部室に入ってきた。
「あれ、先生?」
いつもはふんわりボブでパンツスーツであるはずの先生が、本校の制服を着ている。背丈も髪型も、名護先生に酷似していた。やや変わっている部分を探せば、化粧が薄めなくらいか。
「先生、冗談もほどほどにしてくださいよ」
思わず吹き出してしまった。
まさか、人が少ないからって自分が生徒になりすますなんて。やけに制服が似合っているのが気になるけど。
「ん? 何が?」
しかし、先生の反応が鈍い。
「え? おや?」
僕も戸惑う。
「おお、湊《みなと》、入れ違いになっていたか」
再度引き戸が開き、先生が帰ってきた。いつものスーツ姿である。
「あれ、先生?」
名護先生が、二人いた。
嘉穂さんに比べて、スカートの丈がやけに短い。
線が細く、プロポーションは中くらいだ。なにより、背が非常に高い。名護先生も結構高いが、ヒールを履けば先生と肩を並べるんじゃないか?
「ウチは名護 湊。名護岬先生の妹だよ、クラスは一年一組」
生徒手帳を見せてくれた。確かに、『名護湊』と書かれてある。
「よろしくお願いしますぅ。わたしは」
「知ってる。四組の津田嘉穂さんでしょ? 今日からよろしくね」
初対面であるはずの湊に名前を呼ばれて、嘉穂さんは両手で口を隠した。
「どうして、知ってるんですか? わたしのこと」
「姉さ……先生から聞いたよ。キミ、クイズ大会の次期エースだって」
湊は、嘉穂さんの隣に腰を下ろす。
「それからキミは、一年五組の福原だよね?」
「福原晶太だ。名護さんは、自分のこと『ウチ』って言うんだな。ちょっと訛りがある?」
僅かに、湊の話し方はイントネーションが変わっている。
「母親が関西出身だからね」
「それにしては、先生は訛りがないですけど?」
先生に話を振った。
「父が関東出身で、私も方言を直したからな。あんまり関西にいい思い出がないんだ、私には」
それ以上、二人は語らない。名護先生と湊には、深い事情があるようだ。
「あとさ、ウチのことは気兼ねなくしたの名前で呼んでよ。顧問まで名護だと、困惑するでしょ?」
確かに。湊を名字で呼ぶと、先生を呼び捨てにしてるみたいで気が引ける。
「そうさせてもらうよ、湊」
「よろしくお願いしますね、湊さん」
湊の方も、まんざらでもなさそうだ。嘉穂さんが淹れたコーヒーを「ありがとう」と受け取る。
これでようやく、部としての体勢は整いつつあるな。とはいえ、研究会設立にはあと一人が必要だ。
ならば、あと一人はあいつを呼ぶか。
そういえば、あいつはまだ部活には入っていない。今頃、あちこちのクラブに体験入部しまくっている頃だろう。はやく勧誘しないと。
早速、スマホに連絡を入れる。幸い、相手はすぐに来てくれるそうだ。
一分もしないうちに、勢いよく引き戸が開けられた。
「おっす、しょーた」
現れたのは、バサッとした髪をツインテールで結んだチビだ。全体的に利発的で見た目も幼く、高校に小学生が紛れ込んだのかと思うほどの小ささ。
ワンピースタイプの制服が、彼女の見た目の幼さをより一層強調する。色気のある湊と違って、コイツが短いスカートを履いても余計子供っぽい。
だが、彼女はれっきとした高校生である。
「おう、来たか、のん」
僕が声をかけると、のんはフフン、と鼻を鳴らす。
「彼女、五組の小宮山《こみやま》 志乃吹《しのぶ》さんだよね? 彼女が、最後のメンバーなのか?」
湊が首をかしげた。
「そうだよ。『可愛くないから』ってんで、周りに「のん」と呼ばせてる」
「知ってるよ。有名人だよね?」
湊のいるクラスにさえ、のんの存在が知れ渡っている。まあ、目立つよな。
「二人は知り合いかい?」
僕の代わりに、のんが返事をする。
「オイラとしょーたは、いわゆる幼なじみなのだぞ」
こいつとは、中学からの知り合いだ。
「いやあ、あと一歩遅かったら、オイラはセパタクロー部に入るところだったぞ」
のんはクラスで唯一、いまだ部活に入っていない。
各運動部から引っ張りだこで、のんの方も、どのスポーツにしようか迷っていた。そこへ、僕がクイズ番組研へ誘ったというわけだ。
「セパタクロー部って。なんの思い入れもないだろ」
「特定のスポーツで天下を取る気なんてないしなー。それに面白そうじゃんか、この部活」
特に気にせずに、のんは答えてきた。スポーツはコイツにとってストレス発散の手段でしかない。身体を動かすのが好きなのだ。
「中学からの知り合いって言ってましたが?」
「特別、仲がよかったわけじゃないよ。たまたま家が近所で、見かけることが多くてさ。そこから徐々に仲良くなっていった」
「そういうわけだ。みんなよろしくなー。お、これもらっていいか? オイラ大好きなんだ」
答えを聞くより先に、のんは無遠慮に、湊の隣にどっしりと腰を据える。ちゃぶ台に置かれた○×どら焼きに手を伸ばす。
「いいよ。遠慮しなくて」
「ありがとなー、しょーた」
袋を乱暴に開けて、のんは「いただきまーす」と口の中へ放り込む。
「いつ食ってもうまいな、このどら焼き。お前の家でよく食べたぞー」
喋りながら、○×どら焼きを二口で平らげた。
嘉穂さんが気を利かせて、スティックコーヒーを入れる。
「おう。ありがとなー。ずずず」と、のんは熱々のコーヒーを一気に喉へ流し込む。
「面白い子だね?」
「そうだな。面白いのは確かだ」
湊と二人、どら焼きを食べながら、のんの感想を述べ合う。
「お、これでメンバーは揃ったな。それじゃあ……」
名護先生が話を進めようとした次の瞬間、部室のドアが乱暴に開けられた。玄関前にいた僕を押し潰す。
「しょ・う・ちゃーん!」
僕の首に、女性の細腕が巻き付く。
0
あなたにおすすめの小説
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。
子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。
マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。
その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。
当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。
そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。
マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。
焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。
やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。
HOTランキング1位になることができました!
皆さま、ありがとうございます。
他社の投稿サイトにも掲載しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる