クイズ「番組」研究部 ~『それでは問題! ブタの貯金箱の正式名は?』「資本主義のブタ!」『はあっ!?』~

椎名 富比路

文字の大きさ
31 / 48
第五問 ガウチョは何語? ~クイズ番組研究部の休日~

特別企画「おそとでクイズ」!

しおりを挟む
 モールの隣にある国立公園を、収録現場として使うことになった。

 あちこちで、家族らしき団体がビニールシートを広げてピクニックをしている。
 飼い主とフリスビーを用いて遊んでいる犬もいた。
 人もまばらだ。多少騒いでも迷惑にはならないだろう。

「おまたせー」

 やなせ姉が現れた。慶介と腕を組んで、スキップをしながら。彼女も、ガウチョパンツで揃えてきた。

「いつの間にそんなの買ったんだよ?」
「さっきよー。イエーイ!」

 彼女の服装は、七分丈のデニム柄ガウチョと、木の皮を編み込んだサンダルである。さっき買ったばかりなのに、まるでオーダーメイドのように似合っていた。

「さあ、始まってしまいました。本日のクイズ番組研究会! 今回はなんと! 初の、野外ロケでございます!」 

 僕がセリフを言うと、嘉穂さん達が「わーっ」と拍手してくれた。
 慶介にデジカメを持ってもらっている。ポータブルサイズの八ミリだ。スマホでもいいが、画質や確実性を考えるとビデオの方がいいだろう。

「では、クイズ番組研究会番外編、スタートします」

 画面の向こう側にいる想定視聴者を煽りつつ、僕はカメラに顔を近づけた。

 女性陣をなめるように、慶介がカメラを動かす。

「わーいわーい」

 女性陣は、僕の周りをコント走りで駆け回る。かなり張り切ってるな。

 気がつけば、何事かとギャラリーができていた。といっても子供とお年寄りばかりだが。

 屋外でカメラを回しているせいか、女性陣のテンションが妙に高い。

「福原くん、今日はどんな形式のクイズなんですか?」

 嘉穂さんが質問してきた。

「えっと、今日はですね」
「何なのだ?」
「何だろーねー?」

 のんと湊がこちらのタイミングを無視して問答する。やっぱりテンションが高いな。

「今回のクイズ形式は、一問多答クイズです!」
「おおおおおーっ!」

 大げさに、女性グループが驚いた。
 複数の回答がある問題を、一人ずつ答えてもらう形式のクイズである。

「今回は、番組研の四人で答えてもらいます」

 やなせ姉が前に出た。

「ということは、ワタシも参加で?」

 彼女は、自分の胸に手を当てる。
 
「はい。今回は特別編と言うことで、来住先輩も選手として参加してもらいます!」

「いえーい!」

 女性陣がハイタッチでやなせ姉を迎え入れた。

「アシスタント改め来住選手。今日の意気込みを一言でお願いします!」
「足を引っ張らないように頑張りまーす」

 マジでテンションが高いな、今日の番組研は。
 
「全部で、四問出題します。一問だけ間違えでも構いません。ですが、二問間違えると、番組側の勝利となります」

「二問間違えたらどうするんだ?」
「誰かが代表してインタビュー動画を撮って、福原のオカズになるんだよね?」
「するか!」

 個人的に楽しむわけないだろ!
 
「三問無事に正解したら、何かあげましょう! 今日は急な企画にも付いてきてくれましたし」

「いえーい!」

 僕が提案すると、拍手はより大きな物へと変わった。

「それでは参りましょう! 第一も――」
「待った!」

 突然、西畑からストップが掛かる。何か問題があったか?

「どうした、西畑?」
「すまん、男には言いにくい。やなせさん、ちょっと」

 なぜか西畑は、僕ではなくやなせ姉を呼ぶ。
 彼の耳打ちを受けた後、やなせねえが僕に近づいてきた。

「どうしたの、やなせ姉?」
 
「それがね、湊ちゃんのガウチョから下着が透けてるって」

 僕は絶句する。一瞬湊の方を見た。
 確かに、彼女のガウチョパンツだけ生地が薄い。そのため、わずかに光を通している。

 そのせいで、ブルーの布地がぼやけて見えていた。

 中にスパッツを穿いているのんは無事。
 厚手の生地で決めた嘉穂さんも、セーフだ。
 
 やなせ姉の発言を聞いた湊は、頬を真っ赤に染める。

「ひゃあああああああ!」

 突如、湊は悲鳴を上げて、しゃがみ込んでしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。 子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。 マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。 その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。 当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。 そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。 マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。 焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。 やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。 HOTランキング1位になることができました! 皆さま、ありがとうございます。 他社の投稿サイトにも掲載しています。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】元Sランク受付嬢の、路地裏ひとり酒とまかない飯

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ギルド受付嬢の佐倉レナ、外見はちょっと美人。仕事ぶりは真面目でテキパキ。そんなどこにでもいる女性。 でも実はその正体、数年前まで“災厄クラス”とまで噂された元Sランク冒険者。 今は戦わない。名乗らない。ひっそり事務仕事に徹してる。 なぜって、もう十分なんです。命がけで世界を救った報酬は、“おひとりさま晩酌”の幸福。 今日も定時で仕事を終え、路地裏の飯処〈モンス飯亭〉へ直行。 絶品まかないメシとよく冷えた一杯で、心と体をリセットする時間。 それが、いまのレナの“最強スタイル”。 誰にも気を使わない、誰も邪魔しない。 そんなおひとりさまグルメライフ、ここに開幕。

処理中です...