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第五問 ガウチョは何語? ~クイズ番組研究部の休日~
番組研、ちょっとしたピンチ!
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鋭い視線が、僕に突き刺さる。
「福原! どうして教えてくれなかったのさ!」
西畑は、「逆光になってようやく判明した」と弁解した。
「別に西畑君はいいんだよ。、今ウチの格好を見たんだから! 福原はずっと見てたんだろ?」
「お前はそういうの気にしないタイプなんだな、って思ってたんだよ!」
「気にするよ! プライベートなら構わないよ? でも撮影だったら話は別だっての!」
半分涙目になって、湊が訴えかけてくる。
「悪かったよ。撮影は中止にするから」
「やだ。着替えて出直してくる」
彼女が着替え終わるまで、撮影は中断になった。
のんが湊についていくことに。
それにしても、あんな湊は初めて見た。
普段からは想像できない一面を見て、嘉穂さんでさえ面食らっている。
ボケ回答といい、湊は案外、照れ屋なのかも知れないな。
「いえーい! おまたせーっ!」
数分後、湊はデニムのジャケットを腰に巻いて戻ってきた。
「いやあ、お騒がせしたね」
「大丈夫か?」
僕が聞くと、湊は頭をかきながらOKサインをしてくる。
「では気を取り直して、おそとでクイズ、再開します!」
「いえーい!」
みんな元気がいいな……。
「第一問! 二〇一五年に三〇周年を迎えたバック・トゥ・ザ・フューチャー。その音楽を担当した音楽家、アラン・シルヴェストリが音楽を担当した作品、四つ答えて下さい。どうぞ!」
「えーっと、アベンジャーズ!」と、のん。
「正解」
最近クイズを勉強しているのんには、優しい問題だったか。
「レディ・プレイヤー・ワン!」
やなせ姉も正解だ。最近の映画もおさえているとは。
「えーっと、あの、あの、あっ! フォレストガンプ!」
何度も指を振って、ようやく嘉穂さんが正解。芸能音楽ジャンルはまだ苦手らしい。
「これは答えた方が面白いかな?」
「面白いですよ名護湊選手。答えちゃって下さい!」
「福原が言うなら、わかった。特攻野郎Aチーム THE MOVIE」
僕は、マイクを湊にズイッと向ける。
「……名護選手、今ボケたつもりで言いましたよね?」
湊はニヤリと笑って応答した。
「正解です!」
「マジか。当てちゃった。まあいいや」
プレッシャーの中でもボケようとするスピリッツは称賛に値するなぁ。
「では、第二問。ズバリ、『四大財閥』と言えば?」
全員が「は?」といった顔になる。
「三大財閥じゃなくて? ウチらたぶん、そう教わってるはずだけど?」
「はい。四大財閥です」
僕はスマホを用意して、タイマーのアプリを作動した。
時計の針が音を鳴らす。
「えっと、行くぞー。三井だ!」
「次、ワタシね? 三菱」
のんと、やなせ姉が連続して正解した。
嘉穂さんが後ろに下がる。が、湊が後を譲り返す。
「わたし、いいんですか? 住友です」
「はい。では、最後に湊選手、どうぞ!」
「五郎丸!」
「不正解。五郎丸は、のんの今着てるヤツ!」
のんが背番号を見せびらかす。
ちなみに、正解は『安田』である。
「これで後がなくなってしまった、番組研!」
「さて、単独ビデオインタビューに一歩近づきましたが?」
なぜか、解答者役の湊が司会進行を始めた。
「では、津田選手、今の感想を一言でどうぞ!」
「福原くんの目が怖いです!」
湊からマイクを取り上げる。
「こらこら、勝手に司会進行するなっての」
気を取り直して、次の問題へ。
「第三問! 海に面していない都道府県、八つお答え下さい!」
「うっわ、わかんね」
のんが頭を抱え始めた。
「適当に答えて。のんちゃん」
「うーん、じゃあ奈良!」
なんと正解。当てずっぽうでも答えるものだ。
「滋賀県も確か、そうだったような気がするなぁ」
「山梨……」
やなせ姉と嘉穂さんが正解。
「栃木?」
「のわー、どうすればいいんだ!」
一巡して、のんがパニックになってしまう。
「さて、これで小宮山選手が正解を答えられなければ、番組研の敗けが確定してしまいます! どうなる番組研!」
だが、のんは頭を抱えたままフリーズしている。
このまま、番組研の敗北は決定したかに思われた。
「ぐんまっ」
どこからともなく子供の声が。
声の主は、広場でお弁当を広げていた大家族だ。
集団の中から、幼稚園児くらいの少女がテクテクと抜け出てくる。
僕達がやっていたクイズに参加してるつもりで、答えを言っててしまったらしい。
「おい、こら」
少女の兄らしき少年が、答えを言ってしまった少女の口を塞いでいる。
「あ、あれ……」
僕は思わず、声を漏らしてしまう。
彼は、僕たちの旧友だ。小学校当時の。
僕と慶介を交互に見た後、旧友は視線を逸らす。
「カメラ止めるか、福原?」
「待って」
トラブルに対処しようとした慶介を僕は制した。
旧友に声を掛けようか、掛けまいか。
「知り合いか?」
のんが無邪気に尋ねてきた。
「ええ、まあ。そんなところだよ」
自分で言って、声が震えてる事に気づく。ここまで、動揺していたなんて。
「二人とも、悪かったな」
強引に少女を引き連れて、旧友は去って行こうとした。
「待って下さい!」
少女の手を取り、嘉穂さんは少女を呼び止める。
「福原! どうして教えてくれなかったのさ!」
西畑は、「逆光になってようやく判明した」と弁解した。
「別に西畑君はいいんだよ。、今ウチの格好を見たんだから! 福原はずっと見てたんだろ?」
「お前はそういうの気にしないタイプなんだな、って思ってたんだよ!」
「気にするよ! プライベートなら構わないよ? でも撮影だったら話は別だっての!」
半分涙目になって、湊が訴えかけてくる。
「悪かったよ。撮影は中止にするから」
「やだ。着替えて出直してくる」
彼女が着替え終わるまで、撮影は中断になった。
のんが湊についていくことに。
それにしても、あんな湊は初めて見た。
普段からは想像できない一面を見て、嘉穂さんでさえ面食らっている。
ボケ回答といい、湊は案外、照れ屋なのかも知れないな。
「いえーい! おまたせーっ!」
数分後、湊はデニムのジャケットを腰に巻いて戻ってきた。
「いやあ、お騒がせしたね」
「大丈夫か?」
僕が聞くと、湊は頭をかきながらOKサインをしてくる。
「では気を取り直して、おそとでクイズ、再開します!」
「いえーい!」
みんな元気がいいな……。
「第一問! 二〇一五年に三〇周年を迎えたバック・トゥ・ザ・フューチャー。その音楽を担当した音楽家、アラン・シルヴェストリが音楽を担当した作品、四つ答えて下さい。どうぞ!」
「えーっと、アベンジャーズ!」と、のん。
「正解」
最近クイズを勉強しているのんには、優しい問題だったか。
「レディ・プレイヤー・ワン!」
やなせ姉も正解だ。最近の映画もおさえているとは。
「えーっと、あの、あの、あっ! フォレストガンプ!」
何度も指を振って、ようやく嘉穂さんが正解。芸能音楽ジャンルはまだ苦手らしい。
「これは答えた方が面白いかな?」
「面白いですよ名護湊選手。答えちゃって下さい!」
「福原が言うなら、わかった。特攻野郎Aチーム THE MOVIE」
僕は、マイクを湊にズイッと向ける。
「……名護選手、今ボケたつもりで言いましたよね?」
湊はニヤリと笑って応答した。
「正解です!」
「マジか。当てちゃった。まあいいや」
プレッシャーの中でもボケようとするスピリッツは称賛に値するなぁ。
「では、第二問。ズバリ、『四大財閥』と言えば?」
全員が「は?」といった顔になる。
「三大財閥じゃなくて? ウチらたぶん、そう教わってるはずだけど?」
「はい。四大財閥です」
僕はスマホを用意して、タイマーのアプリを作動した。
時計の針が音を鳴らす。
「えっと、行くぞー。三井だ!」
「次、ワタシね? 三菱」
のんと、やなせ姉が連続して正解した。
嘉穂さんが後ろに下がる。が、湊が後を譲り返す。
「わたし、いいんですか? 住友です」
「はい。では、最後に湊選手、どうぞ!」
「五郎丸!」
「不正解。五郎丸は、のんの今着てるヤツ!」
のんが背番号を見せびらかす。
ちなみに、正解は『安田』である。
「これで後がなくなってしまった、番組研!」
「さて、単独ビデオインタビューに一歩近づきましたが?」
なぜか、解答者役の湊が司会進行を始めた。
「では、津田選手、今の感想を一言でどうぞ!」
「福原くんの目が怖いです!」
湊からマイクを取り上げる。
「こらこら、勝手に司会進行するなっての」
気を取り直して、次の問題へ。
「第三問! 海に面していない都道府県、八つお答え下さい!」
「うっわ、わかんね」
のんが頭を抱え始めた。
「適当に答えて。のんちゃん」
「うーん、じゃあ奈良!」
なんと正解。当てずっぽうでも答えるものだ。
「滋賀県も確か、そうだったような気がするなぁ」
「山梨……」
やなせ姉と嘉穂さんが正解。
「栃木?」
「のわー、どうすればいいんだ!」
一巡して、のんがパニックになってしまう。
「さて、これで小宮山選手が正解を答えられなければ、番組研の敗けが確定してしまいます! どうなる番組研!」
だが、のんは頭を抱えたままフリーズしている。
このまま、番組研の敗北は決定したかに思われた。
「ぐんまっ」
どこからともなく子供の声が。
声の主は、広場でお弁当を広げていた大家族だ。
集団の中から、幼稚園児くらいの少女がテクテクと抜け出てくる。
僕達がやっていたクイズに参加してるつもりで、答えを言っててしまったらしい。
「おい、こら」
少女の兄らしき少年が、答えを言ってしまった少女の口を塞いでいる。
「あ、あれ……」
僕は思わず、声を漏らしてしまう。
彼は、僕たちの旧友だ。小学校当時の。
僕と慶介を交互に見た後、旧友は視線を逸らす。
「カメラ止めるか、福原?」
「待って」
トラブルに対処しようとした慶介を僕は制した。
旧友に声を掛けようか、掛けまいか。
「知り合いか?」
のんが無邪気に尋ねてきた。
「ええ、まあ。そんなところだよ」
自分で言って、声が震えてる事に気づく。ここまで、動揺していたなんて。
「二人とも、悪かったな」
強引に少女を引き連れて、旧友は去って行こうとした。
「待って下さい!」
少女の手を取り、嘉穂さんは少女を呼び止める。
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