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第六問 ウイスキーの専門家のことを、なんと呼ぶ? ~最強のライバル襲来~
女神だって怒る
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やなせ姉は、おっとりしていそうに見えて、嫌いな人に対しては冷たい。
意外と言う事は言うのだ。
番組研のメンツが、やなせ姉の豹変ぶりに、呆気にとられていた。
「来住副会長、あなたは黙ってて」
「黙りませんよ」
ちゃぶ台に頬杖をつきながら、聖城会長を見上げる。
「だいたい、あんたが試合に集中したいっていうから、昌子だってやりたくない部長までやってるんじゃないですか」
聖城先輩の繭がピクリと動く。
「公私混同しているのは、どっちなんだか」
「私がいつ公私混同したって言うの!?」
先輩も負けていない。やなせ姉に食ってかかる。
「いつって、いつもじゃないですか。部活は私物化する。面倒事は後輩に押しつける。その実、自分は先輩なのに後進は育てない」
「生徒会長の仕事は、まともに取り組んでるでしょ?」
「内申書に響きますからね」
まるで日頃の鬱憤を晴らすかのように、やなせ姉はまくし立てた。
こんな鬼気迫るやなせ姉は、珍しい。
いつもは『長戸高の女神』と言われて、癒しクイーンとして印象付いているのに。
「だから、私が直々に、津田さんを育てようとしてるじゃない!」
「津田さん『は』、の間違いじゃないですか? 才能ありますから。我々は才能ないし」
ぐ、と聖城先輩は絶句し、「そこまで言ってないでしょ?」とフォローを入れる。
「わたし、先輩に指導していただいても、強くなれる自信がありません」
嘉穂さんの言葉は、弱気がら出たというより、拒絶しているように聞こえた。
この部を、離れたくないのだろう。
「やってみなければ分からないわ。早押しのタイミング、問題の予想方法、より高度な技術さえ身に付ければ、今以上に強くなるわ」
番組研とは正反対の理想だ。 確かに強くなるだろう。
しかし、その先に何があるのか。
強くなるだけがクイズとでも?
「強い事は絶対ですかぁ?」
やなせ姉は容赦がない。余程腹に据えかねていたのだろう。
「あなたのような外野には分からないわ」
「外野だから分かるんですよ。だから辞めたんですもの。この部には未来がないって」
ちゃぶ台を、やなせ姉がドンと叩く。
「嘘だあ。しょーたがいないからじゃん」
「そうそう。福原がいないなら、確かに未来はないよね」
瞬時に、二人からツッコまれる。
「実際、晶ちゃんが最優先事項だったけれどっ。もう、カッコつけさせてよねっ」
いい感じに緊張がほぐれた。
「可愛い男の子に走るなんて、あなたらしいわね」
「そうなんです。弟のように可愛いんです。晶ちゃんは」
遠慮知らずなやなせ姉の両腕が、僕を引っ張って抱きしめる。
ちょっと、もうちょっと力を緩めて。苦しい。
「どいつもこいつも欲望に忠実ね。そこにいる芸人の娘なんて」
珍しく、湊が険しい表情を見せた。
「芸人の娘さんが何だって言うんです?」
湊が動く前に、やなせ姉が聖城先輩に突っかかる。
「関本ナギサはそこそこいい大学を出てるんですよ?」
「だったら、どうしてその知識をクイズに活かそうとしなかったの?」
「芸人魂ですよ。芸人魂」
興奮気味に、やなせ姉が自分の胸を叩く。
「自分の頭の良さより笑いを取ったんです。芸人なら、当然の行為だと思いますけど?」
精一杯に、やなせ姉が湊の母をフォローする。
「魂でクイズには答えられないわ」
聖城先輩には通じなかったようだが。
「どうしても、あなたたちは津田嘉穂さんをクイズ研には戻したくないのね?」
「もちろんです」
「そこの皆さんも」
のんはあからさまに敵意を燃やし、湊は黙って怒りを抑えている。
「そういうワケだけど、津田嘉穂さん、あなたの意見を聞きたいわ。クイズ研に戻りたいか、このお笑い部に残りたいか」
「お笑い部とは何だ、お笑い部とは!」
のんが立ち上がる。
「わたしは残りたいです!」
両手で机を叩き、嘉穂さんが興奮気味で立ち上がった。
のんでさえ、嘉穂さんの気合いに圧倒されて席に着く。
「わたしは、この部活が好きです。だから、この部を脅かす存在とは、ぶつからないといけないのかな、って思います」
嘉穂さんは、全力で言葉を投げつけた。理不尽な要求には負けない、という強い意志が感じられる。
聖城先輩は、ため息をつく。
「じゃあ、こうしましょう。私とクイズ対決をするの」
「どうして、そうなるのさ?」
湊の問いかけに、聖城先輩はフフンと調子を取り戻す。
「知らないの? 津田嘉穂さんは、日本のクイズファンなら知らない人はいないと言われている女性の娘さんなのよ」
僕も知っている人だ。
嘉穂さんが、机の下で拳を握るのが見えた。
それは恐怖なのか、それとも強い人と当たるという武者震いなのか、僕には分からない。
意外と言う事は言うのだ。
番組研のメンツが、やなせ姉の豹変ぶりに、呆気にとられていた。
「来住副会長、あなたは黙ってて」
「黙りませんよ」
ちゃぶ台に頬杖をつきながら、聖城会長を見上げる。
「だいたい、あんたが試合に集中したいっていうから、昌子だってやりたくない部長までやってるんじゃないですか」
聖城先輩の繭がピクリと動く。
「公私混同しているのは、どっちなんだか」
「私がいつ公私混同したって言うの!?」
先輩も負けていない。やなせ姉に食ってかかる。
「いつって、いつもじゃないですか。部活は私物化する。面倒事は後輩に押しつける。その実、自分は先輩なのに後進は育てない」
「生徒会長の仕事は、まともに取り組んでるでしょ?」
「内申書に響きますからね」
まるで日頃の鬱憤を晴らすかのように、やなせ姉はまくし立てた。
こんな鬼気迫るやなせ姉は、珍しい。
いつもは『長戸高の女神』と言われて、癒しクイーンとして印象付いているのに。
「だから、私が直々に、津田さんを育てようとしてるじゃない!」
「津田さん『は』、の間違いじゃないですか? 才能ありますから。我々は才能ないし」
ぐ、と聖城先輩は絶句し、「そこまで言ってないでしょ?」とフォローを入れる。
「わたし、先輩に指導していただいても、強くなれる自信がありません」
嘉穂さんの言葉は、弱気がら出たというより、拒絶しているように聞こえた。
この部を、離れたくないのだろう。
「やってみなければ分からないわ。早押しのタイミング、問題の予想方法、より高度な技術さえ身に付ければ、今以上に強くなるわ」
番組研とは正反対の理想だ。 確かに強くなるだろう。
しかし、その先に何があるのか。
強くなるだけがクイズとでも?
「強い事は絶対ですかぁ?」
やなせ姉は容赦がない。余程腹に据えかねていたのだろう。
「あなたのような外野には分からないわ」
「外野だから分かるんですよ。だから辞めたんですもの。この部には未来がないって」
ちゃぶ台を、やなせ姉がドンと叩く。
「嘘だあ。しょーたがいないからじゃん」
「そうそう。福原がいないなら、確かに未来はないよね」
瞬時に、二人からツッコまれる。
「実際、晶ちゃんが最優先事項だったけれどっ。もう、カッコつけさせてよねっ」
いい感じに緊張がほぐれた。
「可愛い男の子に走るなんて、あなたらしいわね」
「そうなんです。弟のように可愛いんです。晶ちゃんは」
遠慮知らずなやなせ姉の両腕が、僕を引っ張って抱きしめる。
ちょっと、もうちょっと力を緩めて。苦しい。
「どいつもこいつも欲望に忠実ね。そこにいる芸人の娘なんて」
珍しく、湊が険しい表情を見せた。
「芸人の娘さんが何だって言うんです?」
湊が動く前に、やなせ姉が聖城先輩に突っかかる。
「関本ナギサはそこそこいい大学を出てるんですよ?」
「だったら、どうしてその知識をクイズに活かそうとしなかったの?」
「芸人魂ですよ。芸人魂」
興奮気味に、やなせ姉が自分の胸を叩く。
「自分の頭の良さより笑いを取ったんです。芸人なら、当然の行為だと思いますけど?」
精一杯に、やなせ姉が湊の母をフォローする。
「魂でクイズには答えられないわ」
聖城先輩には通じなかったようだが。
「どうしても、あなたたちは津田嘉穂さんをクイズ研には戻したくないのね?」
「もちろんです」
「そこの皆さんも」
のんはあからさまに敵意を燃やし、湊は黙って怒りを抑えている。
「そういうワケだけど、津田嘉穂さん、あなたの意見を聞きたいわ。クイズ研に戻りたいか、このお笑い部に残りたいか」
「お笑い部とは何だ、お笑い部とは!」
のんが立ち上がる。
「わたしは残りたいです!」
両手で机を叩き、嘉穂さんが興奮気味で立ち上がった。
のんでさえ、嘉穂さんの気合いに圧倒されて席に着く。
「わたしは、この部活が好きです。だから、この部を脅かす存在とは、ぶつからないといけないのかな、って思います」
嘉穂さんは、全力で言葉を投げつけた。理不尽な要求には負けない、という強い意志が感じられる。
聖城先輩は、ため息をつく。
「じゃあ、こうしましょう。私とクイズ対決をするの」
「どうして、そうなるのさ?」
湊の問いかけに、聖城先輩はフフンと調子を取り戻す。
「知らないの? 津田嘉穂さんは、日本のクイズファンなら知らない人はいないと言われている女性の娘さんなのよ」
僕も知っている人だ。
嘉穂さんが、机の下で拳を握るのが見えた。
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