そのモフモフ、メスガキにつき ―三十路DT魔術師、懐かないフェンリルに勝つため鍛えていたら無自覚最強に。ロリダークエルフの彼女までゲット―

椎名 富比路

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第一章 幼少期編 まだ主人公がションベン臭いガキだった頃の話

知らないうちに、世界平和に加担?

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 一五歳になって、クラスメイトも変わる。
 だが、ジョシュアは相変わらずデブのままだ。

「まったく。いくらトレーニングしてもちっともやせないじゃない。どうやったらアンタみたいなダメ人間が出来上がるのかしら?」
「ボクだってマジメにやってますぅ! ダメ狼はキミのほうだろ?」

 街でリヨと口論しながら、雑貨屋でお菓子を買う。

「そんな甘いものばかり、食べてるからでしょ? 少しはリヨを見習いなさいよ。あの子、女性ばかりの魔術師団に入るって言ったそうね? もっと見識を深めたいってさ」
「男子に言い寄られるのを避けるためじゃん」

 モテモテのミラに、ジョシュアは内心焦っていた。自分とはもう釣り合わないのではないかと。

                   ◆
  
 窓の向こうでは、魔法科の生徒会が不良グループを取り締まっていた。

「きききみぃ! 子どもがタバコなんて買ったらダダダダメぇ!」

 生徒会長さえいれば楽勝なのだが、彼は近くで起きている銀行強盗の騒動に巻き込まれてしまった。ここは、ヘタレながら自分が戦うしかない。

「ああん? テメェ俺がタバコを買ったところを見たのか、ああん?」
「じゃじゃじゃあその手に持っているのはなんだ?」
「なにボディチェックするわけ?」

 ズイ、と、不良が生徒会に詰め寄ってきた。

「ててて手だけ改めさせてくれたらあぐう!」

 生徒会が手を伸ばした瞬間、不良が腹に一撃をくらわせた。

「ひいい」

 倒れた生徒会のシャツには、足型がついている。

「おら、ちゃんと調べろよ」

 生徒会の頭に靴を押し付けた。
 他の不良たちも、生徒会のメンバーに暴行を加えだす。

                   ◆

 ジョシュアは両手いっぱいにお菓子を抱きかかえて、店から出る。

「チョコバーに、アメ玉の缶。相変わらず甘い物好きが治らないわねぇ」
「甘いものでも食べないとやってられないよ。あーもう、どうして引き止められなかったんだろう……」

 ミラの進路を思い、ジョシュアはすっかりストレスがマッハになっている。

「問題は、アンタの方よ。進路どうするの?」
「そうはいったって。ボクは研究職がいいな」
「お金にならないじゃない。騎士団なんてどうよ?」
「警察機構は、興味ないなぁ。魔法を使った事務職がいいよ」

 体を張った仕事はスキじゃない。できでも警備員がいい。お茶を飲んで過ごせるって言うし。

「のん気ねえ。そんなんだからミラだって愛想を尽かすんじゃない」
「ミラは自分の人生を全うしているんだ。ボクなんて、邪魔なだけさ」

 一緒にリヨのもとで訓練していてわかるのだ。
 ミラは誰よりも賢く育つ。
 自分と一緒にいては、堕落した人生を歩んでしまうと。

「そう思ってるのは、アンタだけなのよ? アンタが引き止めなかったら、一生後悔するでしょうね」
「どうだか。きっとミラはボクのことなんて忘れてしまうよ」

「まっ……たく!」と、リヨが大げさにため息をつく。

「そんなんだからモテないのよ。甘いものは没収するわ」

 リヨが、ジョシュアの腕からひったくった。

「なにするんだよ!」

 ジョシュアも取り返そうとするが、リヨのすばしっこさに追いつかない。

 なにか筋肉のようなものに、ジョシュアはぶつかった。

 目の前に、不良が現れる。三人連れだ。

「狼連れのお兄ちゃん、お金くれないかな?」

 不良のリーダーらしき男が、ジョシュアの道を塞ぐ。

 足元には、生徒会のメガネくんが倒れている。しかし、ジョシュアは気にしない。

「くれても殴るけどさぁケケケ! 死ねやブタッ!」 
「うるせえな引っ込んでろ!」

 ジョシュアは、不良リーダーの土手っ腹を蹴飛ばした。

 リーダー格の不良が、くの字になって飛んでいった。反対車線にある銀行に突っ込む。

「ったく、今しゃべってんだろうが!」

 まだ、不良共が道を塞いでいた。
 今日の自分は、機嫌が悪い。

「邪魔だ失せろ」

 ジョシュアの一言で、不良たちが一目散に逃げ出す。
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