おっさんとJKが、路地裏の大衆食堂で食べるだけ

椎名 富比路

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第三章 夏と海とJK

第37話 海の家のラーメンはなぜか食べてしまう問題

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 砂浜で、琴子の着替えを待つ。 

 水着に着替えた琴子が、更衣室から出てきた。

 オレンジのビキニ姿で、髪はポニーテールにしている。
 スク水の時から思っていたが、琴子はスタイルがいい。

「ん? 見とれちゃった?」
「まあな。それより行くぞ」
「つれないなぁ」

 脱力した琴子を連れて、砂浜にパラソルを立てる。

「じゃあ、泳いでくるねー」
「おう、気をつけてな」

 パラソルの下で、孝明はペットボトルのスポーツドリンクを飲む。

 泳ぎは得意ではないようだが、琴子の様子は楽しそうだ。

 孝明は、荷物番をしているわけではない。
 単に動きたくないだけった。
 手荷物はスマホと、首に提げているICカードだけ。

 一通り遊んだ琴子と共に、海の家へ。
 琴子はラーメン、孝明は焼きそばだ。


 海の家の経理は、民宿とも連動しているらしい。
 驚いたのは、キャッシュレスだったことだ。
 バスでも使ったパスカードで決済できるらしい。
 クレジットだけでなく、その場で支払い完了ができる。自動販売機も同様だ。


「おお、すごいね文明の利器」
 会計をしながら、琴子が感動していた。


「発言がオヤジ臭いな」


 店員にカード決済を徹底させた理由を聞いてみると、
「お札だと、海水やシャワーで濡れちゃうでしょ?」
 とのこと。
 繁忙期の小銭管理が面倒とも言っていた。

 ICカードなら、首などに提げておけば肌身離さず持ち歩ける。
 財布管理の必要もない。貴重品の盗難対策か。
 なるほど、合理的である。

「海の家のラーメンって、おいしいよね」
「何の効果なんだろうな」

 焼きそばも悪くない。

 琴子が、辺りをキョロキョロしている。



「なんか、カップルばっかりだね」


 よく見ると、男女二人連れが多い。
 その次にいるのは、家族連れか。


「気にするな。オレらには関係ない」
「そうだね。あたしたちも、何かカップルっぽいことする?」
「例えば?」

 やるとは言わず、ひとまず聞いてみる。
 きっとろくでもないことだろうけど。

「ああいうのが、あるんだけど」

 二人で飲むタイプのメロンソーダを指さす。ストローがハートになっている。

「炭酸だから、意外と腹にたまるぞ。結局男が全部飲むハメになるんだよ」
「誰情報よ、それ?」
「建一」
「ああ。この間の人」

 昔付き合っていた彼女と、建一は無理をして飲んでいたそうだ。
 酒好きなので、甘いものが苦手なのに。

 その後も、孝明と琴子は色々な話をした。

 だが、孝明には聞けないことがある。 



 琴子は、海外での話を一切しない。




「そういえばさ、あたし、学校でコメくん見たよ」
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