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第四章 元暗黒騎士、塔の地下アイドルを守る
第44話 新たな交易先、開拓
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ガルルデは必死に、弁解を続ける。
ランちゃんことランペイジ、レイちゃんことクレイジーとやらも、起きてきた。
「つまり襲撃はあくまでもアクータ塔の侵略が主目的、アタイらではないと?」
「ですじゃ。神に、月に誓って」
三匹の人間態ドラゴンに囲まれながら、ガルルデは土下座をしている。
「でも実質、塔が支配されたら、あなたは私たちに一番近い距離になるわよね? 冗談じゃないわ」
「出待ちとか、キモー」
ランちゃん、レイちゃんは、嫌悪感をあらわにする。
「ファンとして、ちょっとどうかと思うぞー」
「断じて、御三方がこのような場所で暮らしているとかは存じ上げず! ドラゴンの住処で、ライブ中継をなさっていると思うておりましたのじゃ」
どちらかというと、ガルルデは自治を重んじるファン側らしい。
「厄介ファンの剥がしなどには、我々も貢献しておりまして、健全なファンを自負しておりますじゃ」
「健全なファンだったら、家凸していいんだー。キモー」
レイちゃんは、露骨に気持ち悪がっていた。ガルルデを、まったく信用していない。
ムリもなかった。
ガルルデは月の魔力をバックに、戦いたかっただけである。
アイドルからすれば、夜中に自宅へ忍び込もうとしている不届き者にしか見えない。
「返答次第では、お前は出禁よ」
「申し訳ございません。お詫びとして、我が領地との交易では、便宜を図らせていただきます」
「なにがあるの?」
「フルーツや、それを元にしたポーション類など」
三匹のドラゴンは、話し合う。
「モン、ヒナ王女を呼んできてくれー」
「わかった。待ってろ」
俺は、ヒナ王女を呼ぶ。
王女は既に、起きていた。交渉の、準備をしている。
「反応が早いな」
「ピーザンの手旗信号を、受信しましたので」
すぐに出てこなかったのは、俺でも勝てると見込んだからだとか。
「捕まっていろ。黒雷で移動するから」
ヒナ王女と、ガルルデの元へ飛ぶ。
「……では今回の夜襲は、襲撃よりもシモン・セルバンデスとの決着を優先したと」
「いかにも。月の力を持ってしても、かなわなんだ。相手は手心を加えておったと言うに」
ガルルデの言葉に、ヒナ王女が「ほう」とうなった。
「モンがパワーセーブして戦っていたと、ご存知だったのですね?」
「当然。伊達に、四天王をしておらん。精細さを欠く戦い、手加減されておったと瞬時に見抜いたわい」
「さすがですね。では、交渉を続けましょう」
交易品三〇%引きで、手を打った。
「【ぽって】への接触は、不問といたしましょう。ですが、ここで得た情報を外部に漏らせば、ファンの死角は剥奪されるお覚悟を」
「承知」
肩を落としながら、ガルルデが立ち上がる。
「おい」
ピーザンが、ガルルデに声を掛けた。
「ファンを平等に扱うってマナー上、アタイは今のお前になにもしてやれんぞ。でも、また応援してくれよなー」
「血の一滴に至るまで、ワシはあなたのものですじゃ」
こうして、アイドル凸騒動は幕を閉じた。
(第四章 完)
ランちゃんことランペイジ、レイちゃんことクレイジーとやらも、起きてきた。
「つまり襲撃はあくまでもアクータ塔の侵略が主目的、アタイらではないと?」
「ですじゃ。神に、月に誓って」
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「でも実質、塔が支配されたら、あなたは私たちに一番近い距離になるわよね? 冗談じゃないわ」
「出待ちとか、キモー」
ランちゃん、レイちゃんは、嫌悪感をあらわにする。
「ファンとして、ちょっとどうかと思うぞー」
「断じて、御三方がこのような場所で暮らしているとかは存じ上げず! ドラゴンの住処で、ライブ中継をなさっていると思うておりましたのじゃ」
どちらかというと、ガルルデは自治を重んじるファン側らしい。
「厄介ファンの剥がしなどには、我々も貢献しておりまして、健全なファンを自負しておりますじゃ」
「健全なファンだったら、家凸していいんだー。キモー」
レイちゃんは、露骨に気持ち悪がっていた。ガルルデを、まったく信用していない。
ムリもなかった。
ガルルデは月の魔力をバックに、戦いたかっただけである。
アイドルからすれば、夜中に自宅へ忍び込もうとしている不届き者にしか見えない。
「返答次第では、お前は出禁よ」
「申し訳ございません。お詫びとして、我が領地との交易では、便宜を図らせていただきます」
「なにがあるの?」
「フルーツや、それを元にしたポーション類など」
三匹のドラゴンは、話し合う。
「モン、ヒナ王女を呼んできてくれー」
「わかった。待ってろ」
俺は、ヒナ王女を呼ぶ。
王女は既に、起きていた。交渉の、準備をしている。
「反応が早いな」
「ピーザンの手旗信号を、受信しましたので」
すぐに出てこなかったのは、俺でも勝てると見込んだからだとか。
「捕まっていろ。黒雷で移動するから」
ヒナ王女と、ガルルデの元へ飛ぶ。
「……では今回の夜襲は、襲撃よりもシモン・セルバンデスとの決着を優先したと」
「いかにも。月の力を持ってしても、かなわなんだ。相手は手心を加えておったと言うに」
ガルルデの言葉に、ヒナ王女が「ほう」とうなった。
「モンがパワーセーブして戦っていたと、ご存知だったのですね?」
「当然。伊達に、四天王をしておらん。精細さを欠く戦い、手加減されておったと瞬時に見抜いたわい」
「さすがですね。では、交渉を続けましょう」
交易品三〇%引きで、手を打った。
「【ぽって】への接触は、不問といたしましょう。ですが、ここで得た情報を外部に漏らせば、ファンの死角は剥奪されるお覚悟を」
「承知」
肩を落としながら、ガルルデが立ち上がる。
「おい」
ピーザンが、ガルルデに声を掛けた。
「ファンを平等に扱うってマナー上、アタイは今のお前になにもしてやれんぞ。でも、また応援してくれよなー」
「血の一滴に至るまで、ワシはあなたのものですじゃ」
こうして、アイドル凸騒動は幕を閉じた。
(第四章 完)
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