8 / 49
第二章 ここほれニャンニャン
第8話 アイテム堀り(物理)
しおりを挟む
今日は、フィールド内を歩いて回る。
まずは、安全な街へ向かう。
さすがに、街を掘って回るわけには……ん?
ビビが、街の中心にある噴水へ。周りを囲む草むらを、前足でチョンチョンとつつく。
『ケントご主人、ここ掘れニャンニャン』
マジで? 街なかに掘りポイントなんてあるの?
といっても、ゲームでも意外な場所で隠しアイテムなんかがあるくらいだから、PRFでも起きうるのかも。
「はいはい。掘りますよ」
ボクは、スコップで草むらを掘る。
いいのかな? 守衛さんに怒られないよね? 後でちゃんと、もとに戻しますからねー。
「薬草の種だ」
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
レアアイテム 【大薬草の種】
妖精の森でしか手に入らない、薬草の種。メロンソーダのような香りがする、緑色の花を咲かせる。
魔力を回復する、【ハイエーテル】の元となる。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
「そもそも、【エーテル】がどんなものか、わからないんだよなあ」
『ケントご主人、ショップで確認するニャ。ニャアも魔力を消費しているから、ちょうどいいニャ』
「よし、行ってみよう」
ボクたちは、ドラッグストア風のお店に。
こう見るとこのゲームは、必要な施設が近代的でわかりやすい。
スタミナドリンクのような瓶が、ズラッと並んだスペースに。
これ全部、エーテルか。
「あった。エーテルだ」
トリセツを見ると、魔力を回復するアイテムのようだ。
ハイエーテルは、エーテルの一〇倍くらい高い。
ひとまず普通のものを、二本だけ買ってみた。
ビビと二人で、分け合う。
「いただきます。うーん! 甘酸っぱい!」
炭酸だ、これ。ラムネっぽいな。
「ビビ、これ、キミが飲んで大丈夫?」
『みんな飲んでるニャ』
たしかに、獣人たちはみんな、エーテルをジュース代わりに飲んでいる。
「さすがに、店の中に掘るポイントなんてないよね?」
『ここ掘れニャンニャン』
ええ、店の裏庭に掘るポイントが?
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
ユニークアイテム 【治癒の指輪】
治癒の女神の力が込められている、小さい指輪。
指輪をはめて腕をかかげると、ちびっ子女神が降臨して、自分を含めた周囲の仲間を回復する。
回復量は小さい。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
「仲間全員に、【ヒール】の魔法をかけるんだって」
【ヒール】は回復系の中でも、もっとも初歩魔法である。それでも、序盤でこの効果は強力だ。
『それは回復職を目指してる、ケントご主人が持っておくニャ』
「そうするよ」
他にもいろんな街を回って、アイテムを掘ってみる。
民家の牧場に掘るポイントがあって、驚いた。NPCは特に嫌な顔をせず、掘らせてくれたけど。
「手に入ったのは、これくらいか」
【ブリキ製の王冠】……レアだけど、換金アイテムだ。大昔に流行った、子どもの遊び道具なんだって。
鑑定してもらったら、結構高値で売れた。クエストで必要な、アイテムだったみたい。
ボクたちはそのミッションを、依頼を受けていないのにクリアしちゃった。
【一撃の短剣】……レアのナイフである。メイン武器としては心もとない。懐刀としてはいい感じ。常にクリティカルが出るという。
前回のバグ取り報酬と、王冠を売ったお金で、懐は潤った。
いい装備を買っていこうかな、と。
大薬草の種を自宅の畑に植えて、装備売り場へ向かう。
「ロングソードを買おう」
ボクも、戦闘で役に立ちたいし。
炎の魔法効果を持つ、ロングソードを手に入れた。盾を持ったままでも十分に扱える。
防具のコーナーへ。
まずは、ビビに良質のローブを買ってあげた。雷の魔法が付与されていて、電気効果で反応速度が上がるという。これにより、回避率が五%ほどアップした。
ボクは、鉄の胸当てを買う。
「よし、色々ためしてみよう」
装備を新調して、フィールドに出た。
ホーンラビットを相手にする。
「それっ!」
ラビットに向けて、剣を振った。
剣は見事に相手の角を弾き、その反動で胴を凪ぐ。
ボクの攻撃を受けて、ホーンラビットが目を回した。
『自分のスピードで、こちらの攻撃力をあげちゃったら、世話がないニャ』
わざとホーンラビットの攻撃を受け流し、ビビはローブの効果を試している。
こちらの戦果を確認する余裕まで、見せていた。
『とどめニャ』
ビビが、ラビットに小さめの雷撃を浴びせる。
ホーンラビットの角が避雷針となって、雷撃が頭に直撃した。
『これで、お夜食確保ニャ』
「ギルドに持っていこうねー」
実はこのゲームには、課金要素がある。
魔物の肉を、実際の食材に交換してもらえるサービスだ。動物タイプの魔物に限定されるが。
モンスターを倒したという実感を、得てもらうためだ。
爪や牙なども、頼んだら宅配にてそれっぽいモノを実物で送ってくれる。
実際に、鹿の角なんかを、犬のおやつとしてあげる家も多い。
付け爪やイミテーションの牙は、コスプレ用に使う人もいる。
ゲーム内でアイテムやお金に換えるか、課金して実際にモノとしてもらうか、選択ができるのだ。
ペット用のおやつパウチなどは、ゲームをしていれば無料で送ってくれる。月イチに試供品を一本だけだが。
それ以外の特定ペット専用アイテムは、課金で送ってくれるのだ。
『むむ。匂うニャ』
森の中に、ビビが入っていく。
岩に囲まれたダンジョンの入口に、ビビが反応した。
『ここ掘れニャンニャンセンサーが、あのダンジョンに働いているニャ』
まずは、安全な街へ向かう。
さすがに、街を掘って回るわけには……ん?
ビビが、街の中心にある噴水へ。周りを囲む草むらを、前足でチョンチョンとつつく。
『ケントご主人、ここ掘れニャンニャン』
マジで? 街なかに掘りポイントなんてあるの?
といっても、ゲームでも意外な場所で隠しアイテムなんかがあるくらいだから、PRFでも起きうるのかも。
「はいはい。掘りますよ」
ボクは、スコップで草むらを掘る。
いいのかな? 守衛さんに怒られないよね? 後でちゃんと、もとに戻しますからねー。
「薬草の種だ」
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
レアアイテム 【大薬草の種】
妖精の森でしか手に入らない、薬草の種。メロンソーダのような香りがする、緑色の花を咲かせる。
魔力を回復する、【ハイエーテル】の元となる。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
「そもそも、【エーテル】がどんなものか、わからないんだよなあ」
『ケントご主人、ショップで確認するニャ。ニャアも魔力を消費しているから、ちょうどいいニャ』
「よし、行ってみよう」
ボクたちは、ドラッグストア風のお店に。
こう見るとこのゲームは、必要な施設が近代的でわかりやすい。
スタミナドリンクのような瓶が、ズラッと並んだスペースに。
これ全部、エーテルか。
「あった。エーテルだ」
トリセツを見ると、魔力を回復するアイテムのようだ。
ハイエーテルは、エーテルの一〇倍くらい高い。
ひとまず普通のものを、二本だけ買ってみた。
ビビと二人で、分け合う。
「いただきます。うーん! 甘酸っぱい!」
炭酸だ、これ。ラムネっぽいな。
「ビビ、これ、キミが飲んで大丈夫?」
『みんな飲んでるニャ』
たしかに、獣人たちはみんな、エーテルをジュース代わりに飲んでいる。
「さすがに、店の中に掘るポイントなんてないよね?」
『ここ掘れニャンニャン』
ええ、店の裏庭に掘るポイントが?
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
ユニークアイテム 【治癒の指輪】
治癒の女神の力が込められている、小さい指輪。
指輪をはめて腕をかかげると、ちびっ子女神が降臨して、自分を含めた周囲の仲間を回復する。
回復量は小さい。
~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
「仲間全員に、【ヒール】の魔法をかけるんだって」
【ヒール】は回復系の中でも、もっとも初歩魔法である。それでも、序盤でこの効果は強力だ。
『それは回復職を目指してる、ケントご主人が持っておくニャ』
「そうするよ」
他にもいろんな街を回って、アイテムを掘ってみる。
民家の牧場に掘るポイントがあって、驚いた。NPCは特に嫌な顔をせず、掘らせてくれたけど。
「手に入ったのは、これくらいか」
【ブリキ製の王冠】……レアだけど、換金アイテムだ。大昔に流行った、子どもの遊び道具なんだって。
鑑定してもらったら、結構高値で売れた。クエストで必要な、アイテムだったみたい。
ボクたちはそのミッションを、依頼を受けていないのにクリアしちゃった。
【一撃の短剣】……レアのナイフである。メイン武器としては心もとない。懐刀としてはいい感じ。常にクリティカルが出るという。
前回のバグ取り報酬と、王冠を売ったお金で、懐は潤った。
いい装備を買っていこうかな、と。
大薬草の種を自宅の畑に植えて、装備売り場へ向かう。
「ロングソードを買おう」
ボクも、戦闘で役に立ちたいし。
炎の魔法効果を持つ、ロングソードを手に入れた。盾を持ったままでも十分に扱える。
防具のコーナーへ。
まずは、ビビに良質のローブを買ってあげた。雷の魔法が付与されていて、電気効果で反応速度が上がるという。これにより、回避率が五%ほどアップした。
ボクは、鉄の胸当てを買う。
「よし、色々ためしてみよう」
装備を新調して、フィールドに出た。
ホーンラビットを相手にする。
「それっ!」
ラビットに向けて、剣を振った。
剣は見事に相手の角を弾き、その反動で胴を凪ぐ。
ボクの攻撃を受けて、ホーンラビットが目を回した。
『自分のスピードで、こちらの攻撃力をあげちゃったら、世話がないニャ』
わざとホーンラビットの攻撃を受け流し、ビビはローブの効果を試している。
こちらの戦果を確認する余裕まで、見せていた。
『とどめニャ』
ビビが、ラビットに小さめの雷撃を浴びせる。
ホーンラビットの角が避雷針となって、雷撃が頭に直撃した。
『これで、お夜食確保ニャ』
「ギルドに持っていこうねー」
実はこのゲームには、課金要素がある。
魔物の肉を、実際の食材に交換してもらえるサービスだ。動物タイプの魔物に限定されるが。
モンスターを倒したという実感を、得てもらうためだ。
爪や牙なども、頼んだら宅配にてそれっぽいモノを実物で送ってくれる。
実際に、鹿の角なんかを、犬のおやつとしてあげる家も多い。
付け爪やイミテーションの牙は、コスプレ用に使う人もいる。
ゲーム内でアイテムやお金に換えるか、課金して実際にモノとしてもらうか、選択ができるのだ。
ペット用のおやつパウチなどは、ゲームをしていれば無料で送ってくれる。月イチに試供品を一本だけだが。
それ以外の特定ペット専用アイテムは、課金で送ってくれるのだ。
『むむ。匂うニャ』
森の中に、ビビが入っていく。
岩に囲まれたダンジョンの入口に、ビビが反応した。
『ここ掘れニャンニャンセンサーが、あのダンジョンに働いているニャ』
11
あなたにおすすめの小説
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる