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第二章 Etre Le Vent Qui Detruit Le Mal(悪を滅ぼす風になれ)
助太刀致す!
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「商家カゾーラン、その方、私利私欲のために国の流通まで衰退させ、妖術を持って世界を混乱させた罪、許してはおけぬ。天に変わって成敗いたす!」
「おのれ、こうなれば」
カゾーランは立ち上がり、配下の野盗たちに指示を送る。
「ヤロウ共、この大公さまは偽モンだ。本物がこんな田舎に来るものか!」
愚かにも、カゾーランたちはアンの抹殺を選択した。
アンが、剣を顔の横に構える。
チャキ、と剣が煌めいた。
銀色の剣が唸りを上げ、野盗をたたきのめす。
立て続けに三人倒した。
背後に気配を感じ、背中を剣で守る。
コマのように回って敵の武器を弾き、剣を叩き込む。
弓兵が、アンを狙っていた。
「あっちは任せな!」
弓を構えた野盗に向けて、リザが風の魔法を浴びせる。
軽く突風攻撃を受けただけで、弓兵は全員バランスを崩して五メートル下に落下した。
「いっちょあがり」
向こうは大丈夫そうだ。
アンは野盗を、防波堤にまで追い詰める。
怒声を浴びせながら盗賊が迫ってきた。
「海ぃ!」
盗賊を、剣も使わず海へと投げ捨てる。
側面を狙ってきた野盗は、蹴り飛ばし海へ。後ろから斬りかかった野盗は裏拳で海へと放り込む。
「お前も海ぃ! 全員海ぃ!」
ポイポイと、アンは野盗たちを、次々と夜の海へと投げ飛ばした。
「こなれば! かかれ、者共ぉ!」
サソリたちも、数を増やして迫ってきた。やはり妖術師が操っていたらしい。
「いくら王妃が強かろうと、このサソリの群れは防げまい」
妖術師の挑発に耳など貸さず、アンは防波堤の上でサソリを迎え撃つ。
剣で足を砕き、動けなくなったところを突き刺す。
「おらああああ!」
アンはサソリのシッポを掴み、毒針部分を千切った。危ない部分のなくなったシッポを脇で抱えて、ブンブンと振り回す。
大サソリをスイングし、サソリの集団を吹っ飛ばした。
だが、野盗の群れは留まるところを知らない。さすが、フランス最大の海賊お言われていただけのことはある。
「おのれ、こうなれば」
カゾーランは立ち上がり、配下の野盗たちに指示を送る。
「ヤロウ共、この大公さまは偽モンだ。本物がこんな田舎に来るものか!」
愚かにも、カゾーランたちはアンの抹殺を選択した。
アンが、剣を顔の横に構える。
チャキ、と剣が煌めいた。
銀色の剣が唸りを上げ、野盗をたたきのめす。
立て続けに三人倒した。
背後に気配を感じ、背中を剣で守る。
コマのように回って敵の武器を弾き、剣を叩き込む。
弓兵が、アンを狙っていた。
「あっちは任せな!」
弓を構えた野盗に向けて、リザが風の魔法を浴びせる。
軽く突風攻撃を受けただけで、弓兵は全員バランスを崩して五メートル下に落下した。
「いっちょあがり」
向こうは大丈夫そうだ。
アンは野盗を、防波堤にまで追い詰める。
怒声を浴びせながら盗賊が迫ってきた。
「海ぃ!」
盗賊を、剣も使わず海へと投げ捨てる。
側面を狙ってきた野盗は、蹴り飛ばし海へ。後ろから斬りかかった野盗は裏拳で海へと放り込む。
「お前も海ぃ! 全員海ぃ!」
ポイポイと、アンは野盗たちを、次々と夜の海へと投げ飛ばした。
「こなれば! かかれ、者共ぉ!」
サソリたちも、数を増やして迫ってきた。やはり妖術師が操っていたらしい。
「いくら王妃が強かろうと、このサソリの群れは防げまい」
妖術師の挑発に耳など貸さず、アンは防波堤の上でサソリを迎え撃つ。
剣で足を砕き、動けなくなったところを突き刺す。
「おらああああ!」
アンはサソリのシッポを掴み、毒針部分を千切った。危ない部分のなくなったシッポを脇で抱えて、ブンブンと振り回す。
大サソリをスイングし、サソリの集団を吹っ飛ばした。
だが、野盗の群れは留まるところを知らない。さすが、フランス最大の海賊お言われていただけのことはある。
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