21 / 70
第四章 ドキドキ動画合宿! BANの危機があるからポロリはナシ!
第21話 田舎には、よく帰る?
しおりを挟む
オレたちは、海の家で休む。ああ、ラムネがキンキンに冷えてやがる!
「海の家って言ったら、ラーメンだろ!」
「わたしは、カレーかな」
各々注文をして、畳の間に着席した。
オレのラーメンは、いわゆる中華そばだ。メンマと薄いチャーシュー、ナルトが乗っている。シンプルな見た目なのに、やたらと誘ってきやがる。
夢希の頼んだものは、いわゆる具がゴロゴロした田舎カレーだ。こっちも、いい香りが漂う。
「それもいいな。じゃあ、いただ……あっ、ちょっとまって」
「どうしたの?」
「シェアしよう」
オレは、店員を呼ぶ。
「すいません。小皿を」
オーダーすると、店員さんがお椀を二つ用意してくれた。
「これでシェアできるな」
「あーん、でよくない?」
「た、たしかにな。でもラーメンやカレーであーんって、難しくねえか?」
麺はビローンって、伸びるからな。あーんとかは、ちょっとやりづらかった。絵面的にも、見栄えが悪い。
「これがお前の分な」
「ありがと。うわあ、おいしそう」
ラーメンもカレーも、どっちもうまそうだ。
「足りなかったら、言ってくれ」
「そんな食いしん坊じゃないし。はい。カイカイの分」
「ありがとうな。じゃあ、いただきます……おおおおお!」
うめえ! 超絶に雑な味付けなのに、マジでうまい。
「どう?」
「うまい!」
「ホントに? じゃあ、いただきます! はむ……うーん!」
夢希の顔がほころんだ。
「カレー最高」
「ラーメンも、なんか独特だぞ」
「ホント?」
小鉢をもって、夢希がラーメンをすする。
「いいだろ?」
「うん! おいひい。しかも、なんか懐かしい!」
「そうなんだよ!」
こんな昭和臭がする昔ながらの中華そばって、食ったことがない。そのはずなのに、なぜか食べたことがあるような気がしてくる。インスタントでも、似たような味付けのものはもちろんある。だが、この味には到達できないだろう。
本格的とはいい難く、素人感は満載だ。しかし、これはこれで完成しているんだよなあ。
「カレーも食べてみて。いい感じだから」
「おう……うんうん! 言いたいことはわかる! なんとも形容しがたいうまさだわ、たしかに」
コクが、ハンパねえ。チェーン店ほど整っていなくて、専門店ほどパンチが効いているわけでもない。しかし、なんだろう? この店でしか食えないうまさがある。
たしかにどちらも、専門的な味には程遠い。
海の家の料理は微妙、と言われている。
だが、このうまさはなんだ? 日の当たる場所で食ってるからうまいって次元を、この料理ははるかに超越している。
「ごちそうさまでした! と思うだろ? まだあるぞ」
ジャン! の掛け声とともに、かき氷を用意した。オレはシンプルないちごで。夢希はメロン味だ。もちろん……あーんで食べさせ合う。
「では、お互いの質疑応答、ってのをやってみる」
よく考えたら、動画であまりお互いに干渉しなさすぎなんだよな。
「というわけで、始めるぞ」
「カイカイは、田舎には、よく帰るの?」
「たまにな。お葬式があるときくらいかな」
あとは両親が、法事に顔を出す程度である。
父方と違い、母方の親戚は、あまり金にがめつくない。とはいえ、オレたちの家からは遠すぎる。なので、自然と足が遠のいちまった。
「ぶっちゃけ、こんなチャンスがなかったら、まあ帰らないだろうな」
「海いいなあ。海産物おいしそう」
「ぜひ食べて帰ってくれ」
「ありがとー」
続いて、夢希の番だ。
「ムゥの実家の田舎って、どんな感じなんだ? 答えられる範囲で頼む」
「えっとねえ……山の方」
「そうか。オレが海の方だから、ちょうど反対側だな」
夢希はオレにだけわかるように、ジェスチャーをする。「わかるでしょ?」って感じで。
オレも声に出さず、「なるほど」とうなずく。だいたいの場所はわかった。日本一高い山がある場所だ、ってことくらいは。
「ふたりとも、田舎から都会に出てきて、そこで知り合って、わたしが産まれたの」
「おんなじ田舎だったんだな?」
「そうそう」
「毎年、帰るのか?」
「うんうん。キャンプで山を見に行くの。登らないけどね」
「おう」
絶景なんだろうな。口には出せないが。
「海の家って言ったら、ラーメンだろ!」
「わたしは、カレーかな」
各々注文をして、畳の間に着席した。
オレのラーメンは、いわゆる中華そばだ。メンマと薄いチャーシュー、ナルトが乗っている。シンプルな見た目なのに、やたらと誘ってきやがる。
夢希の頼んだものは、いわゆる具がゴロゴロした田舎カレーだ。こっちも、いい香りが漂う。
「それもいいな。じゃあ、いただ……あっ、ちょっとまって」
「どうしたの?」
「シェアしよう」
オレは、店員を呼ぶ。
「すいません。小皿を」
オーダーすると、店員さんがお椀を二つ用意してくれた。
「これでシェアできるな」
「あーん、でよくない?」
「た、たしかにな。でもラーメンやカレーであーんって、難しくねえか?」
麺はビローンって、伸びるからな。あーんとかは、ちょっとやりづらかった。絵面的にも、見栄えが悪い。
「これがお前の分な」
「ありがと。うわあ、おいしそう」
ラーメンもカレーも、どっちもうまそうだ。
「足りなかったら、言ってくれ」
「そんな食いしん坊じゃないし。はい。カイカイの分」
「ありがとうな。じゃあ、いただきます……おおおおお!」
うめえ! 超絶に雑な味付けなのに、マジでうまい。
「どう?」
「うまい!」
「ホントに? じゃあ、いただきます! はむ……うーん!」
夢希の顔がほころんだ。
「カレー最高」
「ラーメンも、なんか独特だぞ」
「ホント?」
小鉢をもって、夢希がラーメンをすする。
「いいだろ?」
「うん! おいひい。しかも、なんか懐かしい!」
「そうなんだよ!」
こんな昭和臭がする昔ながらの中華そばって、食ったことがない。そのはずなのに、なぜか食べたことがあるような気がしてくる。インスタントでも、似たような味付けのものはもちろんある。だが、この味には到達できないだろう。
本格的とはいい難く、素人感は満載だ。しかし、これはこれで完成しているんだよなあ。
「カレーも食べてみて。いい感じだから」
「おう……うんうん! 言いたいことはわかる! なんとも形容しがたいうまさだわ、たしかに」
コクが、ハンパねえ。チェーン店ほど整っていなくて、専門店ほどパンチが効いているわけでもない。しかし、なんだろう? この店でしか食えないうまさがある。
たしかにどちらも、専門的な味には程遠い。
海の家の料理は微妙、と言われている。
だが、このうまさはなんだ? 日の当たる場所で食ってるからうまいって次元を、この料理ははるかに超越している。
「ごちそうさまでした! と思うだろ? まだあるぞ」
ジャン! の掛け声とともに、かき氷を用意した。オレはシンプルないちごで。夢希はメロン味だ。もちろん……あーんで食べさせ合う。
「では、お互いの質疑応答、ってのをやってみる」
よく考えたら、動画であまりお互いに干渉しなさすぎなんだよな。
「というわけで、始めるぞ」
「カイカイは、田舎には、よく帰るの?」
「たまにな。お葬式があるときくらいかな」
あとは両親が、法事に顔を出す程度である。
父方と違い、母方の親戚は、あまり金にがめつくない。とはいえ、オレたちの家からは遠すぎる。なので、自然と足が遠のいちまった。
「ぶっちゃけ、こんなチャンスがなかったら、まあ帰らないだろうな」
「海いいなあ。海産物おいしそう」
「ぜひ食べて帰ってくれ」
「ありがとー」
続いて、夢希の番だ。
「ムゥの実家の田舎って、どんな感じなんだ? 答えられる範囲で頼む」
「えっとねえ……山の方」
「そうか。オレが海の方だから、ちょうど反対側だな」
夢希はオレにだけわかるように、ジェスチャーをする。「わかるでしょ?」って感じで。
オレも声に出さず、「なるほど」とうなずく。だいたいの場所はわかった。日本一高い山がある場所だ、ってことくらいは。
「ふたりとも、田舎から都会に出てきて、そこで知り合って、わたしが産まれたの」
「おんなじ田舎だったんだな?」
「そうそう」
「毎年、帰るのか?」
「うんうん。キャンプで山を見に行くの。登らないけどね」
「おう」
絶景なんだろうな。口には出せないが。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」
かつて、私は信じていた。
優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な──
そんな普通のお兄ちゃんを。
でも──
中学卒業の春、
帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、
私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった!
家では「戦利品だー!」と絶叫し、
年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、
さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!?
……ちがう。
こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない!
たとえ、世界中がオタクを称えたって、
私は、絶対に──
お兄ちゃんを“元に戻して”みせる!
これは、
ブラコン妹と
中二病オタク姫が、
一人の「兄」をめぐって
全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──!
そしていつしか、
誰も予想できなかった
本当の「大好き」のカタチを探す、
壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる