82 / 289
パンケーキは、罪の味 ~港のオープンカフェのパンケーキ~
モーニングは、罪の味
しおりを挟む
うう、早く起きすぎました。
日が出ていますが、そんなに時間が経っていないではありませんか。やや薄暗いですね。
日頃の習性に加え、空腹が襲ってきています。
焼肉パーティの後、わたしは何も食べずに床へつきました。
それがいけなかったのでしょう。
せっかくお風呂で身体もほぐしたというのに、これでは不健康まっしぐらですね。
「走りましょう」
軽くジョギングをすることにします。軽めに走って、脳に酸素を行き渡らせることに。
まだ教会のオフは続きます。
ここでへバると、わたしは食っちゃ寝が染み付いてしまうでしょう。それは最悪です。
トレーニングウェアに着替えて、いざスタートしました。
「ほっほっほっ」
一時間ほど走っていると、もう働いている方がいらっしゃいます。
これから帰る人もいるようですね。ご苦労さまです。
「はっはっはっ」
ん? おいしそうなパンの焼ける匂いがします。
「こっちですね」
たしか、こちらのパン屋さんはとても評判だと聞きますね。
こんな時間から、もう仕込みとは。
食への探究心がすばらしいですね。頭が下がります。
ですが、まだ開いていません。残念ですね。
しばらくこの辺りをウロウロして、タイミングを見計らって入店を……。
「お?」
今度は、コーヒーの香ばしさが、鼻をくすぐります。
ああ、コーヒー独特の焦げ付いた匂いが、わたしを誘っているではありませんか。
「これは、行くしかないですね」
香りのする方角へ、歩を向けます。
コーヒーの出どころは、かつてグラタンを食べに寄った純喫茶でした。なるほど、こちらでしたか。
店のカウンターでは、冒険者風の男性二人組が、モンスター闘技場の予想が書かれた新聞にペンで丸を振っていました。
「いらっしゃい。あら? お嬢さん、いらっしゃい。グラタンは夜からなのよ。ごめんなさいね」
「いえ。コーヒーを一つ」
「はいな。ついでに、モーニングも食べていくかい?」
モーニングですか。実は、食べたことがありません。
「では、モーニングセットを」
朝食セットは、すぐに用意されました。
「なるほど。これがモーニングセットと」
メニューは、バタートースト、小鉢のサラダ、ウインナーにゆで卵です。デザートは、バナナですね。
教会の献立と、さほど変わりません。なのに、どうしてお店だとおいしそうに見えるのでしょう?
「いただきます」
天の恵みに感謝して、朝のコーヒーを。
「お~。罪深い」
このコーヒーを飲むためだけでも、頼む価値はありますね。一杯だけでも、教会の食事より満たされる気分です。
続いて、バタートーストを。ううん、いい香り。
これも……おいっしいです! ふんわり柔らかくて、言葉を失います。
ゆで卵もこうなると、違った意味を持ちますね。味わい深いです。
「そうだ。せっかくだから、こいつをつけとくれよ」
とろみの付いた液体入りの小瓶を、奥さんがわたしの前に置きました。
「なんです、これは?」
「マヨネーズさ。小鉢の中でゆで卵を潰して、そいつと一緒に混ぜな。で、パンに挟んでおくれよ」
アドバイス通り、たまごサンドを試してみます。
おおおおおおお! ううううううう罪深いぃ! これは朝から、贅沢ですねぇ!
ゆで卵の味付けなんて、塩くらいしか思いつきませんでした。
あるいは、ラーメンの煮卵くらいですかね。
まさか、こんな大変貌を遂げるとは。
また、潰したゆでたまごはサラダに乗せてもいい仕事をします。
さっぱりしたサラダに、濃厚なマヨは絶妙な味わいですねぇ。
「凝ったメニューじゃないから、物足りないだろ?」
「いいえっ! 最っ高の朝を迎えることができましたっ!」
シメにバナナをいただき、幸せな状態で教会へ帰ります。
「あら、いましたわ! クリスさん?」
あれれ? ウル王女の馬車が、教会の前に停まっていますね。
日が出ていますが、そんなに時間が経っていないではありませんか。やや薄暗いですね。
日頃の習性に加え、空腹が襲ってきています。
焼肉パーティの後、わたしは何も食べずに床へつきました。
それがいけなかったのでしょう。
せっかくお風呂で身体もほぐしたというのに、これでは不健康まっしぐらですね。
「走りましょう」
軽くジョギングをすることにします。軽めに走って、脳に酸素を行き渡らせることに。
まだ教会のオフは続きます。
ここでへバると、わたしは食っちゃ寝が染み付いてしまうでしょう。それは最悪です。
トレーニングウェアに着替えて、いざスタートしました。
「ほっほっほっ」
一時間ほど走っていると、もう働いている方がいらっしゃいます。
これから帰る人もいるようですね。ご苦労さまです。
「はっはっはっ」
ん? おいしそうなパンの焼ける匂いがします。
「こっちですね」
たしか、こちらのパン屋さんはとても評判だと聞きますね。
こんな時間から、もう仕込みとは。
食への探究心がすばらしいですね。頭が下がります。
ですが、まだ開いていません。残念ですね。
しばらくこの辺りをウロウロして、タイミングを見計らって入店を……。
「お?」
今度は、コーヒーの香ばしさが、鼻をくすぐります。
ああ、コーヒー独特の焦げ付いた匂いが、わたしを誘っているではありませんか。
「これは、行くしかないですね」
香りのする方角へ、歩を向けます。
コーヒーの出どころは、かつてグラタンを食べに寄った純喫茶でした。なるほど、こちらでしたか。
店のカウンターでは、冒険者風の男性二人組が、モンスター闘技場の予想が書かれた新聞にペンで丸を振っていました。
「いらっしゃい。あら? お嬢さん、いらっしゃい。グラタンは夜からなのよ。ごめんなさいね」
「いえ。コーヒーを一つ」
「はいな。ついでに、モーニングも食べていくかい?」
モーニングですか。実は、食べたことがありません。
「では、モーニングセットを」
朝食セットは、すぐに用意されました。
「なるほど。これがモーニングセットと」
メニューは、バタートースト、小鉢のサラダ、ウインナーにゆで卵です。デザートは、バナナですね。
教会の献立と、さほど変わりません。なのに、どうしてお店だとおいしそうに見えるのでしょう?
「いただきます」
天の恵みに感謝して、朝のコーヒーを。
「お~。罪深い」
このコーヒーを飲むためだけでも、頼む価値はありますね。一杯だけでも、教会の食事より満たされる気分です。
続いて、バタートーストを。ううん、いい香り。
これも……おいっしいです! ふんわり柔らかくて、言葉を失います。
ゆで卵もこうなると、違った意味を持ちますね。味わい深いです。
「そうだ。せっかくだから、こいつをつけとくれよ」
とろみの付いた液体入りの小瓶を、奥さんがわたしの前に置きました。
「なんです、これは?」
「マヨネーズさ。小鉢の中でゆで卵を潰して、そいつと一緒に混ぜな。で、パンに挟んでおくれよ」
アドバイス通り、たまごサンドを試してみます。
おおおおおおお! ううううううう罪深いぃ! これは朝から、贅沢ですねぇ!
ゆで卵の味付けなんて、塩くらいしか思いつきませんでした。
あるいは、ラーメンの煮卵くらいですかね。
まさか、こんな大変貌を遂げるとは。
また、潰したゆでたまごはサラダに乗せてもいい仕事をします。
さっぱりしたサラダに、濃厚なマヨは絶妙な味わいですねぇ。
「凝ったメニューじゃないから、物足りないだろ?」
「いいえっ! 最っ高の朝を迎えることができましたっ!」
シメにバナナをいただき、幸せな状態で教会へ帰ります。
「あら、いましたわ! クリスさん?」
あれれ? ウル王女の馬車が、教会の前に停まっていますね。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる