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第二章 完 秋季限定キノコピザは、罪の味 ~シスタークリス 最大の天敵現る?~
キノコピザは、罪の味
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「お待たせいたしました。秋季限定のキノコピザと、シーフードピザでございます」
片方は、キノコがたっぷり乗ったピザです。
おしょう油の香りがしますね。
もう一つのピザには、イカやホタテ、アサリなどが乗っていますよ。
おや?
わたしだけ、普通サイズまるまる一枚お皿に乗っていますね。
それが二つあります。
他の方は、男性はミニサイズ二枚、女性は二分の一ずつです。
見間違えでしょうかね?
「いいんですか? シェアしなくても」
「クリス殿は健啖家だと、ローザ氏からは聞いているが?」
なら、いいでしょう。
このあと土鍋パスタもあるんですよね。楽しみです。
「特別感などは感じないかもしれないが、味は確かだ。冷めないうちにどうぞ」
「そうですね。では、いただきましょう」
一同が礼をして、食事の時間となりました。
「うわああ。チーズが伸びますね!」
ゴロンさんが、コドモのようにハシャイでいます。
「ふわあ。小エビが生地に練られていますよ」
ドレミーさんも、料理の中に好物を見つけて、楽しそうにしていました。
お味の方は……。
もう、文句なしに罪深い!
お店で食べるピザとは、また生地の柔らかさや味の深みなどが違いますね。
サクラエビが入っているから、キノコなのに磯の風味がします。
魚介を使っているのに、キノコからもダシが出ていて、山菜のさっぱりさがプラスされていました。
食材とソースが、複雑に絡み合っています。
なのに、混乱していません。
こんな組み合わせだと、普通は混戦してケンカするはずなのに。
その秘訣は、チーズでしょう。
このチーズが、すべてを優しく包み込んでいます。
チーズがあってこそ、切っても切れない関係を保っていました。
チーズのおかげで、何もかも許せます。
「唐辛子を入れると、また違った風味になるわね?
シェフが作ると、ピザってこうなるんですね。
「意外っすね。もっとソテーとか、ビーフステーキなどを想像したんすが」
ハシオさんの意見は、もっともです。
わたしも、高級素材を使った料理が出るのかと。
「もちろん、そういう料理も提供する。そういう料理がほしい奴らにだけは、だが」
「そうなんすか?」
「うむ。【影分身】の術で、吾輩の影が別の厨房で作って提供しておる」
あ、この人、影を操れるんでした。
「怪しまれませんか?」
「厨房をいちいち注視するようなホテルマンは、おらぬ」
言われてみれば、そうですね。
「リーズナブルな料理はもちろん、高級食材を使用した料理も出す。しかし、高い料理のみを欲しがる者には提供せぬ」
「と、いいますと?」
「奴らは味を求めていない。高級感を味わいたいだけだ」
たしかに。
「こういう店で食べたぞ」と自慢がしたいだけの人は、確実にいますね。
「高級な雰囲気を求めて、高価な店に行く風習はたしかにある。否定はせぬ。しかし、本質を知らぬものには提供したくない」
「わかります」
「その点、みなさんは信頼できる方々だと、ローザ氏から聞いている」
なるほど。
「親しい方々が集まるというのでな、切り分けられるものをご用意した。お口に合いましたかな、国王?」
「いやはや、恐れ入った。ありがとう。大満足である」
「お褒めに預かり、光栄に思いますぞ」
魔王が、国王に頭を下げましたよ。
自分の方が数倍長生きして、地位も高いのに。
まあ、それでもエラそうですが。
「ではグラタンパスタの方もできあがったので、ぜひに」
オールドマン氏が手を叩くと、執事さんが土鍋をワゴンに乗せてきました。
執事さんが、グラタンパスタをみなさんに切り分けます。
「えー。ルドマン卿、シェアできる料理をご用意なさったんですよね?」
「いかにも」
「どうしてわたしだけ、スペシャルサイズなのでしょう?」
わたしの分だけ、八キロの土鍋がまるまるありますよ。
「申したであろう? チャレンジメニューだと」
片方は、キノコがたっぷり乗ったピザです。
おしょう油の香りがしますね。
もう一つのピザには、イカやホタテ、アサリなどが乗っていますよ。
おや?
わたしだけ、普通サイズまるまる一枚お皿に乗っていますね。
それが二つあります。
他の方は、男性はミニサイズ二枚、女性は二分の一ずつです。
見間違えでしょうかね?
「いいんですか? シェアしなくても」
「クリス殿は健啖家だと、ローザ氏からは聞いているが?」
なら、いいでしょう。
このあと土鍋パスタもあるんですよね。楽しみです。
「特別感などは感じないかもしれないが、味は確かだ。冷めないうちにどうぞ」
「そうですね。では、いただきましょう」
一同が礼をして、食事の時間となりました。
「うわああ。チーズが伸びますね!」
ゴロンさんが、コドモのようにハシャイでいます。
「ふわあ。小エビが生地に練られていますよ」
ドレミーさんも、料理の中に好物を見つけて、楽しそうにしていました。
お味の方は……。
もう、文句なしに罪深い!
お店で食べるピザとは、また生地の柔らかさや味の深みなどが違いますね。
サクラエビが入っているから、キノコなのに磯の風味がします。
魚介を使っているのに、キノコからもダシが出ていて、山菜のさっぱりさがプラスされていました。
食材とソースが、複雑に絡み合っています。
なのに、混乱していません。
こんな組み合わせだと、普通は混戦してケンカするはずなのに。
その秘訣は、チーズでしょう。
このチーズが、すべてを優しく包み込んでいます。
チーズがあってこそ、切っても切れない関係を保っていました。
チーズのおかげで、何もかも許せます。
「唐辛子を入れると、また違った風味になるわね?
シェフが作ると、ピザってこうなるんですね。
「意外っすね。もっとソテーとか、ビーフステーキなどを想像したんすが」
ハシオさんの意見は、もっともです。
わたしも、高級素材を使った料理が出るのかと。
「もちろん、そういう料理も提供する。そういう料理がほしい奴らにだけは、だが」
「そうなんすか?」
「うむ。【影分身】の術で、吾輩の影が別の厨房で作って提供しておる」
あ、この人、影を操れるんでした。
「怪しまれませんか?」
「厨房をいちいち注視するようなホテルマンは、おらぬ」
言われてみれば、そうですね。
「リーズナブルな料理はもちろん、高級食材を使用した料理も出す。しかし、高い料理のみを欲しがる者には提供せぬ」
「と、いいますと?」
「奴らは味を求めていない。高級感を味わいたいだけだ」
たしかに。
「こういう店で食べたぞ」と自慢がしたいだけの人は、確実にいますね。
「高級な雰囲気を求めて、高価な店に行く風習はたしかにある。否定はせぬ。しかし、本質を知らぬものには提供したくない」
「わかります」
「その点、みなさんは信頼できる方々だと、ローザ氏から聞いている」
なるほど。
「親しい方々が集まるというのでな、切り分けられるものをご用意した。お口に合いましたかな、国王?」
「いやはや、恐れ入った。ありがとう。大満足である」
「お褒めに預かり、光栄に思いますぞ」
魔王が、国王に頭を下げましたよ。
自分の方が数倍長生きして、地位も高いのに。
まあ、それでもエラそうですが。
「ではグラタンパスタの方もできあがったので、ぜひに」
オールドマン氏が手を叩くと、執事さんが土鍋をワゴンに乗せてきました。
執事さんが、グラタンパスタをみなさんに切り分けます。
「えー。ルドマン卿、シェアできる料理をご用意なさったんですよね?」
「いかにも」
「どうしてわたしだけ、スペシャルサイズなのでしょう?」
わたしの分だけ、八キロの土鍋がまるまるありますよ。
「申したであろう? チャレンジメニューだと」
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