V活エルフ

第6話 生誕祭・超美麗３D・干し芋エルフ

　森の恵あれ！　居候エルフVチューバーの、『赤松坂・ルイスギル』だ。「ルイス様」と呼ぶがいい。
　
　ところで、今日は顔だけ隠して、生身配信だ。
　
　超美麗３Dというやつを、やってみたぞ。

　アバターはどうしたという話なのだが、今日は生誕祭なのでな。サービスすることにした。

　大丈夫か？　目が潰れたりしないよな？

　私のアバターに合わせて、パッパが衣装を作ってくれたのだが。

　似合ってなさすぎて、キツイとかないか？

　私自身、細すぎてスタイルがいいわけじゃないから、ガッカリさせたのでは？

「かわいい」

　おお、ありがたい。そう言ってもらえると、パッパの努力が報われてうれしいぞ。

「もっと自分のスタイルに自信持って」

　それがなあ。私の周りはすっごい美人が多くてな。
　私なんて、陰キャもいいところだぞ。
　顔には覆面をかぶっているのだが、普段コンビニに行くときとかも、イヤマフラーか帽子で耳を隠して、目の色を隠すためにグラサンをして、マスクしてと、完全武装である。

　だが今日は、顔バレのリスクを背負ってまで、みんなに感謝したいことがあるんだ。

　ほしいものリストから、私が欲しいものを募集したのを、覚えているだろ？
　そしたら、とんでもない数のプレゼントが来たのだ。

　どれくらい来たかというと、後ろの段ボールがそれなんだよ。

　部屋が埋まるくらい、集まってくれてな。
　おかげでパパママ共々、あと二、三年は何も買わずに暮らしていけるくらいだ。とんでもない災害が、来ない限り。
　
　私が常備しておきたいと思っているレトルトの白米やカレーまで、くださる方がいてな。
　お菓子も、こんなに。
　自分で買うつもりだったんだが。

　みんな、感謝するぞ。

　さすがにいただきすぎたため、この配信ではスパチャを飛ばせないようにした。
　みんなのお金だ。大事に使ってほしい。

　他人のために自分を犠牲にするのは、美徳だ。
　とはいえ、自分の生活をおろそかにするのは相手も喜ばない。あなたがダメになったら、結局相手の食い扶持もなくなるからな。自分をまず大事にしてほしい。

　生活用品まで「ほしいも」に入れていたら、とんでもなかったな。別で作っておいてよかった。

「贈与税が心配」

　おお、コメントありがたい。そこの心配までしてくれている人もいたか。

　知っていたか？　「ほしいも」で一定金額以上のプレゼントをもらうと、贈与税がかかるんだ。一一〇万くらいを超えると、課税されるらしい。

　それは大丈夫だ。さすがに、一一〇万円を超えることはなかったぞ。ギリギリな。

　だから、生活用品はリストから除外したんだ。確実にヤバいと思ったし。


　では続いて、着てほしいコスなども届いているからな。
　後半は、それを装着していくぞ。