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第三章 究極の合理主義は、女子力をゼロにする!?
第25話 女子ウケのよい場所へ、カフェ巡り
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「沖くん今日は、女子ウケするらしきカフェへ行ってみよう」
「いいですね」
別に毎日男飯でも構わないが、それはそれで飽きが来てしまう。
おそらく穂村先輩も、合理主義的なメシが続いて、ゲンナリしていたのかもしれない。
そっちはそっちで、張り合いがなくなってしまうからね。
「ある程度資産があると、お金を使う練習もやっておかないと、いけないんだ」
「大変なんですね」
「この間も、数億稼いだ男性が、『エナジードリンクでしか、ぜいたくな使い道を示せなかった』と嘆いていた」
ああ、「リーンFIRE」……いわゆる「貧乏FIRE」を地で行っていると話題になった人だな。
「金をまったく使わない倹約人生ってのは、生活に支障が出てしまうんだよ」
「はい。わかります」
だから先輩は、美術展を回ったり、ホテルのカフェで一服したりするんだったよなあ。
「マンガ家の展示があるから、そっちを回ってからカフェで一休みしよう」
市役所のフロアをまるまる借りて、マンガ展が行われていた。往年の、伝説的作家の展示である。
「すごいな。有名なのは知っていたが、役所の最上階が一面作家の紹介ばかりだ」
「この付近の出身だそうですよ」
「ふむ。面白いな。絵柄は古いのに、お話にまったく古臭さを感じない。時代を先取りしている感もある」
最大限に堪能したところで、カフェへ行く。
「今日は、奮発しよう。ここのカツサンドが……あれ? 待ってくれ。カツ丼があるんだが」
「いやあるでしょ。カツ丼くらい」
「カフェだぞ。カツ丼は置いてなかったはずなんだっ。カフェをハシゴするつもりが、ここでフィニッシュしてしまいそうだな」
どうも、喫茶店ハシゴあるあるのようだな。予期せぬメニューに、翻弄されるという。
「シェアしましょう。丼の大半は、ボクが食べますよ」
「助かる。だが、カツサンドはぜひ食べてくれ。作りたてが美味しいんだ」
カツサンドと、カツ丼がやってきた。
デザートは昭和らしく、ふたりともクリームソーダにする。
「んあーっ。さわやかだなぁ。モダンガールという気分になるよ」
「カツサンド、いただきますね」
おおっ。ズッシリしていて、食べごたえもガッツリだ。
これは、進んじゃう。
特にシナッシナのキャベツ! 酸味の効いたソースをふんだんに吸って、超ご馳走になっているじゃないか。
「大昔のマンガも置いてあって、雰囲気出ていますよねえ」
マンガ展示にあったマンガを、つい読みふけりそうになった。
カツサンドはお任せして、カツ丼をいただきましょうかね。
「……んふふふ。うま」
思わず、笑いが込み上げてくる。
「すごいおいしいです。カツサンドに使ってるのと同じカツなのに、しっとりしています」
ミニ器をもらって、カツ丼も先輩とシェアした。
カフェで、味噌汁を飲むという不思議。
大衆食堂じゃないよね?
「女子力高めかというと、どうかわからないが。女性でもスイスイ入っていく味だな」
お腹も膨れたので、次の遊びスポットへ向かう。
「いいですね」
別に毎日男飯でも構わないが、それはそれで飽きが来てしまう。
おそらく穂村先輩も、合理主義的なメシが続いて、ゲンナリしていたのかもしれない。
そっちはそっちで、張り合いがなくなってしまうからね。
「ある程度資産があると、お金を使う練習もやっておかないと、いけないんだ」
「大変なんですね」
「この間も、数億稼いだ男性が、『エナジードリンクでしか、ぜいたくな使い道を示せなかった』と嘆いていた」
ああ、「リーンFIRE」……いわゆる「貧乏FIRE」を地で行っていると話題になった人だな。
「金をまったく使わない倹約人生ってのは、生活に支障が出てしまうんだよ」
「はい。わかります」
だから先輩は、美術展を回ったり、ホテルのカフェで一服したりするんだったよなあ。
「マンガ家の展示があるから、そっちを回ってからカフェで一休みしよう」
市役所のフロアをまるまる借りて、マンガ展が行われていた。往年の、伝説的作家の展示である。
「すごいな。有名なのは知っていたが、役所の最上階が一面作家の紹介ばかりだ」
「この付近の出身だそうですよ」
「ふむ。面白いな。絵柄は古いのに、お話にまったく古臭さを感じない。時代を先取りしている感もある」
最大限に堪能したところで、カフェへ行く。
「今日は、奮発しよう。ここのカツサンドが……あれ? 待ってくれ。カツ丼があるんだが」
「いやあるでしょ。カツ丼くらい」
「カフェだぞ。カツ丼は置いてなかったはずなんだっ。カフェをハシゴするつもりが、ここでフィニッシュしてしまいそうだな」
どうも、喫茶店ハシゴあるあるのようだな。予期せぬメニューに、翻弄されるという。
「シェアしましょう。丼の大半は、ボクが食べますよ」
「助かる。だが、カツサンドはぜひ食べてくれ。作りたてが美味しいんだ」
カツサンドと、カツ丼がやってきた。
デザートは昭和らしく、ふたりともクリームソーダにする。
「んあーっ。さわやかだなぁ。モダンガールという気分になるよ」
「カツサンド、いただきますね」
おおっ。ズッシリしていて、食べごたえもガッツリだ。
これは、進んじゃう。
特にシナッシナのキャベツ! 酸味の効いたソースをふんだんに吸って、超ご馳走になっているじゃないか。
「大昔のマンガも置いてあって、雰囲気出ていますよねえ」
マンガ展示にあったマンガを、つい読みふけりそうになった。
カツサンドはお任せして、カツ丼をいただきましょうかね。
「……んふふふ。うま」
思わず、笑いが込み上げてくる。
「すごいおいしいです。カツサンドに使ってるのと同じカツなのに、しっとりしています」
ミニ器をもらって、カツ丼も先輩とシェアした。
カフェで、味噌汁を飲むという不思議。
大衆食堂じゃないよね?
「女子力高めかというと、どうかわからないが。女性でもスイスイ入っていく味だな」
お腹も膨れたので、次の遊びスポットへ向かう。
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