月25万の不労所得を得てセミリタイアした元女上司を宗教勧誘から助けたら、「話し相手」として雇ってくれた

椎名 富比路

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第三章 究極の合理主義は、女子力をゼロにする!?

第25話 女子ウケのよい場所へ、カフェ巡り

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おきくん今日は、女子ウケするらしきカフェへ行ってみよう」

「いいですね」

 別に毎日男飯でも構わないが、それはそれで飽きが来てしまう。

 おそらく穂村ほむら先輩も、合理主義的なメシが続いて、ゲンナリしていたのかもしれない。
 そっちはそっちで、張り合いがなくなってしまうからね。

「ある程度資産があると、お金を使う練習もやっておかないと、いけないんだ」

「大変なんですね」

「この間も、数億稼いだ男性が、『エナジードリンクでしか、ぜいたくな使い道を示せなかった』と嘆いていた」

 ああ、「リーンFIRE」……いわゆる「貧乏FIRE」を地で行っていると話題になった人だな。

「金をまったく使わない倹約人生ってのは、生活に支障が出てしまうんだよ」

「はい。わかります」

 だから先輩は、美術展を回ったり、ホテルのカフェで一服したりするんだったよなあ。

「マンガ家の展示があるから、そっちを回ってからカフェで一休みしよう」

 市役所のフロアをまるまる借りて、マンガ展が行われていた。往年の、伝説的作家の展示である。

「すごいな。有名なのは知っていたが、役所の最上階が一面作家の紹介ばかりだ」

「この付近の出身だそうですよ」

「ふむ。面白いな。絵柄は古いのに、お話にまったく古臭さを感じない。時代を先取りしている感もある」

 最大限に堪能したところで、カフェへ行く。

「今日は、奮発しよう。ここのカツサンドが……あれ? 待ってくれ。カツ丼があるんだが」

「いやあるでしょ。カツ丼くらい」

「カフェだぞ。カツ丼は置いてなかったはずなんだっ。カフェをハシゴするつもりが、ここでフィニッシュしてしまいそうだな」

 どうも、喫茶店ハシゴあるあるのようだな。予期せぬメニューに、翻弄されるという。

「シェアしましょう。丼の大半は、ボクが食べますよ」

「助かる。だが、カツサンドはぜひ食べてくれ。作りたてが美味しいんだ」

 カツサンドと、カツ丼がやってきた。

 デザートは昭和らしく、ふたりともクリームソーダにする。

「んあーっ。さわやかだなぁ。モダンガールという気分になるよ」

「カツサンド、いただきますね」

 おおっ。ズッシリしていて、食べごたえもガッツリだ。
 これは、進んじゃう。
 特にシナッシナのキャベツ! 酸味の効いたソースをふんだんに吸って、超ご馳走になっているじゃないか。

「大昔のマンガも置いてあって、雰囲気出ていますよねえ」

 マンガ展示にあったマンガを、つい読みふけりそうになった。

 カツサンドはお任せして、カツ丼をいただきましょうかね。

「……んふふふ。うま」

 思わず、笑いが込み上げてくる。

「すごいおいしいです。カツサンドに使ってるのと同じカツなのに、しっとりしています」

 ミニ器をもらって、カツ丼も先輩とシェアした。
 
 カフェで、味噌汁を飲むという不思議。
 大衆食堂じゃないよね?
 
「女子力高めかというと、どうかわからないが。女性でもスイスイ入っていく味だな」
 
 お腹も膨れたので、次の遊びスポットへ向かう。
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