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第五章 ホラーは苦手ですか?
人生初の、配信者デビュー!?
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なんとオレまでが、配信の手助け役に駆り出された。
「マジですか?」
「口調口調!」
「コホン。どうしてだよ?」
咳払いをして、オレは口調を改める。
「会社とのコラボだ」
「でも、リアル割れしねえか?」
「キャラは、我が社が作ったアバターでいいから」
この間、クリエイター相手に使った「姫とメイド」アバターを、今回は使用するという。
「えっと、どこまで進んでるんだっけ?」
「第三章っすね」
まったくプレイしていないな。別のゲームばかりしていたから。
「家だと、スタンダートのシナリオは全クリしているんすけど」
全五章までが、現在遊べる。オレもシナリオだけは知っていた。
「あくまで『ひめにこ』がプレイしている体なんで、ネタバレしそうな展開は避けてるっす」
社長の進行度合いに、マヒルさんも合わせてくれているみたいだ。
配信の枠を取って、スタートする。
『ひめにこじゃ~。今日は久々に、幻想神話を遊ぶぞよ。今日はニコラ社の社長とも遊ぶのじゃ~』
社長とオレに、マイクは向けない。あくまでもお手伝いという名目である。オレは広報ではない。ヘタに口を出せないのである。
第三章のステージは、滅びた古城である。廃城の奥に住まう強力なアンデッドを倒すことが、目的だ。
「ぬ、う」
ニコラ社員限定アバターと言っても、見た目が違うだけである。強さはまったく変わらない。製作会社に頼んで、そういう仕様にしてもらっている。
「ひっ!」
壁から突然現れたゴーストに、イーさんが過剰反応した。
「イーさん、大声は出さない方向で。マイクが声を拾ってしまうので」
「わかってはいるんだ。しかし、どうにもこうにも声が漏れてしまうな」
悪戦苦闘の末、ボス部屋に到着する。
『ポルターガイストじゃとお? じゃあ、家具の側には近づかんでおくかの……なあ!?』
突然、部屋中の家具が浮き上がった。
グルグルと回りながら、オレたちを取り囲む。
オレたちは、逃げ場を失った。
その直後……。
「ひゃあ!」
動く家具に押しつぶされ、イーさんが大ダメージを受けてしまう。
助けに行きたくとも、オレは動けない。
壁役になって、ボスの攻撃を足止めしているからだ。
もしかしてイーさん、オバケ系がダメな人か?
『なんじゃあ。社長が苦戦しておるなぁ』
幽霊なんてへっちゃらなのか、ひめにこがイーさんの救助に向かう。
家具の行動パターンを読み解き、次々に撃退した。
『今じゃぞ、社員! 鏡に写っているのが本体じゃ!』
すべての家具を活動停止させたひめにこが、オレに指示を送る。
オレはモップで、鏡を叩く。
ぬおお、という情けない声を上げて、割れた鏡からピンク色の実体が現れた。
オレが攻撃していた白い布のようなオバケは、ダミーだったのか。
『いけいけ、全員でタコ殴りにするのじゃあ!』
ひめにこの号令で、全員集まってピンクオバケを袋叩きにする。
そのパターンをサンド繰り返し、ようやくポルターガイストを弱らせた。
「ええい、さっきはよくも。くらえ!」
とどめを刺したのは、イーさんだ。
イーさん姫の王笏が、ポルターガイストの脳天にクリーンヒットした。
今度こそ、ボスが昇天する。
「助かったぁ」
『よし、このままクリアぞよ~』
最後はひめにこがゴール地点を見つけ出し、幽霊屋敷から脱出。
今回の配信は終了した。
「ふう。どうやら、姐さんの弱点わかっちゃったぽいです」
「な、なんだと?」
「オカルト系苦手っしょ?」
マヒルさんから指摘され、社長はわざとらしく咳払いをする。
「ま、まああまり得意ではないかな?」
早口でまくしたて、社長が視線をそらす。
「苦手じゃんよ。それじゃあ、姐さんには近々、ホラーゲームやってもらいますんで」
「な……なぜだ?」
社長が、予防接種を受ける子どもみたいな顔になった。
「だってもう夏じゃん」
「マジですか?」
「口調口調!」
「コホン。どうしてだよ?」
咳払いをして、オレは口調を改める。
「会社とのコラボだ」
「でも、リアル割れしねえか?」
「キャラは、我が社が作ったアバターでいいから」
この間、クリエイター相手に使った「姫とメイド」アバターを、今回は使用するという。
「えっと、どこまで進んでるんだっけ?」
「第三章っすね」
まったくプレイしていないな。別のゲームばかりしていたから。
「家だと、スタンダートのシナリオは全クリしているんすけど」
全五章までが、現在遊べる。オレもシナリオだけは知っていた。
「あくまで『ひめにこ』がプレイしている体なんで、ネタバレしそうな展開は避けてるっす」
社長の進行度合いに、マヒルさんも合わせてくれているみたいだ。
配信の枠を取って、スタートする。
『ひめにこじゃ~。今日は久々に、幻想神話を遊ぶぞよ。今日はニコラ社の社長とも遊ぶのじゃ~』
社長とオレに、マイクは向けない。あくまでもお手伝いという名目である。オレは広報ではない。ヘタに口を出せないのである。
第三章のステージは、滅びた古城である。廃城の奥に住まう強力なアンデッドを倒すことが、目的だ。
「ぬ、う」
ニコラ社員限定アバターと言っても、見た目が違うだけである。強さはまったく変わらない。製作会社に頼んで、そういう仕様にしてもらっている。
「ひっ!」
壁から突然現れたゴーストに、イーさんが過剰反応した。
「イーさん、大声は出さない方向で。マイクが声を拾ってしまうので」
「わかってはいるんだ。しかし、どうにもこうにも声が漏れてしまうな」
悪戦苦闘の末、ボス部屋に到着する。
『ポルターガイストじゃとお? じゃあ、家具の側には近づかんでおくかの……なあ!?』
突然、部屋中の家具が浮き上がった。
グルグルと回りながら、オレたちを取り囲む。
オレたちは、逃げ場を失った。
その直後……。
「ひゃあ!」
動く家具に押しつぶされ、イーさんが大ダメージを受けてしまう。
助けに行きたくとも、オレは動けない。
壁役になって、ボスの攻撃を足止めしているからだ。
もしかしてイーさん、オバケ系がダメな人か?
『なんじゃあ。社長が苦戦しておるなぁ』
幽霊なんてへっちゃらなのか、ひめにこがイーさんの救助に向かう。
家具の行動パターンを読み解き、次々に撃退した。
『今じゃぞ、社員! 鏡に写っているのが本体じゃ!』
すべての家具を活動停止させたひめにこが、オレに指示を送る。
オレはモップで、鏡を叩く。
ぬおお、という情けない声を上げて、割れた鏡からピンク色の実体が現れた。
オレが攻撃していた白い布のようなオバケは、ダミーだったのか。
『いけいけ、全員でタコ殴りにするのじゃあ!』
ひめにこの号令で、全員集まってピンクオバケを袋叩きにする。
そのパターンをサンド繰り返し、ようやくポルターガイストを弱らせた。
「ええい、さっきはよくも。くらえ!」
とどめを刺したのは、イーさんだ。
イーさん姫の王笏が、ポルターガイストの脳天にクリーンヒットした。
今度こそ、ボスが昇天する。
「助かったぁ」
『よし、このままクリアぞよ~』
最後はひめにこがゴール地点を見つけ出し、幽霊屋敷から脱出。
今回の配信は終了した。
「ふう。どうやら、姐さんの弱点わかっちゃったぽいです」
「な、なんだと?」
「オカルト系苦手っしょ?」
マヒルさんから指摘され、社長はわざとらしく咳払いをする。
「ま、まああまり得意ではないかな?」
早口でまくしたて、社長が視線をそらす。
「苦手じゃんよ。それじゃあ、姐さんには近々、ホラーゲームやってもらいますんで」
「な……なぜだ?」
社長が、予防接種を受ける子どもみたいな顔になった。
「だってもう夏じゃん」
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