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第四章 ちゅうせいしぼう! (途中で何度も挫折しかけたけど、ここまで頑張ってこられた理由は、みんなの声援と支援と希望!)
魔王との再戦
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足を踏み入れたのは、終始雪に包まれた銀世界である。
山々は雪で覆われ、光が差し込まない。
街全体が氷でできているのでは。
ライカは、そう錯覚した。
四季のあるキャスレイエットとは、まるで環境が違う。
幸い、どこも襲撃を受けていないらしい。
だが、魔王城周辺からは依然、禍々しいプラーナの気配が漂う。
険しい雪道を進み、門をくぐり抜ける。
山脈によって行き場を塞がれた吹雪が、容赦なくライカたちの顔を叩く。
ウーイックの中央に、一際目立つ建物が。まるで氷でできた城だ。
「これが、魔王城」
青白い城が、山々に囲まれてそびえ立っていた。
城の各所に監視塔が建ち並び、尖った屋根は逆さになったツララを連想させる。
「皆さん、油断しないで。罠が潜んでいるか分かりません」
十分に警戒しながら、氷の城へと歩を進めた。
城に入っても、寒さが収まらない。まるで、城の内部が凍り付いているかのよう。
「門番もいませんでしたね。どういうことでしょう?」
敵の本拠地へ到着したのだ。
多少の戦闘行為は覚悟していた。
ライカ以外のメンバーも、露払いの役割を果たそうと身構えていただろう。
しかし、城の内部はモンスターの気配どころか、人っ子一人いる気がしない。
「見て下さい。光が差しています」
セリスが、廊下の隅に光が差し込んでいるのを見ていた。
「行ってみましょう」
足を進めてみると、そこはパーティの席だったらしい。
「これは、こんな大規模な宴は見たことがありません」
どれだけ広いのか。先が見えない。
広い会場に、ズラリと長机が並べられている。
「見た目はそんなに広くなさそうなのに、これだけ広い宴の会場があるなんて」
「空間を弄って、場所を広く取っているのじゃ。この広間から、とんでもない量のプラーナを感じ取れる。しかも一カ所のみから」
「魔王の仕業ですね?」
「そのようじゃのう」
なら、魔王はこの会場のどこかにいるはずだ。
「それにしても、何が起こったのでしょう?」
セリスが恐る恐る辺りを見回している。
「うわっ!」
ふと、セリスが何かにつまづく。
「大丈夫ですか?」
ライカが駆け寄って、セリスを支えた。
「はい……えっ⁉」
足元の光景に、セリスは絶句する。
「ライカさん⁉ これはいったい⁉」
呼ばれたライカは、床に広がっている光景に唖然とした。
大量の食料が散乱し、魔物たちが埋もれてグッタリしていたのである。
「なにがあったんでしょう?」
城の至るところに、宴の痕跡があった。
モンスターたちは全員が一様に腹をさすり、酒に酔いつぶれている。
武装した傭兵も、魔王配下のモンスターも、おそらく土着型の怪物たちも、同様に倒れていた。
誰も彼も、腹は膨れている。なのに、顔が青ざめているではないか。
「プラーナだけキレイに吸われておるわ。生きてはおるが、眠っておる」
「そのようですね」
ぐったりしたモンスター達を調査するが、どれもプラーナの消耗が激しい。
「ライカ殿、あのオークだけど意識があるみたいぞよ」
カメリエが、モンスターの一匹に呼びかけている。
横になりながら目を擦りながら、オークがこちらを見た。
「話してください。何が起きたのです?」
ライカはオークに駆け寄る。
「魔王様が、宴を開催して下さった。最初は、ただ単に呑んで騒いでいた。なのに、止まらなくなって……」
オークはそこまで言うと、いびきをかいて寝始めた。
その寝顔は苦しみがありつつ、穏やかだ。魔王復活が、余程うれしかったと見える。
セリスが、奥へと進む。
玉座の近くで、モゾモゾと動く物体を発見した。
派手な黒い衣装を纏った女性が、玉座に座って寝息を立てている。
魔王、ベルナテット・ウーイック・ルチューだ。
かつて、自分たちがテトと呼んでいた女性が、玉座で船をこぐ。
「見て下さい! テトさんがいました!」
セリスの声で、ライカたちの気配に気づいたのだろう。ベルナテットが目を覚ます。
「やはり来たか、聖女セリス」
雌豹のように大きく伸びをして、魔王ベルナテットは鋭い視線をライカたちに向けてきた。
「テトさん、目を覚まして下さい!」
「何を言うておる。妾は目覚めているではないか」
妖艶な笑みをたたえ、魔王と化したテトは言い放つ。
「無駄じゃ。あ奴は武具に操られておる」
「つまり、武具さえ解除すれば、テトさんは正気に戻ります」
それができるのは、セリスしかない。
突如、地鳴りが轟いた。
「魔王のヤツ、世界中のプラーナを吸収するつもりじゃ。このままでは、世界じゅうのプラーナが吸収されて、世界そのものがなくなってしまうぞい」
小さな水晶玉を手に持ちながら、カメリエが警告してくる。
「戦いましょう。あなたにしか、テトさんを目覚めさせることができないんです」
ライカは引き下がる。自分が戦えないのがもどかしい。
今はセリスが戦うときだ。
「テトさん、わたしは貴女とは戦いたくない」
魔王を目の前にしても尚、セリスから闘志は感じられない。
「けれど、それはあなただって同じでしょ、テトさん⁉」
セリスの呼びかけに、テトの表情に変化が現れた。
ほんの一瞬だけ、嘲笑に陰りが見えたのだ。
「黙れ貧弱なる聖女よ。この魔王に対してどの口が――」
「あなたには聞いていません、黙ってて下さい!」
ライカは初めて、セリスが怒る様子を見せた。
同時に、セリスの全身から溢れんばかりのプラーナが駆け巡るのを感じ取る。
これが、セリスの本気か。
「なんという、芳醇なプラーナよ。想像以上に育っておるではないか」
魔王の方も、セリスから漲るプラーナに驚きを隠せない。
歓喜に震えつつ、目の奥には怯えが見えた。
「わたしは、武具からあなたを取り戻します。待っていて下さい、テトさん」
テトに優しく呼びかけ、セリスはまた険しい顔になった。
「魔王武具パール・ヴィー、あなたが世界を破滅させようというなら、わたしは戦うしかない」
戦闘を決心したように、セリスが前に出る。
「わたし、やります」
「よかろう、来るがよい。長い年月を越えて繰り返された聖女と魔王の決着、今ここで付けようぞ」
玉座から、テトが立ち上がった。
ライカは、戦闘の邪魔になる長テーブルを蹴り飛ばす。
踏み込んだだけで、テトが一瞬で間合いを詰めてきた。ライカの脇腹に裏拳を叩き込む。
腕でガードして、かろうじて防いだ。
が、さっき蹴ったテーブルに追いついてしまう。
ライカは、テーブルもろとも壁に激突した。
「ライカさん⁉」
「気にしている場合か!」
セリスのアゴを狙ったサマーソルトを、テトが仕掛ける。
ルドン卿と戦ったときのライカと、フォームがそっくりだ。
一瞬でカタを付けようとしたのが徒になったようだ。セリスは紙一重でかわす。
「かわしたか。しかし、避けているだけでは妾は倒せんぞ」
たしかに、セリスはまだ一撃も浴びせていない。
「相手のペースに乗せられないで、セリスさん」
ライカは、アドバイスを飛ばす。
魔王となったテトを相手に、セリスは冷静になれるか?
セリスにとってテトは友達だ。
しかし、テトは今や魔王ベルナテットとして覚醒した。
そう割りきって、拳を打ち込めるのか。
「お主は妾に、一度負けておるのだぞ。また返り討ちにしてくれる」
「そんなセリフは、わたしを倒してから言って下さい!」
セリスは慣れないながらも腕を振る。渾身の裏拳を見舞った。
「浅い!」
ライカが顔を引きつらせる。
セリスの腕は空を切った。間合いを読み違えたのだ。
やはり、テトを傷つけたくないという意識が働いているのだろう。
テトを傷つけず武具だけを攻撃できないかと、模索しているのか。
「やはり甘いな、聖女よ!」
セリスを突き刺そうと、魔王の高速手刀が飛んできた。
「なっ⁉」
セリスに攻撃を止められ、テトは驚愕している。
山々は雪で覆われ、光が差し込まない。
街全体が氷でできているのでは。
ライカは、そう錯覚した。
四季のあるキャスレイエットとは、まるで環境が違う。
幸い、どこも襲撃を受けていないらしい。
だが、魔王城周辺からは依然、禍々しいプラーナの気配が漂う。
険しい雪道を進み、門をくぐり抜ける。
山脈によって行き場を塞がれた吹雪が、容赦なくライカたちの顔を叩く。
ウーイックの中央に、一際目立つ建物が。まるで氷でできた城だ。
「これが、魔王城」
青白い城が、山々に囲まれてそびえ立っていた。
城の各所に監視塔が建ち並び、尖った屋根は逆さになったツララを連想させる。
「皆さん、油断しないで。罠が潜んでいるか分かりません」
十分に警戒しながら、氷の城へと歩を進めた。
城に入っても、寒さが収まらない。まるで、城の内部が凍り付いているかのよう。
「門番もいませんでしたね。どういうことでしょう?」
敵の本拠地へ到着したのだ。
多少の戦闘行為は覚悟していた。
ライカ以外のメンバーも、露払いの役割を果たそうと身構えていただろう。
しかし、城の内部はモンスターの気配どころか、人っ子一人いる気がしない。
「見て下さい。光が差しています」
セリスが、廊下の隅に光が差し込んでいるのを見ていた。
「行ってみましょう」
足を進めてみると、そこはパーティの席だったらしい。
「これは、こんな大規模な宴は見たことがありません」
どれだけ広いのか。先が見えない。
広い会場に、ズラリと長机が並べられている。
「見た目はそんなに広くなさそうなのに、これだけ広い宴の会場があるなんて」
「空間を弄って、場所を広く取っているのじゃ。この広間から、とんでもない量のプラーナを感じ取れる。しかも一カ所のみから」
「魔王の仕業ですね?」
「そのようじゃのう」
なら、魔王はこの会場のどこかにいるはずだ。
「それにしても、何が起こったのでしょう?」
セリスが恐る恐る辺りを見回している。
「うわっ!」
ふと、セリスが何かにつまづく。
「大丈夫ですか?」
ライカが駆け寄って、セリスを支えた。
「はい……えっ⁉」
足元の光景に、セリスは絶句する。
「ライカさん⁉ これはいったい⁉」
呼ばれたライカは、床に広がっている光景に唖然とした。
大量の食料が散乱し、魔物たちが埋もれてグッタリしていたのである。
「なにがあったんでしょう?」
城の至るところに、宴の痕跡があった。
モンスターたちは全員が一様に腹をさすり、酒に酔いつぶれている。
武装した傭兵も、魔王配下のモンスターも、おそらく土着型の怪物たちも、同様に倒れていた。
誰も彼も、腹は膨れている。なのに、顔が青ざめているではないか。
「プラーナだけキレイに吸われておるわ。生きてはおるが、眠っておる」
「そのようですね」
ぐったりしたモンスター達を調査するが、どれもプラーナの消耗が激しい。
「ライカ殿、あのオークだけど意識があるみたいぞよ」
カメリエが、モンスターの一匹に呼びかけている。
横になりながら目を擦りながら、オークがこちらを見た。
「話してください。何が起きたのです?」
ライカはオークに駆け寄る。
「魔王様が、宴を開催して下さった。最初は、ただ単に呑んで騒いでいた。なのに、止まらなくなって……」
オークはそこまで言うと、いびきをかいて寝始めた。
その寝顔は苦しみがありつつ、穏やかだ。魔王復活が、余程うれしかったと見える。
セリスが、奥へと進む。
玉座の近くで、モゾモゾと動く物体を発見した。
派手な黒い衣装を纏った女性が、玉座に座って寝息を立てている。
魔王、ベルナテット・ウーイック・ルチューだ。
かつて、自分たちがテトと呼んでいた女性が、玉座で船をこぐ。
「見て下さい! テトさんがいました!」
セリスの声で、ライカたちの気配に気づいたのだろう。ベルナテットが目を覚ます。
「やはり来たか、聖女セリス」
雌豹のように大きく伸びをして、魔王ベルナテットは鋭い視線をライカたちに向けてきた。
「テトさん、目を覚まして下さい!」
「何を言うておる。妾は目覚めているではないか」
妖艶な笑みをたたえ、魔王と化したテトは言い放つ。
「無駄じゃ。あ奴は武具に操られておる」
「つまり、武具さえ解除すれば、テトさんは正気に戻ります」
それができるのは、セリスしかない。
突如、地鳴りが轟いた。
「魔王のヤツ、世界中のプラーナを吸収するつもりじゃ。このままでは、世界じゅうのプラーナが吸収されて、世界そのものがなくなってしまうぞい」
小さな水晶玉を手に持ちながら、カメリエが警告してくる。
「戦いましょう。あなたにしか、テトさんを目覚めさせることができないんです」
ライカは引き下がる。自分が戦えないのがもどかしい。
今はセリスが戦うときだ。
「テトさん、わたしは貴女とは戦いたくない」
魔王を目の前にしても尚、セリスから闘志は感じられない。
「けれど、それはあなただって同じでしょ、テトさん⁉」
セリスの呼びかけに、テトの表情に変化が現れた。
ほんの一瞬だけ、嘲笑に陰りが見えたのだ。
「黙れ貧弱なる聖女よ。この魔王に対してどの口が――」
「あなたには聞いていません、黙ってて下さい!」
ライカは初めて、セリスが怒る様子を見せた。
同時に、セリスの全身から溢れんばかりのプラーナが駆け巡るのを感じ取る。
これが、セリスの本気か。
「なんという、芳醇なプラーナよ。想像以上に育っておるではないか」
魔王の方も、セリスから漲るプラーナに驚きを隠せない。
歓喜に震えつつ、目の奥には怯えが見えた。
「わたしは、武具からあなたを取り戻します。待っていて下さい、テトさん」
テトに優しく呼びかけ、セリスはまた険しい顔になった。
「魔王武具パール・ヴィー、あなたが世界を破滅させようというなら、わたしは戦うしかない」
戦闘を決心したように、セリスが前に出る。
「わたし、やります」
「よかろう、来るがよい。長い年月を越えて繰り返された聖女と魔王の決着、今ここで付けようぞ」
玉座から、テトが立ち上がった。
ライカは、戦闘の邪魔になる長テーブルを蹴り飛ばす。
踏み込んだだけで、テトが一瞬で間合いを詰めてきた。ライカの脇腹に裏拳を叩き込む。
腕でガードして、かろうじて防いだ。
が、さっき蹴ったテーブルに追いついてしまう。
ライカは、テーブルもろとも壁に激突した。
「ライカさん⁉」
「気にしている場合か!」
セリスのアゴを狙ったサマーソルトを、テトが仕掛ける。
ルドン卿と戦ったときのライカと、フォームがそっくりだ。
一瞬でカタを付けようとしたのが徒になったようだ。セリスは紙一重でかわす。
「かわしたか。しかし、避けているだけでは妾は倒せんぞ」
たしかに、セリスはまだ一撃も浴びせていない。
「相手のペースに乗せられないで、セリスさん」
ライカは、アドバイスを飛ばす。
魔王となったテトを相手に、セリスは冷静になれるか?
セリスにとってテトは友達だ。
しかし、テトは今や魔王ベルナテットとして覚醒した。
そう割りきって、拳を打ち込めるのか。
「お主は妾に、一度負けておるのだぞ。また返り討ちにしてくれる」
「そんなセリフは、わたしを倒してから言って下さい!」
セリスは慣れないながらも腕を振る。渾身の裏拳を見舞った。
「浅い!」
ライカが顔を引きつらせる。
セリスの腕は空を切った。間合いを読み違えたのだ。
やはり、テトを傷つけたくないという意識が働いているのだろう。
テトを傷つけず武具だけを攻撃できないかと、模索しているのか。
「やはり甘いな、聖女よ!」
セリスを突き刺そうと、魔王の高速手刀が飛んできた。
「なっ⁉」
セリスに攻撃を止められ、テトは驚愕している。
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