美しい箱庭で愛する人と暮らしたい。義妹よ邪魔をしないで下さい。

釋圭峯

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リックさん。お迎えに上がる。

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「メリークリスマス。」と打って変わってここはサフィノワ家のクリスマスだ。

フローレンスが居ないクリスマスは初めてだ。

「フローレンスさん、今ごろどうしてるかしらね?」とサマンサが話を2人に話を振る。

「今お世話になっている子爵家でクリスマスを過ごすそうだ。元気にやってると手紙には書いてあったな。」とフローレンスと手紙でやりとりしているストークが話した。

「そうですね。お姉様は割と逞しい方ですもの。きっと何処へ行ってもうまくおやりになるわ。あぁ、羨ましいわ。私ではとてもとても。」とアンリエッタは相変わらずだ。

「所でアンリエッタ、どちらにするんだ?」

「嫌ですわ、お父様どちらも素敵なお方で。私などでは勿体無くて。」と笑いながら答えた。
「そうですよ貴方。まだこの子は若いわ。焦らずともよろしいのでは?」とサマンサも同意する。

「そうだ、フローレンスからそれぞれにクリスマスプレゼントが届いているぞ。まずサマンサ君にだ。」

「まぁ、可愛らしい髪留め。後でお礼の手紙を書きますわ。」とサマンサが言うと、
「私には可愛いらしいタペストリーですわ。お母様、私もお礼を書きたいので後で一緒にお礼を書きましょうよ。」と微笑む。

ストークはこの会話を聞いてこの人達はフローレンスにプレゼントのお返しの事は一切考えて無いのか?と思わず苦笑いしてしまった。



フローレンス、お前は本当にハインツ様の事を忘れられたのか?

窓から見える庭園を眺めながらストークは考えていた。



◇◇◇◇◇◇◇




「今日は本当にありがとうございました。」とフローレンスはナタリー家の玄関先で改めてお礼の言葉を述べていた。

「また遊びに来て?お姉ちゃん。」とリカルドくんが目を潤ませてフローレンスの足元に縋り真摯に訴えている。

「リカルドくん、私は教会でナタリーさんと絵を描いているの。良かったら遊びに来て?」と話しておいた。

「フローレンスさん、もう今年は壁画は無いわ。実家へ帰るの?」とナタリーが聞いて来た。

「いや、実家の許可を貰ったのでこのままサンダースさんの所でお世話になります。」と答えた。少しでも箱庭をやっておきたいのだ。

「フローレンスさん、明日のクリスマスミサには行くの?」

「はい、カーネルさんにお誘いを受けたので一度参加してみようかと思っています。」

「じゃあ明日会えるわね。気をつけて帰るのよ。ではお休みなさい。」

ナタリー家の玄関先から表通りを歩くと、「フローレンスさん。」と声がした。見てみるとリックさんがそこにいた。

「どうしたのですか?」と聞くと「あぁ、お袋が夜道は危ないから迎えに行けって。」と照れ臭そうに話した。

「そうでしたか。リックさんありがとうございます。」と礼を言うと「良いって。良いって。」と笑っていた。

「フローレンスさんってここに来る前に失恋でもした?」と歩きながら真面目な顔でリックさんが聞いて来た。

「えっ、どうしてですか?」と聞き返すと
「いやぁ、こんな時期に女性が1人だしな。」と言葉を濁した。

「そりゃそうですよね。でも失恋では無いですよ。ちょっと家庭環境で嫌な事が有って。と言った所です。リックさんもそんな時無いですか?」とリックの顔を見て苦笑いした。

「確かに俺もあったな。」とリックも苦笑いした。

お互い顔を見合わせると「ふふふっ」と笑った。そんな会話をしながらサンダース家へ帰っているとちらほらと雪が降って来た。

「あっ、雪だ。この辺りではあんまり降らないんですよ、フローレンスさん。」

「そうなのですか?私の実家の方は割と積もるんです。雪かき大変なんです。」

「雪のクリスマス。またこれもいいね。」と鼻の頭を真っ赤にしたリックさんが笑っていた。
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