21 / 36
リックさん。お迎えに上がる。
しおりを挟む「メリークリスマス。」と打って変わってここはサフィノワ家のクリスマスだ。
フローレンスが居ないクリスマスは初めてだ。
「フローレンスさん、今ごろどうしてるかしらね?」とサマンサが話を2人に話を振る。
「今お世話になっている子爵家でクリスマスを過ごすそうだ。元気にやってると手紙には書いてあったな。」とフローレンスと手紙でやりとりしているストークが話した。
「そうですね。お姉様は割と逞しい方ですもの。きっと何処へ行ってもうまくおやりになるわ。あぁ、羨ましいわ。私ではとてもとても。」とアンリエッタは相変わらずだ。
「所でアンリエッタ、どちらにするんだ?」
「嫌ですわ、お父様どちらも素敵なお方で。私などでは勿体無くて。」と笑いながら答えた。
「そうですよ貴方。まだこの子は若いわ。焦らずともよろしいのでは?」とサマンサも同意する。
「そうだ、フローレンスからそれぞれにクリスマスプレゼントが届いているぞ。まずサマンサ君にだ。」
「まぁ、可愛らしい髪留め。後でお礼の手紙を書きますわ。」とサマンサが言うと、
「私には可愛いらしいタペストリーですわ。お母様、私もお礼を書きたいので後で一緒にお礼を書きましょうよ。」と微笑む。
ストークはこの会話を聞いてこの人達はフローレンスにプレゼントのお返しの事は一切考えて無いのか?と思わず苦笑いしてしまった。
フローレンス、お前は本当にハインツ様の事を忘れられたのか?
窓から見える庭園を眺めながらストークは考えていた。
◇◇◇◇◇◇◇
「今日は本当にありがとうございました。」とフローレンスはナタリー家の玄関先で改めてお礼の言葉を述べていた。
「また遊びに来て?お姉ちゃん。」とリカルドくんが目を潤ませてフローレンスの足元に縋り真摯に訴えている。
「リカルドくん、私は教会でナタリーさんと絵を描いているの。良かったら遊びに来て?」と話しておいた。
「フローレンスさん、もう今年は壁画は無いわ。実家へ帰るの?」とナタリーが聞いて来た。
「いや、実家の許可を貰ったのでこのままサンダースさんの所でお世話になります。」と答えた。少しでも箱庭をやっておきたいのだ。
「フローレンスさん、明日のクリスマスミサには行くの?」
「はい、カーネルさんにお誘いを受けたので一度参加してみようかと思っています。」
「じゃあ明日会えるわね。気をつけて帰るのよ。ではお休みなさい。」
ナタリー家の玄関先から表通りを歩くと、「フローレンスさん。」と声がした。見てみるとリックさんがそこにいた。
「どうしたのですか?」と聞くと「あぁ、お袋が夜道は危ないから迎えに行けって。」と照れ臭そうに話した。
「そうでしたか。リックさんありがとうございます。」と礼を言うと「良いって。良いって。」と笑っていた。
「フローレンスさんってここに来る前に失恋でもした?」と歩きながら真面目な顔でリックさんが聞いて来た。
「えっ、どうしてですか?」と聞き返すと
「いやぁ、こんな時期に女性が1人だしな。」と言葉を濁した。
「そりゃそうですよね。でも失恋では無いですよ。ちょっと家庭環境で嫌な事が有って。と言った所です。リックさんもそんな時無いですか?」とリックの顔を見て苦笑いした。
「確かに俺もあったな。」とリックも苦笑いした。
お互い顔を見合わせると「ふふふっ」と笑った。そんな会話をしながらサンダース家へ帰っているとちらほらと雪が降って来た。
「あっ、雪だ。この辺りではあんまり降らないんですよ、フローレンスさん。」
「そうなのですか?私の実家の方は割と積もるんです。雪かき大変なんです。」
「雪のクリスマス。またこれもいいね。」と鼻の頭を真っ赤にしたリックさんが笑っていた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう
おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。
本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。
初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。
翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス……
(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─
あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」
没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。
しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。
瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。
「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」
絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。
嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。
ワザとダサくしてたら婚約破棄されたので隣国に行きます!
satomi
恋愛
ワザと瓶底メガネで三つ編みで、生活をしていたら、「自分の隣に相応しくない」という理由でこのフッラクション王国の王太子であられます、ダミアン殿下であらせられます、ダミアン殿下に婚約破棄をされました。
私はホウショウ公爵家の次女でコリーナと申します。
私の容姿で婚約破棄をされたことに対して私付きの侍女のルナは大激怒。
お父様は「結婚前に王太子が人を見てくれだけで判断していることが分かって良かった」と。
眼鏡をやめただけで、学園内での手の平返しが酷かったので、私は父の妹、叔母様を頼りに隣国のリーク帝国に留学することとしました!
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる