32 / 34
第32話 本当の気持ち
しおりを挟む
早川さんに連れていかれたのは初めて会った時とは違うバーだった。
「ここが今の俺の行きつけの場所」
「そうなんですね」
席について、私たちはそれぞれお酒を頼んだ。
乾杯をしてお酒を二人で飲む。
「香織……彼女と別れてから、しばらくはまだ連絡が続いていたけど、ずっと無視しているうちに自然消滅したよ」
「そうなんですね」
私のことを相当恨んでいるはず。
興味本位で受けた仕事でこんなことになって、早川さんと一緒にいたいなんて、それは虫が良すぎるかもしれない。
「彼女は過去に両親が離婚してから、男を信用できなくなったみたいで。だから俺を試してみたんだよ。」
「そんなことがあったんですね……」
私も元カレのことがあってから、男を信用できなくなった。
だから別れさせ屋なんて仕事をしていた。
私も歪んでいた。
「私と彼女さんは似たもの同士ですね」
「え?」
「私も信用できなくなってあの仕事をしていたんですから。」
「……そうだったね、そういえば」
私はまっすぐな恋愛ができるのだろうか。
「じゃあ、俺も試してみる?」
「え」
「別れさせ屋使って」
「いえ……私もうそれと関わるつもりないんで」
「よかった」
そんな他愛もない話をしながら、夜も深まっていった。
お店をでて、夜風に当たりながら駅に向かった。
また自然と手を繋いでいた。
「どうする?これから」
これから──
私ははっきりさせないといけない。
「今日はこの辺で帰ります」
「え、帰るの?」
「はい、帰ります」
早川さんは少し寂しそうにしているけど、なんとなく私の考えている事がわかっているのか、それ以上言わなかった。
「じゃあ、今度、ちゃんと葵の気持ち教えて」
「あ……え!?」
そのまま早川さんは改札を通って行ってしまった。
ふわふわして、雲みたいにつかめない。
でも私はそんなあの人に惹かれるんだ。
どうしようもなく。
「ここが今の俺の行きつけの場所」
「そうなんですね」
席について、私たちはそれぞれお酒を頼んだ。
乾杯をしてお酒を二人で飲む。
「香織……彼女と別れてから、しばらくはまだ連絡が続いていたけど、ずっと無視しているうちに自然消滅したよ」
「そうなんですね」
私のことを相当恨んでいるはず。
興味本位で受けた仕事でこんなことになって、早川さんと一緒にいたいなんて、それは虫が良すぎるかもしれない。
「彼女は過去に両親が離婚してから、男を信用できなくなったみたいで。だから俺を試してみたんだよ。」
「そんなことがあったんですね……」
私も元カレのことがあってから、男を信用できなくなった。
だから別れさせ屋なんて仕事をしていた。
私も歪んでいた。
「私と彼女さんは似たもの同士ですね」
「え?」
「私も信用できなくなってあの仕事をしていたんですから。」
「……そうだったね、そういえば」
私はまっすぐな恋愛ができるのだろうか。
「じゃあ、俺も試してみる?」
「え」
「別れさせ屋使って」
「いえ……私もうそれと関わるつもりないんで」
「よかった」
そんな他愛もない話をしながら、夜も深まっていった。
お店をでて、夜風に当たりながら駅に向かった。
また自然と手を繋いでいた。
「どうする?これから」
これから──
私ははっきりさせないといけない。
「今日はこの辺で帰ります」
「え、帰るの?」
「はい、帰ります」
早川さんは少し寂しそうにしているけど、なんとなく私の考えている事がわかっているのか、それ以上言わなかった。
「じゃあ、今度、ちゃんと葵の気持ち教えて」
「あ……え!?」
そのまま早川さんは改札を通って行ってしまった。
ふわふわして、雲みたいにつかめない。
でも私はそんなあの人に惹かれるんだ。
どうしようもなく。
0
あなたにおすすめの小説
嘘をつく唇に優しいキスを
松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。
桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。
だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。
麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。
そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
元カノと復縁する方法
なとみ
恋愛
「別れよっか」
同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。
会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。
自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。
表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!
隣の夫婦 ~離婚する、離婚しない、身近な夫婦の話
紫さゆり
恋愛
オムニバス形式です。
理解し合って結婚したはずの梓、同級生との再会が思わぬことになる雅美、年下の夫のかつての妻に引け目を感じる千晴、昔の恋の後悔から前向きになれない志織。
大人の女性のストーリーです。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
溺愛のフリから2年後は。
橘しづき
恋愛
岡部愛理は、ぱっと見クールビューティーな女性だが、中身はビールと漫画、ゲームが大好き。恋愛は昔に何度か失敗してから、もうするつもりはない。
そんな愛理には幼馴染がいる。羽柴湊斗は小学校に上がる前から仲がよく、いまだに二人で飲んだりする仲だ。実は2年前から、湊斗と愛理は付き合っていることになっている。親からの圧力などに耐えられず、酔った勢いでついた嘘だった。
でも2年も経てば、今度は結婚を促される。さて、そろそろ偽装恋人も終わりにしなければ、と愛理は思っているのだが……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる