【完結・番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

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番外編

ただの後輩を好きになってしまった件9

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 ──翌日

「すみません、一身上の都合で退職します」

 会社に出勤して早々に上司に言った。

「え、なにがあった……?」

 この会社に入ってずっと世話になっていた、先輩であり上司。
 人間関係は悪くなかった。
 むしろ恵まれていたかもしれない。

「色々ありまして……」
「そうか……わかった」

 この場ではこれ以上は聞かれなかった。
 仕事が終わった後に飲みに誘われた。

「お前にはまだ言ってなかったけど、次の昇格試験でお前を推そうとしていたんだよ」
「そうだったんですね……。ありがとうございます」
「次はどうするんだよ」

 なんて言えばいいのか。

「まったくわかりません。ただ、首を突っ込んでしまった以上、やるしかないんですよ」
「何したんだよ。川崎さんも辞めるし、立て続けになんなんだよ」

 川崎さんを追って辞めるなんて言えるわけがない。

「偶然重なってしまいましたね」
「……お前、川崎さんのこと好きなんだろ」
「……」

 なぜバレている。

「ちゃんと言ったか?」
「……言ってもどうにもならないので」
「なんだそれ」

 上司は酔いが回って伏せってしまった。

「お前はちゃんとできるやつなんだからさ、頑張れよこれからも」
「……はい。頑張ります」

 そして潰れた上司を途中まで送ってから自宅に帰った。

 ◇  ◇  ◇

 それからは仕事の引き続きに追われていた。

 仕事が終わってスマホを見ると勇哉さんからメッセージがきている。

『森川くん、今日迎えに行くからまた遊びに行こうよ』

 行きたくない。
 ただ敵に回したくない。

『わかりました!』

 そして、仕事が終わると勇哉さんに日付が回るまで遊びに付き合う日々が続いた。

 ◇ ◇ ◇

 ──休憩時間

 廊下に行くと彼女が心配そうな顔をしてスマホを見ている。

 なんとなくわかる。
“勇凛くん”だな。

 こっそり覗いてみると──

『勇凛くん大丈夫??』
『大丈夫です。覚えることが多いですが、頑張ります』

 ・・・仲がいいことで。

「母親みたいだな」
「わ!プライバシーの侵害ですよ!」

 俺に恋愛感情なんて微塵もない既婚の女のために、俺は何をこんな頑張っているんだか。

 ──そして

「なんかあったら連絡して。俺はまだかかるけど、繋がりはあるからさ」
「はい……。ありがとうございます。心強いです」

 心強い、か。
 この時、不思議とこの言葉が嫌ではなかった。

「じゃあ、またあそこで……」

 彼女はこの会社を去って、林ホールディングスの社員になった。

 彼女のいなくなったオフィスは、何の変哲もないただの空間になった。

 一刻も早く行きたい。
 きっとまた困っている。

 はやる気持ちを押さえて、最終出勤日に近づいていたある日──

「七海ちゃん、出張で福岡行くんだけどさ、俺もついて行こうと思うんだよね」

 遊び帰りの車中で言われた。

「え、いつですか?」
「明日」

 明日!?

 明日もやらないといけないことが沢山ある。
 でもこの人を野放しにするのはまずい。

 ──翌日

 悩みに悩んだ末、有休をつかって福岡に向かった。

 俺はどうかしている。
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