ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

七転び八起き

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第三章 決意

第37話

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 私はその日、久々に愛美と会った。

「久しぶりー!」

 愛美とはお互い忙しくてなかなか会えなかった。
 愛美は数年でかなり大人っぽくなった。
 カフェで二人でずっと会えなかった時の間のことを話していた。

白乃しのは卒業後どうするの?」

 高校の時の友達は誰も知らない。
 というか愛美くらいしか会ってない。

「えーと、私、教員になろうとしてて……」

「え!白乃が教師!?かなり意外なんだけど!」

 自分でもそう思う。
 先生のことがなければ、多分私は教員を目指さなかった。

「あー、白乃見てたら夏雄先生思い出した!先生、結局結婚しなかったんだって噂で聞いたよ」

 それは私のせい。
 でも誰にも言えない。

「先生まだ独身なんだー。久々に見てみたいなー」
「あ、愛美はどこか就職したいところとかあるの?」

 先生の話から逸らしたかった。

「私ねー服飾系に興味持っちゃって、これからどうするか考え中」
「愛美はセンスいいからそういうの向いてそう!愛美に凄い合うと思う!」

 もう皆将来を考えて動き出す。
 学生時代はあっという間に過ぎる。

「あれ……?ねぇ、あの人、夏雄先生に似てない?」

「え?」

 振り返って窓ガラスから見える、あの面影。先生だ。
 でも隣に誰か女の人がいる。

「やっぱあれ先生だよね?先生彼女いるんだー。モテるんだねやっぱ」

 私は何も言葉が出なかった。
 その後、体調が悪いと言って、家に急いで帰って布団の中に潜った。

 わかってる。
 先生は浮気するタイプではない。
 志穂さんの時は、私に浮気していたようなものだったけども。

 あー!

 そう考えると信じられなくなってくる!
 先生が他の男の人に嫉妬するように、私だって嫉妬してるんだ。

 その時、スマホに着信があった。
 先生だった。
 とても会話できるメンタルじゃないから無視した。

 その後も何度も何度もかかってきて、着信音が聞こえないようにして無視した。

 ***

 次の日、大学に行こうとしたら、家の前に先生がいた。
 今は授業中なはず。なぜここに。

 車にもたれかかりながら、私を睨んでいる。
 私は怖くて走った。

「なんで逃げるんだよ!」

 捕まった。
 車に押し込められて、尋問される。

「先生が女の人と歩いてるのを昨日見て凹んでたんです……」

 情けなくて涙が出てきた。
 先生はため息をついていた。

「あれは……大学時代の元カノ」

 元カノ。
 背が高くてモデルさんみたいだった。
 志穂さんもそうだけど、そういう人の方が見てて先生とバランスがいい。

「あんな綺麗な人と付き合ってたんですね」

 私なんて、先生と二十センチくらい身長差あるし、スタイルもあまり良くない。
 顔も特別可愛いとかではない。

「先生はなんで私なんかが好きなんですか?」
「は?」
「他にもいるじゃないですか、素敵な人」

 その時、思い切り抱きしめられた。

「見た目とかどうでもいい。ただ、俺がお前を欲しかっただけ」

 先生の指が肌の上を滑っていく。
 びっくりして体が震えた。

「そういう顔するから、お前は無自覚に男を惹き寄せるんだよ」

 よくわからない。

「お前さ……元カレとかいるの?」
「へ?」

 先生の目が怖い。

「えーと、中学の時に一人だけ」

 この時、言ったことを激しく後悔した。
 両手を掴まれ、押し倒されてしまった。

 怖い!

「何をしたか全部言え」

 その時ふと先生の手の力が弱まった。

「お前、あの時……初めてだったよな?」

 う……バレていた。
 恥ずかしい。

「はい……」

 先生は安心していた。

「痛かった?」
「聞かないでください」

 先生は事細かく私の中学時代に付き合っていた元カレの事を聞いてきて、その人とのキスは頬に少し、と言ったら、上書きするように塗り替えられてしまった。
 どこにデートに行ったかまで聞かれ、今度そこに行くことになった。

 先生、流石にそれはやりすぎなんじゃないでしょうか。
 私はとんでもない人を好きになってしまったのかもしれない。

「先生、ところで授業は?」
「時間あったから抜けてきた、でももう戻る」

 先生と離れる瞬間、安堵と寂しさが混ざり合う。
 不思議な気持ち。

 別れ際にキスをして、先生は学校に戻った。
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