45 / 83
第四章 従弟
第45話
しおりを挟む
ある日、大学から帰ろうとしたら愛美から電話がかかってきた。
「白乃、ヤバいよ、このサイト見てみ」
愛美から謎のURLが送られてきた。
それをタップしたら──
え?
これは……。
「夏雄先生そっくりじゃない……?」
そのサイトは、いわゆる『レンタル彼氏』のサイトだった。
これは遼君だ。
まだ高校一年生なのにこんな事してるの??
内容を見る限り、ただ一緒に出かけるレベルだけど、年齢が二十歳になっている。
「愛美、これは先生じゃなくて先生の従兄弟なの」
「え、そうなんだ。凄いに似てるね……びっくりした」
遼君が何をしていようが私には関係ないけど、複雑な気持ちになった。
大学の門を出たらそこには──
「あ!白乃さん!お疲れ様~」
遼君が待っていた。
なんていうタイミング。
私はなるべく関わりたくないから、そのまま通り過ぎた。
「白乃さん!この前はごめん。財布落としたって嘘ついて……」
本当、最悪だよ。
本気で心配して必死に探したのに。
しつこいナンパからは助けてくれたけど。
「俺、近づきたいってのは本当だよ?夏雄とは関係なく……」
先生の話を聞く限り、あまり信用できない。
でも、レンタル彼氏のことが聞きたい……!
ただ、関わるとズルズルいく。そんな気がする。
「私は先生以外の男の人とはあまり関わらないようにしてるの」
その時、遼君が目の前に立ちはだかった。
「白乃さん、夏雄から自由奪われてない?ずっと監視されてる感じ」
確かに……それはそうなんだけど。
「それでも私は先生を好きなの」
私はもう、先生と離れられない。
それが依存とか執着であったとしても。
このネックレスが、首輪だとしても。
「白乃さんも変になってる。少し冷静に考えなよ。自分の事」
そう言われても……。
「少しでいいから、俺と……」
その時、遼君がふらついた。
びっくりして咄嗟に受け止めてしまった。
「白乃さん、ありがとう。優しいね」
これもまた演技かもしれないけど、外はまだまだ暑い。
結局遼君を連れて近くのカフェに来てしまった。
「しばらく休んで落ち着いたら帰って」
それだけ言い残して帰ろうとしたら──
「待って」
腕を掴まれた。
「まだそばにいて」
その、先生そっくりな容姿が私の心を揺さぶる。
こんなの反則だよ。
結局少しだけ付き合うことにした。
「あ、あと一時間したら俺行くから」
遼君はもう元に戻っていた。
また演技だったのかな。
「遼君さ、答えたくないならいいんだけど……」
私はあのサイトを見せた。
「こういう事してるの?」
その画面を見た途端、遼君の目つきが変わった。
「あーバレちゃったか。普通にバイトするより稼げるからさ」
「でもまだ遼君高校生なんだし……」
「それが何?」
その目は鋭かった。
「別に、ただ女と適当にブラブラしてるだけだし」
遼君の言い方からして、そこまで危険なことをしている感じはしないけど──でもやっぱ危険だ。
「あ、白乃さんなら無料でデートするよ」
「え??」
その、笑顔の中の闇は私に何を求めてるの?
「私は先生いるし、そんな事しないよ」
遼君がため息をついて目を逸らした。
「夏雄、うざ」
は!?
私が固まってると、遼君はふふッと笑った。
「あいつ、全然苦労しないで教師なんてなって。しかも……」
遼君は私を見た。
「狙ってた教え子まで手に入れてさ。ズルくない?」
言葉が出なかった。
遼君は先生の事が羨ましいだけで、私の事なんてどうでもよくて、ただ先生に勝ちたいだけなんだと、この時は思っていた。
「白乃、ヤバいよ、このサイト見てみ」
愛美から謎のURLが送られてきた。
それをタップしたら──
え?
これは……。
「夏雄先生そっくりじゃない……?」
そのサイトは、いわゆる『レンタル彼氏』のサイトだった。
これは遼君だ。
まだ高校一年生なのにこんな事してるの??
内容を見る限り、ただ一緒に出かけるレベルだけど、年齢が二十歳になっている。
「愛美、これは先生じゃなくて先生の従兄弟なの」
「え、そうなんだ。凄いに似てるね……びっくりした」
遼君が何をしていようが私には関係ないけど、複雑な気持ちになった。
大学の門を出たらそこには──
「あ!白乃さん!お疲れ様~」
遼君が待っていた。
なんていうタイミング。
私はなるべく関わりたくないから、そのまま通り過ぎた。
「白乃さん!この前はごめん。財布落としたって嘘ついて……」
本当、最悪だよ。
本気で心配して必死に探したのに。
しつこいナンパからは助けてくれたけど。
「俺、近づきたいってのは本当だよ?夏雄とは関係なく……」
先生の話を聞く限り、あまり信用できない。
でも、レンタル彼氏のことが聞きたい……!
ただ、関わるとズルズルいく。そんな気がする。
「私は先生以外の男の人とはあまり関わらないようにしてるの」
その時、遼君が目の前に立ちはだかった。
「白乃さん、夏雄から自由奪われてない?ずっと監視されてる感じ」
確かに……それはそうなんだけど。
「それでも私は先生を好きなの」
私はもう、先生と離れられない。
それが依存とか執着であったとしても。
このネックレスが、首輪だとしても。
「白乃さんも変になってる。少し冷静に考えなよ。自分の事」
そう言われても……。
「少しでいいから、俺と……」
その時、遼君がふらついた。
びっくりして咄嗟に受け止めてしまった。
「白乃さん、ありがとう。優しいね」
これもまた演技かもしれないけど、外はまだまだ暑い。
結局遼君を連れて近くのカフェに来てしまった。
「しばらく休んで落ち着いたら帰って」
それだけ言い残して帰ろうとしたら──
「待って」
腕を掴まれた。
「まだそばにいて」
その、先生そっくりな容姿が私の心を揺さぶる。
こんなの反則だよ。
結局少しだけ付き合うことにした。
「あ、あと一時間したら俺行くから」
遼君はもう元に戻っていた。
また演技だったのかな。
「遼君さ、答えたくないならいいんだけど……」
私はあのサイトを見せた。
「こういう事してるの?」
その画面を見た途端、遼君の目つきが変わった。
「あーバレちゃったか。普通にバイトするより稼げるからさ」
「でもまだ遼君高校生なんだし……」
「それが何?」
その目は鋭かった。
「別に、ただ女と適当にブラブラしてるだけだし」
遼君の言い方からして、そこまで危険なことをしている感じはしないけど──でもやっぱ危険だ。
「あ、白乃さんなら無料でデートするよ」
「え??」
その、笑顔の中の闇は私に何を求めてるの?
「私は先生いるし、そんな事しないよ」
遼君がため息をついて目を逸らした。
「夏雄、うざ」
は!?
私が固まってると、遼君はふふッと笑った。
「あいつ、全然苦労しないで教師なんてなって。しかも……」
遼君は私を見た。
「狙ってた教え子まで手に入れてさ。ズルくない?」
言葉が出なかった。
遼君は先生の事が羨ましいだけで、私の事なんてどうでもよくて、ただ先生に勝ちたいだけなんだと、この時は思っていた。
0
あなたにおすすめの小説
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
【続編】ダイヤの指輪─先生と私の歩む未来─
七転び八起き
恋愛
◇こちらの作品は以下の作品の続編です。
「ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─」https://www.alphapolis.co.jp/novel/306629704/557024090
◇あらすじ
主人公の水島白乃(みずしましの)と、婚約者の夏雄先生のその後の物語です。
まだちゃんとした夫婦になってない二人はどうなるのか。
そして、先生の従弟の遼が出会った不思議な女の子、篠山あやめ。彼女は遼にどう影響を与えるのか。
それぞれの未来が動き出す。
◇前作のあらすじ◇
主人公の水島白乃(みずしましの)は、高校三年生の時の担任の夏雄先生に恋をした。
卒業して再会した夏雄は別人のようだった。
夏雄の歪んだ愛、執着に翻弄される中、白乃はさらに夏雄に惹かれいく。
様々な困難を乗り越え、二人は結ばれた。
溺婚
明日葉
恋愛
香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。
以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。
イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。
「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。
何がどうしてこうなった?
平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?
「好き」の距離
饕餮
恋愛
ずっと貴方に片思いしていた。ただ単に笑ってほしかっただけなのに……。
伯爵令嬢と公爵子息の、勘違いとすれ違い(微妙にすれ違ってない)の恋のお話。
以前、某サイトに載せていたものを大幅に改稿・加筆したお話です。
同期に恋して
美希みなみ
恋愛
近藤 千夏 27歳 STI株式会社 国内営業部事務
高遠 涼真 27歳 STI株式会社 国内営業部
同期入社の2人。
千夏はもう何年も同期の涼真に片思いをしている。しかし今の仲の良い同期の関係を壊せずにいて。
平凡な千夏と、いつも女の子に囲まれている涼真。
千夏は同期の関係を壊せるの?
「甘い罠に溺れたら」の登場人物が少しだけでてきます。全くストーリには影響がないのでこちらのお話だけでも読んで頂けるとうれしいです。
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる