ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

七転び八起き

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第四章 従弟

第45話

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 ある日、大学から帰ろうとしたら愛美から電話がかかってきた。

「白乃、ヤバいよ、このサイト見てみ」

 愛美から謎のURLが送られてきた。

 それをタップしたら──

 え?
 これは……。

「夏雄先生そっくりじゃない……?」

 そのサイトは、いわゆる『レンタル彼氏』のサイトだった。

 これは遼君だ。
 まだ高校一年生なのにこんな事してるの??
 内容を見る限り、ただ一緒に出かけるレベルだけど、年齢が二十歳になっている。

「愛美、これは先生じゃなくて先生の従兄弟なの」
「え、そうなんだ。凄いに似てるね……びっくりした」

 遼君が何をしていようが私には関係ないけど、複雑な気持ちになった。

 大学の門を出たらそこには──

「あ!白乃さん!お疲れ様~」

 遼君が待っていた。
 なんていうタイミング。

 私はなるべく関わりたくないから、そのまま通り過ぎた。

「白乃さん!この前はごめん。財布落としたって嘘ついて……」

 本当、最悪だよ。
 本気で心配して必死に探したのに。
 しつこいナンパからは助けてくれたけど。

「俺、近づきたいってのは本当だよ?夏雄とは関係なく……」

 先生の話を聞く限り、あまり信用できない。
 でも、レンタル彼氏のことが聞きたい……!
 ただ、関わるとズルズルいく。そんな気がする。

「私は先生以外の男の人とはあまり関わらないようにしてるの」

 その時、遼君が目の前に立ちはだかった。

「白乃さん、夏雄から自由奪われてない?ずっと監視されてる感じ」

 確かに……それはそうなんだけど。

「それでも私は先生を好きなの」

 私はもう、先生と離れられない。
 それが依存とか執着であったとしても。
 このネックレスが、首輪だとしても。

「白乃さんも変になってる。少し冷静に考えなよ。自分の事」

 そう言われても……。

「少しでいいから、俺と……」

 その時、遼君がふらついた。
 びっくりして咄嗟に受け止めてしまった。

「白乃さん、ありがとう。優しいね」

 これもまた演技かもしれないけど、外はまだまだ暑い。
 結局遼君を連れて近くのカフェに来てしまった。

「しばらく休んで落ち着いたら帰って」

 それだけ言い残して帰ろうとしたら──

「待って」

 腕を掴まれた。

「まだそばにいて」

 その、先生そっくりな容姿が私の心を揺さぶる。
 こんなの反則だよ。

 結局少しだけ付き合うことにした。

「あ、あと一時間したら俺行くから」

 遼君はもう元に戻っていた。
 また演技だったのかな。

「遼君さ、答えたくないならいいんだけど……」

 私はあのサイトを見せた。

「こういう事してるの?」

 その画面を見た途端、遼君の目つきが変わった。

「あーバレちゃったか。普通にバイトするより稼げるからさ」
「でもまだ遼君高校生なんだし……」
「それが何?」

 その目は鋭かった。

「別に、ただ女と適当にブラブラしてるだけだし」

 遼君の言い方からして、そこまで危険なことをしている感じはしないけど──でもやっぱ危険だ。

「あ、白乃さんなら無料でデートするよ」
「え??」

 その、笑顔の中の闇は私に何を求めてるの?

「私は先生いるし、そんな事しないよ」

 遼君がため息をついて目を逸らした。

「夏雄、うざ」

 は!?
 私が固まってると、遼君はふふッと笑った。

「あいつ、全然苦労しないで教師なんてなって。しかも……」

 遼君は私を見た。

「狙ってた教え子まで手に入れてさ。ズルくない?」

 言葉が出なかった。

 遼君は先生の事が羨ましいだけで、私の事なんてどうでもよくて、ただ先生に勝ちたいだけなんだと、この時は思っていた。
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