ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

七転び八起き

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第六章

第65話

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 教員採用試験に合格した──

 嬉しくて、友達や大学の先生達にも報告して、胸がいっぱいだった。

 先生に追いつきたくて、ひたすら頑張ってきた。
 自分でもここまでよくやれたなと、改めて思う。

 高校卒業後は、まだ将来の事なんて全く考えていなかった。
 先生と高校で再会して、それから大きく歯車が動きだした。

 完璧だと思った先生は、不安定だった。
 愛し方が歪んでいた。

 でも私も愛なんてよくわかってなかった。
 だって、まともに愛された記憶もなかった。

 私は戸惑いながらも、何もかも捧げた。
 心からあの人が欲しいと思った。

 こんな平凡な私に芽吹いた気持ちは、そんな綺麗なものではなかった。
 本能に抗えなくて、先生に支配されて、でもそれが嬉しい。
 それが私にとっての愛だった。

 先生、ありがとう。
 こんな気持ちを私に教えてくれて。
 あなたと出会えてよかった。

 私はこれからも、あなたと歩んでいきたい。
 どんな時も側に居たい。
 だからこれからも頑張る。


 ──と、合格発表の数日後、考えていた私はバイト先にいた。
 仕事が終わった後、何かが燃え尽きたかのように椅子に座ってボーッとしていた。

「水島さん、合格おめでとう!」

 店長が声をかけてくれた。
 私が突然バイトを辞めても気にかけてくれて、戻る機会をくれた店長。
 ここで働けて良かった。

「白乃さんおめでと~!」

 遼君が笑顔で声をかけてくれた。
 今日は遼君がシフトの日だったから久々に会うことができた。

 ──遼君は、いつの間にか彼女ができた。

「白乃さん一筋だったんだけど、もう一つのバイト先の子で、彼女には申し訳ないけど白乃さんに少し似てる子なんだ」

「私に似てるって……?」

 遼君は恥ずかしそうに目を逸らしていた。

「見た目大人しそうなのに、結構ハッキリ言ってくる。色々」

 私って見た目そんな感じなんだ。
 なんとなくわかってたけど……!

「でもさ、今まで色んな子と付き合ったけど、俺の初恋は白乃さんだよ」

 私は、不覚にも感動してしまった。

「夏雄もそうじゃない?たぶん」
「いや、そんな事はないよ。よくわからないけど」

 私は贅沢な女だ。
 こんな平凡な女の何が好きなんだ。

「遼君ありがとう。嬉しい。そう言ってもらえて。」

 遼君には幸せになって欲しい。
 苦しんでたぶん。

 私はその日、先生と待ち合わせをしていた。
 あのワンピース着てこいと言われてて。

 何だろう?
 聞いても教えてくれないし。

 その時先生から着信があった。

『今駅のロータリーにいるから、早く来て』

 私は急いでロータリーに行った。
 先生の車は目立つからすぐにわかる。
 私は直ぐに助手席に滑り込んだ。

「ちょっと時間勘違いしてた。急ぐわ」
「え?何がですか?」
「秘密」

 その怪しげな笑み……怖い!
 でも、ドキドキしてしまう。

 先生に導かれるまま、ついていった。
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