ダイヤの輝き─番外編集─

七転び八起き

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新婚旅行

第二話

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 勝手に黒い水着を買っておいて、外に出せないって──

「そんなの理不尽ですよ!」

 自分勝手すぎる!

「想像よりヤバかった……」

 何が??

 先生が近寄ってきて、私の肌に触れた。

「白乃は肌が白いから、黒を着るとそれが際立って」

 先生が私を抱き寄せてきた。
 先生の鼓動が早い。

「そんなデザインだと余計に……」

 先生が選んだのに!

「じゃあ、これから別の買いにいきましょう!」

 ──先生が動かない。

「ごめん。もっと見たい」

 新婚旅行に来て早速この流れに。

「先生、夜まで我慢できませんか……?」

「……できない」

 もーーー!!
 何のために着替えたのかわからない!

 ただ先生が愛でている。
 触れてくる。
 ズラしてくる。

 せっかく遠くからはるばる来たのに、家と変わらぬ状態。

「先生もう行きましょう!」

 そう言ってるのに、どんどん心をくじいてくる。
 抗えなくする。
 そして私が求めてしまう。

「欲しくなった?」

 あの頃はあんなにひねくれていたのに、今は素直すぎて幼く感じる。

 情けなくて何も答えたくないのに、

「先生をください……」

 って言ってしまった……。

 突然私の手を掴む力が強くなって

「全部やるよ」

 スイッチが入る。
 また火をつけてしまった──

 先生に何もかも支配されて、身動きが取れなくなって、力も抜けて、なぜか涙まででてきて、訳がわからない。
 人間の心と体は複雑だ。

 ──その後、二人でホテルの外に出て水着を買いに行った。

 そしてまた先生に色々指摘されて、ラッシュガードを着させられて、パレオが付いている水着に。

 普通に服着てくればよかった!!

 浜辺に行って、夕陽が沈む水平線を眺めていたら──

 先生が見当たらない。

 え、私、置いて行かれた……?

 その時、先生の声が聞こえた。
 先生が日本人らしき女の人何人かと話している。

 その後すぐに私のところに来た。

「ごめん!」
「どうしたんですか……?」
「逆ナンされた」

 ──は?

 プツンと何かが切れた。

 その場でラッシュガードとパレオを脱ぎ捨て、波打ち際から沖合に向かってどんどん進んだ。

「白乃!危ないから戻ってこい!」

 ムカつく。
 先生を睨んだ。

「私は先生の人形じゃないんです!」

 三年前に言ったあの懐かしい言葉。

 私は先生を無視してホテルに戻った。
 ラッシュガードもパレオも置き去りで。

 だから──

 ホテルに入れない……。
 こんな姿をホテルの宿泊客に晒せない。
 私は水着のまま先生を待つしかなかった。
 通り過ぎる観光客に見られながら。
 情けなくて泣きたかった。

 先生は急いで私を追いかけてきた。

「何で勝手に行くんだよ!」
「先生がムカつくからです!」

 先生が困り果てている。

「とりあえず部屋に戻るぞ」

 私は服を羽織らされて、二人で部屋に戻った。

「どうしたんだよ」
「好きな水着も着られないなんて、おかしいです!」

 先生に大事にしてもらってるけど、着るものにまで色々言われるのは納得いかなかった。

「ごめん」

 先生はソファに座った。
 とても悲しそうな顔をしている。

「お前は色んな奴に狙われやすい。守らないといけないって思ってたけど、俺のエゴだな」

 確かに今まで色々あった。
 先生に助けてもらった。
 先生が心配するのも当然だ。
 私がもっとしっかりしていれば──

「ごめんなさい」

 直ぐに謝ってしまった。

「白乃、こっちにおいで」

 先生の隣に座った。
 すると先生に肩を引き寄せられた。

「お前がいないと生きていけない」

「え、どうしたんですか?いきなり」

 先生が私の頭を撫でる。

「俺をずっと想ってくれて、教師にまでなろうとしただろ」

 先生の心臓の音や体温が心地良くて、安心する。

「はい。私、先生一筋ですから」

 先生の裏の姿にも惹かれてしまった私は、先生の何もかもを愛してしまった。

「俺をこれだけ愛してくれるの、お前しかいないだろ」

 それは自信を持って言える。
 私は誰よりも先生を愛している。
 独占欲が強くて、嫉妬深くて、心配性で、妄想癖があって──
 たまに困るけど、それも先生の魅力なんだ。

「私も先生なしじゃ、生きられないのかもしれないです」

 先生は優しくキスをしてくれた。

 怒っていたのに、結局許してしまう。
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