秘密の館の主に囚われて 〜彼は姉の婚約者〜

七転び八起き

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誘い

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──次の朝

透明な朝日に照らされて起きた。

まるで昨日あったことが夢のようだった。

夢であったほしかった。

姉が朝から上機嫌だ。

「今夜、カウリス様とオペラを見に行くの」

朝食の最中にでた名前で喉が詰まりそうになった。

「あら、ユミリアは昨日素敵な方と出会えたの?」

私を揶揄うような視線。

「いえ」

「まあ、それは残念ね」

鼻で笑う。

姉は知るまい。

あの人があの屋敷で秘密の社交界を開いていることなど。

目を盗んで私を翻弄していることなど。

「今日はどんなドレスを着ようかしら」

はしゃぐ姉を横目に、きっと迎えに来るであろうあの人に会うのが怖かった。

絶対に部屋の中にいよう。

そう思っていた。

───

──夜

屋敷の前に馬車が止まった。

馬車から出て来たのは、カウリス様だ。

昨日とは別人のような顔をしている。

私は部屋の窓から見ていた。

その時、彼がこちらに視線を送った。

私は驚いて隠れた。

気づいていたのだろうか。

私が見ていたことを──

「カウリス様!今日を心待ちにしておりました」

姉の声が屋敷に響き渡る。

「レベッカ様、とてもお美しい」

カウリス様の声が柔らかく響く。

昨日のことを思い出して、心臓が大きく鳴る。

──早く行って!

その時部屋をノックされた。
父だった。

「ユミリア、カウリス様が、ユミリアも是非一緒にと言っているが」

「え……私も、ですか?」

「ああ。お優しい方だから、ユミリアにも配慮して下さっているのであろう」

きっと何かを企んでいる。

適当な理由をつけて断ろうとした。

しかし。

「さあ、早く準備しなさい」

父に遮られた。

仕方なく、適当なドレスを着た。

玄関に行くと、姉がまた不機嫌だ。

顔に出ている。

『なんでユミリアも一緒なの?』

と。

「ユミリア、一緒に来てくれることを嬉しく思うよ。ありがとう」

カウリス様に紳士的な笑顔を向けられた。

「はい……お誘いありがとうございます」

「さあ、早く行きましょう!」

姉は足早に馬車に向かった。

私は別の馬車に乗せられた。

逆にそれがほっとした。
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