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本能
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部屋のドアは閉められた。
小さな部屋は衣装や小道具が置いてある。
薄明かりがドアの隙間から漏れる。
ここまで追いかけてくるなんて……。
手足が震えた。
「逃げると追いかけたくなると言ったが、逃げたな。自業自得だ」
これが本当のカウリス様なの?
至近距離まで近づいてきた。
暗闇で目が合う。
逃げたいのに、目を逸らせない。
多分逃げられない。
「父と姉に見つかったら大事になります!」
その時、力強く抱き寄せられた。
「見つからなければいい。ここは関係者しか来ないだろう」
迂闊だった。外に逃げるべきだった。
でもきっとどこへ行っても同じ。
そんな気がした。
「困ります!あなたとの関係が知られてしまったら、私はあの家にいられません!」
「なら俺のそばに居ればいい。屋敷を用意しよう」
そんな、愛人みたいな扱い──
「無理です!受け入れられません!」
「じゃあどうする?」
どうすればいいの……?
「わかりません……」
「黙っていればいい。何も知らないふりをすればいい。それだけだ」
冷たく言い放った。
なんて自分勝手な男。
「最低です」
「最低か……」
低い声が落ちた。
「そうだな」
暗くて表情がわからない。
その時、床に押し倒された。
苦しいくらいに抱きしめられ、身体中が密着する。
──でも
怖いはずなのに、不快感がない。
むしろ、カウリス様の体格や匂いが、自分にぴったりと合わさるようだった。
本能で感じてしまった。
私はこの人を求めていると──
小さな部屋は衣装や小道具が置いてある。
薄明かりがドアの隙間から漏れる。
ここまで追いかけてくるなんて……。
手足が震えた。
「逃げると追いかけたくなると言ったが、逃げたな。自業自得だ」
これが本当のカウリス様なの?
至近距離まで近づいてきた。
暗闇で目が合う。
逃げたいのに、目を逸らせない。
多分逃げられない。
「父と姉に見つかったら大事になります!」
その時、力強く抱き寄せられた。
「見つからなければいい。ここは関係者しか来ないだろう」
迂闊だった。外に逃げるべきだった。
でもきっとどこへ行っても同じ。
そんな気がした。
「困ります!あなたとの関係が知られてしまったら、私はあの家にいられません!」
「なら俺のそばに居ればいい。屋敷を用意しよう」
そんな、愛人みたいな扱い──
「無理です!受け入れられません!」
「じゃあどうする?」
どうすればいいの……?
「わかりません……」
「黙っていればいい。何も知らないふりをすればいい。それだけだ」
冷たく言い放った。
なんて自分勝手な男。
「最低です」
「最低か……」
低い声が落ちた。
「そうだな」
暗くて表情がわからない。
その時、床に押し倒された。
苦しいくらいに抱きしめられ、身体中が密着する。
──でも
怖いはずなのに、不快感がない。
むしろ、カウリス様の体格や匂いが、自分にぴったりと合わさるようだった。
本能で感じてしまった。
私はこの人を求めていると──
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