性悪聖者と悪魔のしもべ

ハリエニシダ・レン

文字の大きさ
8 / 18

聖者の指2

しおりを挟む
聖者が指を動かす。
俺は、何もできずにただ喘ぐだけだ。

「随分慣れてきたじゃないか」

聖者が耳元で笑う。
気づけば、二本の指とも大きく出し入れされていた。

「っ…くっ…ぁあっ…」

「やめろ」と言いたいところだが、やめられても困る。俺はこいつを堕としに来たのだから。最後までしてもらわなくては。

けど、ただ喘がされるこの状況も、居たたまれないし腹が立つ。
こいつが俺に無理矢理突っ込んで、我を忘れた方がずっとマシだった。
…この調子じゃ、そんなことにはなりそうにないけれど。

「あと何本、指を入れて欲しい?」

そんなことを余裕綽々で聞く聖者。

「うるっせえ!もうとっとと挿れろよっ…!」

思わず反射的に怒鳴り返す。

本当にそうされたら困るのは自分だとわかっていても、ついこういう言葉が口をつくことはある。

「なんだ、痛いのが好きなのか?」

ニヤニヤと笑う聖者。
おまえそれ、聖者のしていい顔じゃねーからな!

「んな訳あるかっ…!」

俺はマゾじゃねえ!
悪魔たちには、結構ヤバいこともされたけど、何せ痛覚も十分の一な夢の中だ。何とかなった。
けど現実であれはゴメンだ。

「なら、まだまだ解してやらないとな」

焦る様子もなく、聖者の左手が俺の後頭部を掴んで引き寄せる。
キス、されながら、右手の指を尻に抜き差しされる。

「今、三本だ…なかなかいいペースだな?」

っ…知るかよっ…

つーか本当腹立つっ…そんなに比較できるほど男ともヤりまくってんのかよ!この腐れ聖者っ…!

激しく尻も口もグチャグチャにされて、それでも気持ちいいのがすげームカつく。

「物足りなそうだな?別の指に替えてやる」

「んぅっ…!?」

多分まだ三本なんだろうけど、さっきより太くなった…おそらく小指を抜いて人差し指を入れたのだろう。

…あー……本当ムカつく…上手すぎてすげームカつく。手慣れててムカつく。

「そろそろ四本、入りそうだ」

「ぅあっ…っ…」

思わずぎゅっと目を瞑る。
流石に四本はキツい。

「っ…あっ…くっ…」

「これに慣れたら、お待ちかねのものを挿れてやるからな」

耳元で囁かれて、反射的にぶん殴りそうになる。それを我慢する為に、慌てて筋肉質な身体にしがみついた。

っ…待ってなんかねーよクソがっ……

罵声は聖者の肩を噛んで塞ぐ。

っ…クソっ…クソっ…俺…このまま本当にこいつとヤるのか…こいつに…ヤられるのかっ……

それしかないのはわかっている。その為に、俺は悪魔に身体を差し出したのだとわかっている。
でも……



やっぱり嫌だ……



本音の部分では、嫌なのだ。
当たり前だ。
何で好きでもない、しかも男に抱かれなきゃならないんだ。

でも…俺が目的の為にできることはこれしかない…俺は何も持ってないから…この身体を…使うことしか…できないんだ……


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

氷の檻に閉じ込められた月~兄上のすべては、私のもの~

春野ふぶき
BL
『兄上は私のものだ。魂も、肉体も。永遠に―—』 アーヴェント侯爵家の長男ライカは、妾腹として正妻に虐げられ続けてきた。 唯一の救いは、次期当主を目される異母弟カイエンの存在。 美しく聡明で、氷の騎士と呼ばれる彼だけは、常にライカの味方だった。 だが、その愛情は兄を守るものではなく、深く歪んだ執着だった。 母を排除し、兄を囲い込み、逃げれば鎖で捕らえる。 そしてついに、ライカの心身は限界に追い詰められていく。 ——カイエンが下す「最後の選択」とは。 ふたりが辿る結末は、幸福か、それとも狂気の果てか。

落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした

444
BL
『醜い顔…汚らしい』 幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。 だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。 その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話 暴力表現があるところには※をつけております

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

過去のやらかしと野営飯

琉斗六
BL
◎あらすじ かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。 「一級になったら、また一緒に冒険しような」 ──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。 美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。 それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。 昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。 「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」 寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、 執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー! ◎その他 この物語は、複数のサイトに投稿されています。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

処理中です...