サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第二章 2002年 春

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 83

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     第二章 2002年 春


   83 Hさんとの再会 そして帰国

 パッポン界隈でシーフードを食して、トップレスゴーゴーバーで驚き、タニヤ通りの寿司店で口直しをした僕とN君は、かなり酔っ払ってしまった。

 店を出てフラフラ歩いていたら、目の前にモロ見えのヌード写真を突き出された。

「ソープ、安いよ。若くて綺麗な女の子ね!」

 若いタイ人の客引きが、僕達にしつこく勧める。
 よっぽどスケベそうな顔をしていたのかもしれない。

 彼を振り切っても再び別の客引きが勧める。
 これでは酔いも手伝って心が揺らぎそうだ。早くこの場を離れることにした。

 裏通りに入って高架下に出るとタクシーが止まっていた。すぐに乗り込んで宿に戻ることにした。

 随分と楽しい夜だったが、ゴーゴーバーの巨乳美女がなかなか頭から離れなかった。

 二十分ほどで宿に着いて、二人とももう酩酊していたので寝ることにした。
 部屋に入りシャワーを浴びるとベッドに倒れるように寝てしまった。

 翌朝はベッドわきの電話の音で目が覚めた。寝ぼけ眼で出ると女性の声だった。

「お久しぶりです~、Hです。今朝早く着きました」

 そうだ、去年ラオスで知り合って以来、N君ともども友人関係を保っているHさんが、ラオス南部旅行から今朝バンコクに帰って来たのだった。

「お疲れさま、N君の部屋ですか?」

 彼女はさっきこの宿に到着してN君の部屋を訪ねたのだと言う。
 早速顔を洗って服を着てN君の部屋に向かった。
 
 一年前にHさんと知り合ったあとも、僕が東京方面に用事があった時にお酒を飲んだり、彼女が大阪を訪ねてきた時はN君と二人で関西を案内したものだ。

 だから久しぶりではあるが、数ヶ月ぶりということである。

「やあ、ラオス南部はどうだった?」

「暑さに参りました。それに北部と違ってあまり見るべき観光地がないのです。でもまずまず楽しい旅でした」

 彼女はラオスの首都・ビエンチャンからバスで南へ南へと下り、サワンナケート、パクセーと滞在、コーンの滝やワット・プーを観光して、ウポンラチャタニーから夜行列車に乗ってバンコクに着いたというルートである。

 しばらくお互いの今回の旅を報告しあった。

 僕は正直者だから旅の初日から綺麗な女性と知り合い、彼女と三日間一緒に移動してバンビエンで別れ、バンビエンからの折り返しのバスでは別の女性と知り合って、バンコクに帰るまでの三日間を同行したことを話した。

「ペロさんはヤッパリ女性とすぐ仲良くなっちゃうんですね。結局今回もずっと女性と旅していたのですね」

「別に女性に意識的に近づいているわけじゃありませんよ。ひどいなぁ」

 名誉のために弁明しておくと、この物語の最初からもう一度お読みいただいたらお分かりと思うが、決して僕が目をギラギラさせて女性に近づいたわけではありません。

「ミャンマーはどうでしたか、Nさん」

「いや、それがあの、暑くて暑くてたまりませんでしたわ」

「ちゃんと遺跡とか回ってきたのでしょうね。ビールばかり飲んでいたのじゃないですよね」

 Hさんにこのように言われてN君は額に汗していたのだった。

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