サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第三章 バンコク近郊・意外展開旅行記

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 115

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      帰国前夜

 目が覚めると辺りは少し薄暗くなっていた。

 大倉さんはまだ戻ってきておらず、U君がようやくインドの疲れが少し取れたようで自分のベッドに座っていた。

 今夜はS君が帰国するので、三人で少し早い時間に夕食を食べることとなった。

 寺院の中を抜けて、昨夜大倉さんと飲んだバーの辺りの小さなレストランに入った。
 窓際のテーブル席に座り三人のカオサンミニオフ会という感じだ。

 適当に辛い系の野菜炒めやチャーハン類を、そしてやはりトムヤンクンを注文した。

 S君はなんでもすることが早く、カオサンに入った時に今回訪れたカンボジアのパイリンなどで写したフィルムを現像に出していて、それが先ほどでき上がったので見せてもらいながらビールを飲んだ。

 短期の旅も終わりになると、少しホッとするような帰りたくないような気持ちが交差する。

 長期旅行の経験がない僕は、長期だと普段どういう気持ちで旅をするのか分からない。

 分からないから一度経験してみたいのだが、種々事情で一向に実現ができないでいる。(今は長期の旅も経験済みです)


 二ヶ月ほどのんびりと中国からベトナムに下り、カンボジアから一旦タイに入り、バンコクで少し休憩してから再び北上してラオス、ラオスをグングン北に上がり、少数民族を訪ねて満足して再び下り、メコンを渡ってタイに戻り、チェンマイで旅の残りを過ごす、という現在の僕の旅力(こういうものの計測が可能かどうか分からないが)からすれば最適の経路なのだが、果たしていつ実現できるのだろう。(実現しましたけど)

 そしてその二ヶ月間の旅の途中、僕はどのようなことを考え、どのような精神状態になるのだろう。
 これは興味深い。

 こんどN君と会ったら是非聞いてみよう。
 彼は今夏、インド~ネパールを一ヵ月半くらい旅しているから。

 世界の三大スープと賞味されるトムヤンクンは、「トムヤム」はスープという意味で、そこに「クン」が入るわけである。

 「クン」とはえびということだが、「クン」はさておき、僕はこのトムヤンクンのスープには参っている。

 甘い、辛い(関東の人はしょっぱいというのかな)、酸っぱい、苦い、という味覚のなかで、辛くて酸っぱいという味覚が最も酒にあうと思うから、特にビールにトムヤンクンは僕としてはなかなか幸せな気分になる。

 僕はあまり食べ物の美味しい不味いの差がなくて、よっぽどひどい味でない限りは「うまいうまい」と言って何でも美味しく食べてしまうという、料理人にとっては存在してほしくない人間なのである。

 これはおそらく団塊世代とまではいかなくとも、その少しあとで生まれたことで、味よりも何でも腹いっぱい食べられたら幸せという食生活で成育したことに大きな原因があると思われるが、いまさらそれをどうのこうの言っても仕方がない。

 さて、S君やU君とはアジアオフ会という怪しげな集まで知り合ったのだが、このように三人で顔をつき合わせて酒を飲むというスタイルは初めてで、しかも日本を離れてバックパッカーのメッカといわれるカオサンで酒を飲んでいるのだから、やはりこのあと帰国してからグッと親しい関係になり、おっさんの僕としては彼らのような若者から得るところも多く、そういう意味ではとても有意義だった。(長い文章だな(^_^;))

 それぞれが旅の報告をしながら飲む酒もまた楽しい。
 自然とビールの本数も増えていった。

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