サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第三章 バンコク近郊・意外展開旅行記

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 116

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     三角枕と帰国

 S君は旅の土産のひとつに「三角枕」を買った。

 僕もこの三角枕はラオスのドミトリーのミーティングルームに置いてあったのを使ったことがあり、前からほしいと思っている代物である。

 ただこの枕をお土産に持って帰るのが結構面倒。
 かなり大きいものなのでバックパックに入らない。

 手持ちするには恥ずかしい。さりとて何か袋に入れて手荷物というのも、その形状的に持ちにくい、などの理由からこれまで買って帰らなかった。

 しかしS君は僕が抱いていた懸念などあざ笑うかのように「ちょっと三角枕買ってきます」と言って、そしてすんなり大きなビニール袋に入れてもらって買ってきた。

◆三角枕
👍






 彼もそうだが同様にU君もラダックを駆け巡ったチャリンコを日本から運び、帰国の際は関空で受け取って、朝の通勤ラッシュアワーにそのチャリンコを電車に持ち込んで家に帰った、というツワモノである。

 共通することは周りのことにくだらない気遣いをしていないということ。
 人間はくだらない気遣いをしすぎる。

 僕は去年それであれこれ悩んだものだ。こちらが悩むほど相手は気にもしていないのが現実である。

 まあ話はかなり脱線してしまったが、S君は僕たちと食事のあとその三角枕の入ったゴミ袋のようなビニールを手に持ち、「それじゃあ、また」と言って、日本に向かって帰って行った。

 僕とU君とはその夜遅くまでネットカフェにいたが、彼は旅の疲労が激しく、キーボードを叩きながら寝てしまうという状態だった。

 翌日は僕の帰国日だ。
 朝起きると大倉さんがすでに起きていてベッドに座っていた。
 
 昨夜は初めて旅に出てカオサンに来ていた大学生を飲みに連れて行ったとのことだった。彼の分け隔てない優しさがここにも窺えた。

 屋台でのカオマンガイの朝食のあと、U君とマッサージに行った。

 マルコポーロGHの隣にあるマッサージ屋で、なかなか老舗の店らしいが今は改築されて階上のGHとともにきれいになっているらしい。

 最後の日はあっという間に過ぎた。

 夕食は宿の並びにあるイスラエル料理店に行こうということになり、U君と大倉さんと僕の三人で少し早めの時間に入った。

 店内は四人がけテーブルが八卓ほどで、早くも欧米人でほぼ満員状態だった。
 
 メニューを見たが、さてどんな料理かさっぱり分からない。「レッドライス」というのがあったので注文、そしてサラダにサンドイッチなどを頼みビールを飲んだ。

 イスラエル料理は意外にもトマトをたくさん使った料理だった。  
 レッドライスは「赤」の印象とは違ってあまり辛くはなかった。
 三人で旅の話を淡々と交わし、楽しい夕食だった。

 宿に戻ってパッキングをすませて、大倉さんとUさんに見送られ、「それじゃあ、また」と僕も言ってタクシーに乗り込んだ。

 今回の旅は本当に意外なことが多かった。

 初日に国立競技場のコンビニで、ラオス以来の付き合いがあるHサンと遭遇。
 普通なら一週間以上通院しなければならない男だけの病を、バンコクに来て自力で三日で治した。

 アユタヤのGHで中島みゆきさんと遭遇、宿のご主人・南こうせつさんにも親切にしてもらった。

 カンチャナブリへのバスで僕を気遣ってくれた少年。そして大倉直氏との出会い。

 短期であれ長期であれ、これだからやっぱり旅は面白い。


 - 第三章 完-

 引き続き、第四章「タイ・ラオス・ベトナム、駆け足雨季の旅」を連載いたします。

 よろしくお願いします。😊
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