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五十五話 ジェシカの墓標の前で……①
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キースが慌ただしく城を出た頃、アメリアは一人、ライオネル伯爵領の林の中で静かに歩みを、進めていた。
静かな雰囲気のその場所は、一年近く人の手が入っていなかったのか、背の高いものから、トゲの有るものまで様々な草が生い茂り、自然の力をまざまざと見せつけていた。
旧フュルスト侯爵邸………そこに残してきた物で、アメリアが大切にしていたものは、ソフィアに奪われたり、壊されしたので、もう何ひとつも残ってはいなかった。
そんな場所になぜアメリアが訪れていたのか……
それは、大きな邸宅の外れにある、木々に囲まれたその場所に、アメリアの実母、ジェシカの墓がひっそりと立っていたからだった。
アメリアが荒れた林の中を進み目的の場所へと向かうと、先日長きにわたる封印から解放され、発現したその力の影響か、トゲのある植物はアメリアを傷つけまいと避ける様な動きをみせ、背の高い草は道を指し示すように地へと横たえ、ジェシカの墓へと導く様な動きをしている。
アメリアはその光景を視界の内に認めつつも、気に止めることもなく、墓標へと歩みをゆっくりと進め、静かにしゃがみこみ、祈りを捧げる。
暫くの祈りの後、アメリアはジェシカの墓標を見つめ、そこに眠るジェシカにゆっくりと、問いかける。
「お母様、私、聖女だったのね……。何で隠していたの?」
その問いに答えは返って来ないが、アメリアはキースの屋敷で家庭教師として働き始めた頃の事を思い出す。
「私を守る為?………キース様がマリアさんの事を思って、その強大な魔法の才能を隠しておこうとされた気持ち……それと同じなのよね……きっと。」
そっと微笑む母、ジェシカの姿が脳裏に甦り、涙を流すアメリア…………
「でもね、私の力をあの指輪、『ルーシクマッジ』で封印したばかりに、指輪では抑えきれない聖女の力が行き場を失い、アバさんという聖女が生み出したそうなのよ………。」
アメリアは静かに墓標に語りかけていく……。
「その方は困っている人々を救うために聖女の力を使ったのだけれど、ギネリン王の策略で地区ごと閉じ込められて、亡くなったの……そして、キース様の奥様、ローラ様も地区の人々のためアバさんを補佐しようと動かれ、亡くなった……。」
アメリアは、溢れでる涙をそのままに続ける……
「私が聖女として覚醒していたら二人は……いいえ、それだけじゃない、ソフィアがフュルストに来ることもなくて、お父様も……そして、昨日の戦いで亡くなられた方達も、犠牲にならなかった……。そう考えると私……。」
アメリアは自分を責め、静かに泣くのだった……。
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そんな場所になぜアメリアが訪れていたのか……
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アメリアが荒れた林の中を進み目的の場所へと向かうと、先日長きにわたる封印から解放され、発現したその力の影響か、トゲのある植物はアメリアを傷つけまいと避ける様な動きをみせ、背の高い草は道を指し示すように地へと横たえ、ジェシカの墓へと導く様な動きをしている。
アメリアはその光景を視界の内に認めつつも、気に止めることもなく、墓標へと歩みをゆっくりと進め、静かにしゃがみこみ、祈りを捧げる。
暫くの祈りの後、アメリアはジェシカの墓標を見つめ、そこに眠るジェシカにゆっくりと、問いかける。
「お母様、私、聖女だったのね……。何で隠していたの?」
その問いに答えは返って来ないが、アメリアはキースの屋敷で家庭教師として働き始めた頃の事を思い出す。
「私を守る為?………キース様がマリアさんの事を思って、その強大な魔法の才能を隠しておこうとされた気持ち……それと同じなのよね……きっと。」
そっと微笑む母、ジェシカの姿が脳裏に甦り、涙を流すアメリア…………
「でもね、私の力をあの指輪、『ルーシクマッジ』で封印したばかりに、指輪では抑えきれない聖女の力が行き場を失い、アバさんという聖女が生み出したそうなのよ………。」
アメリアは静かに墓標に語りかけていく……。
「その方は困っている人々を救うために聖女の力を使ったのだけれど、ギネリン王の策略で地区ごと閉じ込められて、亡くなったの……そして、キース様の奥様、ローラ様も地区の人々のためアバさんを補佐しようと動かれ、亡くなった……。」
アメリアは、溢れでる涙をそのままに続ける……
「私が聖女として覚醒していたら二人は……いいえ、それだけじゃない、ソフィアがフュルストに来ることもなくて、お父様も……そして、昨日の戦いで亡くなられた方達も、犠牲にならなかった……。そう考えると私……。」
アメリアは自分を責め、静かに泣くのだった……。
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