婚約を破棄します！浮気を止めないハルト様には相応の罰を受けてもらいます！

話

その日、マリアは婚約者であるハルト侯爵に話がしたいと、応接間に呼び出していた。

「それで？何のようだマリア？」

「はい、ハルト様の最近の行動について、是非お聞きしたいことがありまして。」

すると、ハルトは少し動揺しながら、

「な、何が、き、気になるんだ？」

マリアは冷たい目でハルトを見つめ、冷酷な調子で、

「はい、最近ソフィア子爵令嬢と仲良くしている様ですが、どのようなご関係なのかと思いまして。」

「ああ、色々と仕事でな。」

「そうですか、ベッドの上でどんなお仕事があるんですか？」

「な、何を言う！」

「あ、これより先は皆様に見ていただきたいので、どうぞお入りください。」

マリアが扉を開くと、奥の部屋からマリアの両親、ハルトの母親、それと、ハルトを昔から世話していたキース公爵が入室する。

「こんなに人を呼んで！ありもしない話を作り、どんな証拠があるんだ！」

ハルトは声を荒げる。

「わかりました。そうおっしゃられると思いまして用意してあります。」

マリアはそそくさと映像記録の魔法具を取り出すと、身なの前でその中身を壁に写し出す。 

「な、何を！」

ハルトは映し出された映像に焦り、壁の前にたつが、ハルトの顔にもソフィアと繋がる部分がでかでかと投影される！ 

すると、ハルトの母親から、

「まぁ、汚らわしい！」

マリアの父は、

「ハルト君、なんだねこれは？」

「お義父さん！ち、違うんです！」

キース公爵からは、

「ハルト！なんだこの恥態は！」

「こ、これは……キース公爵様！……そ、そう偽造されたものです！これは私ではありません！」

「はぁ…。そうですか…では……。」

マリアが合図を出すと、執事のアルフレッドがソフィアを連れて入室する。 

「ハルト様！この人たちが酷いんです！私達が愛し合っている事に問題がある何て言って！」

「な、なんだ、…お、お前なんか…、知らん！」

ハルトはソフィアを遠ざけるが、ソフィアは、 

「そんな……。あんなに愛しているとおっしゃって下さったのに……。マリアとは別れて私と結婚してくださると。」

「はぁ！何を言っている！」

ハルトとソフィアが言い争いをしているところへマリアは、 

「そうなんですね、ソフィアさん、それでは私は邪魔者のようなので、ハルトさんとは婚約を破棄しますので、ご安心してください。」

そう言うとマリアとマリアの両親は部屋を出ようとする。 

「ま、待ってくれお義父さん、お義母さん！マリア！いや、マリア様！すみませんでした。もうこんなことはしませんので！」

そんなことを言うハルトを無視し、マリアとその両親は屋敷を後にする。

実はハルト侯爵の家は、ハルトが家を継いでから事業がうまく行かず、ヒイヒイ言っているところに、マリアの実家フェルト伯爵家が借金の肩代わりと、事業の手助けをする約束でマリアとの婚約をしたのだが、それが無くなると………。

一月後、ハルト侯爵の姿を見たものはいない……。