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第五話 王宮の侍女としての暮らしと侵入者?
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「マリアお姉さま、この仕事なんですが……」
「ああ、これね……、こうして、こう、ほら、やってみて、アメリア。」
「あ、ホントだ、出来た。ありがとう。マリアお姉さま!」
マリアが王宮に来て5ヶ月、継母エリザベスの思惑とは別に、マリアは年下の先輩侍女から頼られる存在になっていた。
「ふぅ、王族の方々も、王宮の侍女仲間も、みんな優しい人たちで良かった。これなら静かに暮らして行けそうね。」
親元を離れ、王族の身の回りの事を世話し、仕えるという仕事は、若い令嬢にとって、慣れない上に、不安になる仕事である。そこに現れたマリアは、優しく様々な事を教えてくれる、年の近い母の様な、存在として慕われ、それなりの地位を確立するまでになっていた。
「さ、今日は、第二王子のアドレー様が留学していた隣国から帰られるのよね、粗相の無いようにお部屋の準備をしなくては…」
マリアは、アドレーが部屋に入ったら、すぐに休めるようにと、準備を進めていた……すると、窓から 部屋に入り込む影が……
「な、何者です!ここをアドレー王子の寝室と知っての行いですか?」
「おっと!待ってくれよ、見知らぬ侍女さん。オレは怪しいものでは…」
髪はフードで隠し、口もとはスカーフで覆われている……凛々しく、吸い込まれてしまいそうな青い瞳以外は、どう見ても強盗か、泥棒の姿だ。
「はぁ?何をおっしゃっているのです?窓から入ってきてその格好、それで怪しくない人がいますか?」
「いや、まぁ、……そう言われればそうなんだが…」
「ほら、自分でもそう思うでしょ?だったら、まだ何もしていないし、見てなかった事にしてあげるから、早く出て行きなさい。そうしないと、衛兵に捕まって首をはねられてしまいますよ?」
「ふ、優しいんだね。侍女さんは。」
「もう、そんな無駄口は良いから早く!」
侵入者の背を押して、入ってきた窓から外に出るようにマリアが促していると、ドアから、衛兵が
「何か騒がしい?ここか!」
マリアは驚いて、
「ほら!貴方がさっさと出ていかないから!あ、スミマセン!この人はまだ、何もしていないので、助けてあげてくれませんか?」
マリアは男の頭に手を当て、一緒に衛兵へ頭を下げる。
「王子!何処に行ったかと思えばこんなところに。」
「は?王子?」
「なんだ、見つかってしまったか、帰還の式典の話や親父との謁見の段取りなんて下らない事ばかりで退屈なんだよな…」
「もう、そんなことをおっしゃらないで、さっ戻りますよ。あ、マリアさん、お騒がせしました。」
「あ、あの~王子って…。」
「ん?ああ、初めまして侍女さん、俺はこの国の第二王子、アドレー=エネローワです。」
「は!え?わ、私は5か月前に侍女になりましたマリア=ライオネルと申します。って、王子……す、スミマセン!そうとは知らず……」
「ああ、これね……、こうして、こう、ほら、やってみて、アメリア。」
「あ、ホントだ、出来た。ありがとう。マリアお姉さま!」
マリアが王宮に来て5ヶ月、継母エリザベスの思惑とは別に、マリアは年下の先輩侍女から頼られる存在になっていた。
「ふぅ、王族の方々も、王宮の侍女仲間も、みんな優しい人たちで良かった。これなら静かに暮らして行けそうね。」
親元を離れ、王族の身の回りの事を世話し、仕えるという仕事は、若い令嬢にとって、慣れない上に、不安になる仕事である。そこに現れたマリアは、優しく様々な事を教えてくれる、年の近い母の様な、存在として慕われ、それなりの地位を確立するまでになっていた。
「さ、今日は、第二王子のアドレー様が留学していた隣国から帰られるのよね、粗相の無いようにお部屋の準備をしなくては…」
マリアは、アドレーが部屋に入ったら、すぐに休めるようにと、準備を進めていた……すると、窓から 部屋に入り込む影が……
「な、何者です!ここをアドレー王子の寝室と知っての行いですか?」
「おっと!待ってくれよ、見知らぬ侍女さん。オレは怪しいものでは…」
髪はフードで隠し、口もとはスカーフで覆われている……凛々しく、吸い込まれてしまいそうな青い瞳以外は、どう見ても強盗か、泥棒の姿だ。
「はぁ?何をおっしゃっているのです?窓から入ってきてその格好、それで怪しくない人がいますか?」
「いや、まぁ、……そう言われればそうなんだが…」
「ほら、自分でもそう思うでしょ?だったら、まだ何もしていないし、見てなかった事にしてあげるから、早く出て行きなさい。そうしないと、衛兵に捕まって首をはねられてしまいますよ?」
「ふ、優しいんだね。侍女さんは。」
「もう、そんな無駄口は良いから早く!」
侵入者の背を押して、入ってきた窓から外に出るようにマリアが促していると、ドアから、衛兵が
「何か騒がしい?ここか!」
マリアは驚いて、
「ほら!貴方がさっさと出ていかないから!あ、スミマセン!この人はまだ、何もしていないので、助けてあげてくれませんか?」
マリアは男の頭に手を当て、一緒に衛兵へ頭を下げる。
「王子!何処に行ったかと思えばこんなところに。」
「は?王子?」
「なんだ、見つかってしまったか、帰還の式典の話や親父との謁見の段取りなんて下らない事ばかりで退屈なんだよな…」
「もう、そんなことをおっしゃらないで、さっ戻りますよ。あ、マリアさん、お騒がせしました。」
「あ、あの~王子って…。」
「ん?ああ、初めまして侍女さん、俺はこの国の第二王子、アドレー=エネローワです。」
「は!え?わ、私は5か月前に侍女になりましたマリア=ライオネルと申します。って、王子……す、スミマセン!そうとは知らず……」
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