完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん

文字の大きさ
12 / 35

第十一話 アドレー王子の調べもの……

しおりを挟む
マリアは、アドレー王子の朝の支度を手伝い、食事を終えると、アドレー王子に付き従い、書庫へと向かった。

「ふぅ、あまり使ってないのか?」

周りのホコリをはらいながら、アドレー王子が呟く

「す、すみません、定期的に掃除をしていたのですが……」

「ん?かまわんさ、汚いからではなく、立派な書庫があるのだから、活用していないのは、もったいないと思ってね。」

「そうですね。王宮の書庫となると、貴重な物もありそうですし…。」

「そうだな、基本的に、この国で出回っているものはもちろん、禁断の魔法書や、錬金術の本なんかもあるぞ。」

「き、禁断……そんなものがあるからな入るのに許可が必要で入れないからとか……」

「いや、そういうものは、この部屋の奥にある、封印された扉の先だからそうでもないぞ?」

「え、いや……そういうのって、秘匿事項とかでは?」

「ああ、そうだった………。マリア!誰にも話すなよ!」

アドレー王子が真剣な眼差しでマリアを見つめる。

「って、そう言うことは先に言ってください!」

「ハハハハハハハ。悪かった悪かった。」

アドレー王子が、マリアの頭をぽんぽんとする。 

「も~、お願いします。」

「さて、おふざけはここまでにして……奥の部屋へ入る。」

「へ?許可とか……」

「ああ、昨日父には言ってある。さてっ、」

アドレー王子はマリアの前で、テキパキと封印を解き、扉を開いた。

「あ!」

「ど、どうしました?殿下!」

「封印の解き方は見ないように。」

「だから、それを先に言って下ださい!」

「ハハハハハハハ!!」

「笑っても誤魔化されませんからね。」

「ごめん、ごめん、さて、ん~」

アドレーはズラリと並んだ本を調べ、一冊の歴史書を取り出し、手に取る。

「ふむ、………やはりな。」

アドレー王子は、さっと歴史書を元の場所に戻すと再度封印を施し、書庫の机に向かい、手紙を書き始めた。

「マリア、後でこれを出しておいてくれないか?」

「かしこまりました。」

「よし、でだ、マリア!」

「はい。」

アドレー王子は真面目な顔でマリアに向き直ると、

「今から考えを整理するために色々と語るが、おかしいと思ったら指摘してほしい。」

「わ、わかりました。」

「ん、では、今から約三百年前、この国の国教である、ザスベエリ真教会が誕生し、制定された。」

「そうです。私もそう教わっています。」

「そうだな、皆そう教育されている。そして、その教えが誕生するきっかけは、その二十年前までさかのぼるんだ。」

「はい。」



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います

黒木 楓
恋愛
 伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。  異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。  そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。 「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」  そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。 「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」  飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。  これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。

婚約者の王子が危険すぎるから、奪おうと目論んでいた妹に譲ります

黒木 楓
恋愛
公爵令嬢ミレイユは第二王子フルディと婚約することが決まるも、フルディは危険だった。 フルディは自分の兄を失墜させる為なら手段を選ばず、その手段に迫ってくる女性を使う。 それによってミレイユは周囲から魅力がないと噂されるも、それは我慢できた。 危機を助けて警告するも自分が正しいと言い張るフルディ、そしてフルディを奪うと妹が告げたことで、ミレイユは限界がくる。 妹に賛同している両親、今まで助けることで最悪の事態を回避していたフルディ殿下のことなんて、もう知らない。 フルディ殿下が危険だと知って1人で生きる準備していたミレイユは、国を捨てることを決意した。

妹と違って無能な姉だと蔑まれてきましたが、実際は逆でした

黒木 楓
恋愛
 魔力が優れていた公爵令嬢の姉妹は、どちらかが次の聖女になることが決まっていた。  新たな聖女に妹のセローナが選ばれ、私シャロンは無能な姉だと貴族や王子達に蔑まれている。  傍に私が居たからこそセローナは活躍できているも、セローナは全て自分の手柄にしていた。  私の力によるものだとバレないよう、セローナは婚約者となった王子を利用して私を貶めてくる。  その結果――私は幽閉されることとなっていた。  幽閉されて数日後、ある魔道具が完成して、それによって真実が発覚する。  セローナが聖女に相応しくないと発覚するも、聖女の力を継承したから手遅れらしい。  幽閉しておいてセローナに協力して欲しいと私に貴族達が頼み始めるけど、協力する気は一切なかった。

見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました

黒木 楓
恋愛
 モルドーラ国には2人の聖女が居て、聖女の私シーファは先輩聖女サリナによって地味な見た目のままでいるよう命令されていた。  先輩に合わせるべきだと言われた私は力を抑えながら聖女活動をしていると、ある日国王に呼び出しを受けてしまう。  国王から「聖女は2人も必要ないようだ」と言われ、モルドーラ国は私を追い出すことに決めたらしい。   どうやらこれはサリナの計画通りのようで、私は国を出て住む場所を探そうとしていると、ゼスタと名乗る人に出会う。  ゼスタの提案を受けて聖女が居ない隣国の聖女になることを決めた私は、本来の見た目で本来の力を使うことを決意した。  その後、どうやら聖女を2人用意したのはモルドーラ国に危機が迫っていたからだと知るも、それに関しては残ったサリナがなんとかするでしょう。

婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません

黒木 楓
恋愛
 子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。  激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。  婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。  婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。  翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。

「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い

腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。 お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。 当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。 彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。

必要ないと言われたので、元の日常に戻ります

黒木 楓
恋愛
 私エレナは、3年間城で新たな聖女として暮らすも、突如「聖女は必要ない」と言われてしまう。  前の聖女の人は必死にルドロス国に加護を与えていたようで、私は魔力があるから問題なく加護を与えていた。  その違いから、「もう加護がなくても大丈夫だ」と思われたようで、私を追い出したいらしい。  森の中にある家で暮らしていた私は元の日常に戻り、国の異変を確認しながら過ごすことにする。  数日後――私の忠告通り、加護を失ったルドロス国は凶暴なモンスターによる被害を受け始める。  そして「助けてくれ」と城に居た人が何度も頼みに来るけど、私は動く気がなかった。

愛せないですか。それなら別れましょう

黒木 楓
恋愛
「俺はお前を愛せないが、王妃にはしてやろう」  婚約者バラド王子の発言に、 侯爵令嬢フロンは唖然としてしまう。  バラド王子は、フロンよりも平民のラミカを愛している。  そしてフロンはこれから王妃となり、側妃となるラミカに従わなければならない。  王子の命令を聞き、フロンは我慢の限界がきた。 「愛せないですか。それなら別れましょう」  この時バラド王子は、ラミカの本性を知らなかった。

処理中です...