完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!

仰木 あん

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第二十四話 目覚め

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目が覚めるとまず身体の変化に驚いた。なんカ月ぶりだろうか、最近は植木鉢の効果もありスッキリ目覚めていたはずなのに、今朝はなんだか様子が違う。

心もなぜか幸福感に包まれており、…………

「ってここは?あ!アドレー様は!アドレー様!アドレー様!」

マリアが大声をだして、取り乱していると、

「どうしたマリア!大丈夫か!エーファの婆さんに何かされたのか!」

「これ、誰が婆さんじゃ!お・ね・え・さ・ん・じゃ!」

エーファが杖でアドレーの頭を小突くが、アドレーはそんな事を気にしないで、マリアの手をとって、

「マリア!大丈夫か?君が気を失って、イデアルがエーファなら癒せるとは言われたから私は走って、……そうだ!マリアのおかげで傷はふさがったよ、あと、あと………」

「これ、そんなに一気に話したら伝わるものも伝わらんじゃろ。」

「あ、ああ、そうだな………ふぅ、マリア、体調は大丈夫か?」

「は、はい、身体が何かおかしな感じですけど、悪い事ではなくて………元気です。」

マリアは爽やかな笑顔で応える。 

「そ、そうか……良かった。……そうだ!マリアのおかげで傷はふさがったよ。何より、ありがとう。」

「いえ、アドレー様を救えて良かったです。……でも、もうあんな無茶はしないでください!私は……アドレー様を失ったら……。」

笑顔から泣き顔になる。 

「す、すまなかった。もう君を悲しませるような無茶はしない、誓うよ!」 

「本当ですよ。」

今度は怒った顔だ。 

「マリア、心から君に伝えたい……愛している。」

マリアは顔を真っ赤にして恥ずかしがる。

「あ、ありがとうございます。私もアドレー様をお慕いしております。」

今度はもじもじして、恥じらいのか顔だ。 

「よし!では帰ったら結婚式だな!」

「は?へ?何をおっしゃっているのですか?」

「何って、私が死にかけていたときに良いと言ったじゃないか?」

「わ、私がそんなことを?あの時は一生懸命で何を言ったかなんて………って、何よりももう知られたとは思いますが、私はドルイダスですよ。」

「ああ、だから私はいま生きている。」

「だ・か・ら・私はドルイダスなんですよ?異端者なんですよ?」

「ああ、でも、君が寝ている間にエーファから昔話を聞いたよ。だから、それを父上に話せば良い!マリア、君を守る為なら何でもする!………それでも受け入れられなかったら、一緒に国を出ないか?」

「え?王子ではなくなってしまいますよ?何なら国賊ですよ?」

「そんなことは関係ない!君と生きていけるら……でも、君の実家が気になるか?両親の事とか……。」

マリアは考えこんだ。

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