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第二十三話 走る、アドレー!

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どのくらいの時間が経っただろうか、アドレーの傷口はすっかり塞がり、アドレーの顔に精気が戻る。 

「こ、これで、大丈夫ですね………。」

今度はマリアがアドレーに倒れ込み、意識を失った。 

「マ、マリア!」

『大丈夫です。疲れて眠っているだけですから。』

アドレーの頭に声が響く!

「あなたは?」

『私はイデアル。マナを司るものです。もう気付いているとは思いますが、マリアはドルイダスです。あなたの命を救った、彼女をよろしくお願いいたしますね。』

「は、はい!絶対に守り抜きます!」

アドレーは、イデアルの巨木に向かって宣言した。

『………もう、私の声が……と……ど……かなくなります……ネネン……で……マリアを……休ませて……あげてください……エーファなら、彼女を癒せますから……』

「はい!分かりました!すぐに村まで連れて帰ります!」

マナの光で包まれ、怪我の治ったアドレーは、マリアを抱き上げると、ネネンの村まで走り出す! 

「そうか……マリア、君はやっぱりドルイダスだったんだね……。」

気を失い、疲れて眠っているようなマリアにアドレーは語りかける。

「絶対に君を守るからね。」

マリアを抱え、森の中をアドレーは走り抜け、遺跡までかかった時間の半分もかけずに、ネネンの村に到着する! 

アドレーは息を切らせながらエーファを探す。

「婆さん!婆さん!マリアが!」

アドレーの大声が村に響き渡り、エーファが何事かと、姿をあらわす。

「な、なんじゃ?あわてて帰って来おって?」

エーファのところまでアドレーはマリアを抱えて駆け寄り、エーファにマリアを見せる。 

「ほう?……マナの力を使いすぎたようだね……慣れもしないのに無茶な事をしおって……何か、大変なことがあったんだね。」

「ああ、光が集まっておれがフワァ~ってなって傷が治った!」

アドレーは自分の身に起こった事を説明しようとするが、考えが纏まらない。

「ふぉ、ふぉ、それじゃ何を行っているのかは分からんが、マリアの様子とお前の事をみれば分かったよ……。ご苦労様。マリアをわしの家まで運んでおくれ。」

「分かった。」

アドレーはマリアをエーファの家のベッドに寝かすと、 

「さ、マリアの手当てをするからあんたは席を外しな。」

「ああ、………マリアを頼んだぞ……姉さん。」

「ふん、分かっとるわい!」

エーファはマリアに向き直ると、マリアの治療を始めた。
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