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第二十二話 襲撃者

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「アドレー様、誰か外にいるようです。」

イデアルからマリア達以外の存在を知らされ、すぐにアドレーに伝えた。

「は?こんなところにか?気のせいじゃないのか?」

「いえ、いるんです!」

「ん~、マリアがそういうなら、気を付けて外に出るか。」

アドレー王子が、外に出た刹那!

それは一瞬の出来事だった…… 

「ふ、悪いな。」

全身黒ずくめの顔を覆面で隠した人物がアドレー王子へと剣を突き刺さす!

「ぐぁ!」

アドレーは堪らず声をあげる。

「な、なに!何故だ!」

しかし、暗殺者の剣はアドレーの心臓をそれて、左肩へと突き刺さっていた! 

「はっ、はっ、……」

アドレーは息を荒くして、肩をおさえながら、 

「私には優秀な侍女がいるからね。」

「く、俺が初手を外すなんて、絶対に気付かれるはずは……。」

「それが分かったんだよ!」

アドレーは自らの剣を右手に持つと、暗殺者めがけて切りかかる! 

「くっ!怪我をしていて、この動きか!」

「アドレー様!」

「マリア、君は下がっていてくれ。」

「で、でも、」

「いいから!自分の身を守るんだ!」

アドレーとマリアが話す間にも、暗殺者とアドレーの戦いは続く! 

「な、何故だ!何故、怪我人のお前と私が互角なんだ!ゆ、許せん、こうなったら!」

暗殺者は懐から巻物を取り出すと、なにやら魔法を発動させる! 

とたんに、アドレーの足元がぬかるみ、足をとられる! 

「死ね!」

暗殺者の剣がアドレーの腹部に突き刺さり、アドレーが膝をつく! 

「ば、バカな………。」

しかし、アドレーの剣は暗殺者の胸を貫いており、暗殺者は絶命したのだった。

「アドレー様!」

マリアはアドレーに駆け寄り、傷口をおさえる。

「マ、マリアか?無事か?怪我はないか?……。」

「はい、私は怪我ひとつありません。」

「そ、そうか……良かった。せめて、君だけでも守ることが出来て……。」

「し、喋らないで下さい。」

「マリアと共に生きたかったなぁ……。」

「はい、分かりました。何でも言う通りにしますから今は喋らないでください。」

「ほ、本当か?帰ったら婚約なんて省いて結婚だぞ………。」

『マリア、落ち着きなさい。』

「イデアルさん?」

『私が力を貸します。貴女はマナを集める事に集中しなさい。』

「は、はい!」

「マリア、だ、誰と話をしているんだ?」

次の瞬間、アドレーとマリアはマナの光に包まれ、光輝く!!

「くっ………!お願い、治って!」

「マリア?…………ん?」

『アドレー、少し黙ってマリアに身を任せるのです。』

「へ?は、はい!ひ、光が……。」

マリアを通して、アドレーにもイデアルの声が伝わるほど濃いマナの中治療が続くのでした。
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