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第十三話 魔物討伐演習!
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お祝いの会から数日、ローラは魔物の住む森に来ていた。魔法学園の演習目的の、この遠征は、生徒の意識改革と魔物討伐をメインとした取り組みで、ローラが学園長と検討し、実現したものだった。
「学園長、今日は演習まで出向いて頂き、ありがとうございます。」
「いえ、そんな、止めて下さいローラ様、国家事業の一端、しかも、初の試みですからね。今日は、雲一つ無い晴天ですし、絶好の実地訓練日和ですね。」
ロ、ローラ様?……揉みてまでして、私に媚を売っているのが見え見えね………。
「そうですね。……でも、気にかかる事があるのですが、非戦闘員が、いるようですが、どうしてですか?私は、今回は決して失敗できないので、回復役も、ある程度の戦闘能力のあるものと、お願いしたと思うのですが?」
「いえ、あちらの方々は、学園に多大な寄付を頂いている保護者の方でして、そちらからの要望で、仕方なく……。大変申し訳ありません。」
「その件に関しては、私は反対したと思うのですが?中には妊婦までいますよね。」
「あ、そ、そうなんですよね。グレース様の親御さんには、学園一の寄付を頂いているので、どうしてもと、言われたら断れなかったもので……すみません。」
ローラは大きな溜め息をつく。
「はぁ~~、グレースもグレースですが、学園長も何かあったら責任を持って、彼らをお守りして下さいね。」
「ええ、それはもちろん。」
ブツブツと愚痴は出てくるが、ここまで来てしまったものはしょうがないので、非戦闘員の守りは学園長に一任して、ローラは魔物の森を睨む。
そうは言っても、私もそれほど強くはないのよね、回復魔法は、今回の作戦参加者の、130人中20位、戦闘能力はだいたい、100位………まあ、後方支援よね。回復魔法は得意ではあるけれど、私の今回する仕事は、生徒の能力の確認と、作戦成功の為に周りをしっかり確認して、………って、何で私が司令官なの?
まぁ、小隊がそれぞれ自由に森を進んで弱い魔物を倒すだけの簡単な訓練ではあるけれど、油断は禁物よね。
「ローラ、大丈夫か?」
「ええ、ありがとう。ヘンリー、部隊は別々だけれど、無理せずにね。」
「ああ、分かっているよ。この森の魔物は比較的弱いから、そう恐れる事もないだろうが、油断はしないさ。」
「分かっているなら良いわ。今回は訓練って言っても、デモンストレーションの意味合いが大きいから適当に弱い魔物を狩れば良いわ。」
「グレースに良いところ見せるために、大きいのも狙いたいけどな。」
「ダメよ!」
「はい、わかりました。」
こうして魔物討伐の実地訓練が始まった。
「学園長、今日は演習まで出向いて頂き、ありがとうございます。」
「いえ、そんな、止めて下さいローラ様、国家事業の一端、しかも、初の試みですからね。今日は、雲一つ無い晴天ですし、絶好の実地訓練日和ですね。」
ロ、ローラ様?……揉みてまでして、私に媚を売っているのが見え見えね………。
「そうですね。……でも、気にかかる事があるのですが、非戦闘員が、いるようですが、どうしてですか?私は、今回は決して失敗できないので、回復役も、ある程度の戦闘能力のあるものと、お願いしたと思うのですが?」
「いえ、あちらの方々は、学園に多大な寄付を頂いている保護者の方でして、そちらからの要望で、仕方なく……。大変申し訳ありません。」
「その件に関しては、私は反対したと思うのですが?中には妊婦までいますよね。」
「あ、そ、そうなんですよね。グレース様の親御さんには、学園一の寄付を頂いているので、どうしてもと、言われたら断れなかったもので……すみません。」
ローラは大きな溜め息をつく。
「はぁ~~、グレースもグレースですが、学園長も何かあったら責任を持って、彼らをお守りして下さいね。」
「ええ、それはもちろん。」
ブツブツと愚痴は出てくるが、ここまで来てしまったものはしょうがないので、非戦闘員の守りは学園長に一任して、ローラは魔物の森を睨む。
そうは言っても、私もそれほど強くはないのよね、回復魔法は、今回の作戦参加者の、130人中20位、戦闘能力はだいたい、100位………まあ、後方支援よね。回復魔法は得意ではあるけれど、私の今回する仕事は、生徒の能力の確認と、作戦成功の為に周りをしっかり確認して、………って、何で私が司令官なの?
まぁ、小隊がそれぞれ自由に森を進んで弱い魔物を倒すだけの簡単な訓練ではあるけれど、油断は禁物よね。
「ローラ、大丈夫か?」
「ええ、ありがとう。ヘンリー、部隊は別々だけれど、無理せずにね。」
「ああ、分かっているよ。この森の魔物は比較的弱いから、そう恐れる事もないだろうが、油断はしないさ。」
「分かっているなら良いわ。今回は訓練って言っても、デモンストレーションの意味合いが大きいから適当に弱い魔物を狩れば良いわ。」
「グレースに良いところ見せるために、大きいのも狙いたいけどな。」
「ダメよ!」
「はい、わかりました。」
こうして魔物討伐の実地訓練が始まった。
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