BOYS❸

aika

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♡『従兄弟』(SIDE 渡里 優羽)

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~~~~登場人物~~~~

♡渡里 優羽(わたり ゆう) 24歳 

道原鍼灸整骨院で働いている、鍼灸師。
学生時代のあだ名は「王子」。
色素の薄い茶色のサラサラヘア、整った顔立ち、王子様のようなキラキラした見た目。
緑色の瞳が綺麗で、神秘的な印象。真面目で融通が効かないところがある。
恋人の相原への気持ちが冷め、幼馴染の仁への想いに気付き告白した。


♡沢渡  冬磨(さわたり とうま)22歳

仁の従兄弟。顔や雰囲気が仁と似ている。
サイドが長めの赤髪、 長身でガタイが良く目立つ。テニスの選手。海外に行っていることが多く、語学堪能。
荒っぽい喋り方で誤解されやすいが、根が優しく面倒見が良い、頼りになる男。



♡相原 拓也(あいはら たくや) 27歳 

道原鍼灸整骨院の若き院長。優羽の恋人。
仕事に厳しく、優秀、硬派でモテる。タレ目で甘いマスクだが、目力があり、芯が強い。


♤沢渡 仁(さわたり じん) 25歳 

ロックバンドSAWのドラマー。ワイルド系。筋肉質、高身長。グレーの短髪。
無口でクールな印象だが、心は優しく面倒見が良い。
同じバンドの蛍と一緒に暮らしており、恋人になったばかり。
幼なじみの渡里優羽を、子どもの頃からずっと一途に想っていたが、蛍の気持ちに答えようとケジメをつけた。



~~~~~~~~~~


♡『従兄弟』(SIDE 渡里 優羽)


「よお、暗い顔してどうした?」

夜風にあたろうとベランダに出たら、向かい側にある仁の部屋から声が飛んできて驚いた。

「もしかして・・・冬磨とうま君・・・?」

「久しぶりだな、優羽ゆう。」


じんの従兄弟の、沢渡さわたり 冬磨とうま
プロのテニス選手として活躍していると、仁のお母さんからよく話は聞いている。
確か歳は僕たちの2つ下だったはずだ。

「何年振りかな、随分大人っぽくなってて全然わからなかった。」

高校生の頃までは、彼がちょくちょく遊びに来ていた記憶がある。
よく一緒に遊んだり勉強したりしたものだった。

「優羽は、全然変わんねぇな。」


冬磨君は、仁にとても似ている。
数年振りに会った彼は、学生時代とはまるで別人のように大人びていた。

がっしりとした骨格や筋肉は、見るからにスポーツ選手という風体で迫力がある。
精悍な顔立ち、荒っぽい口調、少年っぽさが残る悪戯な瞳は、鋭く危険な男の雰囲気を併せ持っている。
アンバランスな彼の魅力に、目をひく派手な赤髪がよく似合っていた。

「プロ選手なんて、すごいよね。」

「優羽もプロの鍼灸師しんきゅうしだろ。仁からよく話聞いてる。」

彼は昔から、仁と仲が良い。

仁が僕のことを彼にどう話しているのか、けい君とのことは聞いてるのか、とあれこれ気になったけれど思考を止める。今は何を考えるにもエネルギーが足りなかった。

拓也たくやさんとの関係は、保留にしたままだ。
別れるという決定的な言葉を言い出せず黙り込む僕に、彼はしばらく距離を置こうと提案してくれた。

仁には一方的に告白したきりで、その後連絡していない。
今は何もかもが、中途半端なままだった。


「なぁ、そっち行っていい?」

「え?」

「優羽の部屋。」

僕の方を指さして笑った冬磨君に、ぎゅっと胸が苦しくなる。
その顔が、あまりに仁と似ていたから。



♢♢♢


「俺、お前のこと好きだったんだけど、気付いてた?」

「え?」

冬磨君が急に予想もしなかったことを言ったので、僕は間の抜けた声をあげてしまった。

「だよな、お前鈍感だもんな。」

僕より二つも年下だというのに、彼にはまるで遠慮がない。
学生時代から当然のように僕を呼び捨てにしていたけれど、今や「お前」呼びだ。

数年振りに会った彼が見た目ほど変わっていないことに、僕は少しホッとしていた。


「鈍感・・・ってよく言われる。」

「そういうとこが、可愛いんだけど。」

ガシガシと乱暴に頭を撫でてくる彼に、いよいよどちらが年上かわからなくなってくる。

「ちょっと、揶揄からかうのやめてよね。」

頭を撫で回す彼の手を取り制止すると、ふと真剣な顔で見つめられてドクンと胸が高鳴った。

「冬磨・・・くん、」

仁に見つめられているみたいだ。
意志の強さを感じさせる強い瞳、がっしりとした大きな身体。


「お前、今付き合ってる奴いんの?」

「・・・・いるよ。」

もう好きじゃない人だけれど、という言葉は飲み込んだ。

あれほど好きで夢中だった恋人が、今では一番遠い人に思える。
悲しくて苦しくて申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、それでも前に進む勇気がない自分が情けない。


「そいつと別れて、俺と付き合わねぇ?」

理屈も順序も、あったものではない。
あまりに突飛で大胆な彼の発言に、僕はまた間の抜けた声をあげてしまった。


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