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帰れないハプニング

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食料を調達していざ帰ろうとした瞬間、突然スコールのような雨が降り出した。

「この天気の中帰るのは危険だから、一泊して様子を見ようか。」

浜名も梶原もこの世界の居心地の良さに魅せられ、もう少し探検したいと言い出していたので、仲の提案は満場一致で可決される。

「何もない世界から来ると、街があるってだけで気分上がるよなぁ。」
浜名は修学旅行を楽しむ学生のようだ。あちこち見て周り、テンションが高い。
梶原も古道具屋などを見て周り、欲しいものを調達できたようだった。

「それにしてもどうやってこの世界のお金を手に入れたんだ?」

浜名が不思議そうに尋ねる。

「どんな世界も交渉ひとつだよ。彼らが持っていないものを与えれば良いだけ。」

なかは涼しい顔で意味深なセリフを吐いた。



ホテルと言えるような豪華な作りではないけれど、なんとかその日の寝床を確保することが出来た。
四人部屋で、二段ベッドが二つある小さな空間。

「明日晴れたら、なるべく早めに元の場所へ戻ろう。トンネルに入ってから3日経っても戻らなければ他のエージェントが捜索に来ることになっているから、3日以内には戻らなきゃね。」

この世界から出るのは惜しいけど。そう思っているような言い方だった。


浜名と梶原は二段ベッドの上の段、私と詠司は下の段でそれぞれ眠ることになる。ミッションで誰かと同じ部屋で眠ることは多々あったけれど、イケメン3人と同じ部屋で眠るのは、それなりにワクワクドキドキの経験になりそうだ。

私は興奮してしまいなかなか寝付けなかった。

生まれて初めての女の悦び。この数日で何度も味わってしまったのでその余韻が身体に残っている。
たっちゃんに優しく触られた感覚・・・高野に与えられた絶頂の高揚感・・・。


「眠れないの?」

何度も寝返りを打っていると、隣のベッドで横になっている詠司が話しかけてきた。


(クールなイケメンは、ベッドでもクールなのかな・・・・?)

横たわる詠司を見て、彼はエッチの時どんな顔を見せるのだろう?と妄想する。


「なんだか寝付けなくて・・」

上の段の二人は既に眠ってしまっているようだ。スースーと可愛い寝息が聞こえていた。


「俺が眠れるようにしてあげようか。」

「な・・・詠司・・・?!」

彼が私の布団に入り込んでくる。


「二人が起きちゃうから、静かにね。出来る?」

唇の前に人差し指を立てて静かにと促す彼のクールな表情に、私は鼻血が出そうになりながら見惚れていた。


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