悪の組織のイケメンたちに捕まったのですが、全員から愛されてしまったようです。

aika

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拷問・・・?

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「ユミちゃん、おはよう~、って、なにこの部屋。またすげぇ豪華になってね?」

大我たいがは、部屋に入るなりキョロキョロと周りを見回した。
この部屋は、毎日明らかに物が増えている。


「これは千畝ちうねさん?あの人、メガネの置き場所にめちゃくちゃこだわり強いんだよなぁ。」

千畝が持ち込んだベッドサイドテーブルは、誰が見てもすぐにピンとくるらしい。

完爾かんじ楓馬ふうまは、この部屋にペットがいたらもっとなごむんじゃないかと提案してきたが、彼らは私が人質であることをもはや忘れているのでは、と内心突っ込まずにはいられなかった。

(この人たち、本当に悪者なの・・・・?)

この部屋を少しでも居心地の良いものにしようとしてくれるのは嬉しいけれど、監禁部屋をカスタマイズすることに夢中になりすぎてはいないだろうか。



「つか、これ何よ?絶対ぇそうさんが持ち込んだよな、これ?」

ソファーの奥のスペースに、どんと置かれた無機質なベッド。

「そうです。これは宗さんが、持ってきた診察台です・・・・。」

(と言うか・・・拷問台・・・・?)


宗は毒物を使った拷問が、得意らしい。
病院の診察台のような白く無機質なベッドの上にターゲットを寝かせて、身体検査をした挙句少しずつ痛ぶるのが好きなのだと、伊吹いぶきが教えてくれた。


「おいおいおい、何考えてんだ?あの人。」

自分のパートナーのことくらい、なんとか管理しておいてほしい。
私は恨めしい目で、大我君を見た。


「あれ?大我君、ここにいたんだ。まさか朝から二人でいやらしい話をしていたわけじゃないよね?イチャイチャ禁止だよ?」

噂をすれば。
宗が爽やかな笑みを浮かべながら、私の朝食を持って入室してくる。


「はい。栄養バランス最高の朝食。」

テーブルの上に置かれた朝食を見ながら、ごくりと息を飲んだ。

(美味しそうだけど、毒入ってないよね・・・?)


朝食当番が宗の場合は、毒が入っていないか気になって食べる覚悟がなかなか出来ない。

「宗さん、まさか毒入ってねぇよなぁ?」

同じことを想像したらしい大我がフォークでオムレツをつついて、一口食べた。


「あ!大我君。もう・・・俺の恋人の朝食を横取りしちゃあダメでしょう。」

「はぁ?いつからユミちゃんが、アンタの恋人になったんだよ?」

「今夜だよ。今夜、俺とユミはこの部屋で一夜を共にするんだよ?良い大人の男と女が、二人きり。何も起きないわけ、ないでしょう。」

「いや、俺ももう一夜共にしてっから。大体ユミちゃんは宗さんのこと好きなんて一言も言ってねぇじゃん。」

「え?好きだよね・・・・?ユミ。」

(怖い怖い怖い・・・・!無言の圧力。爽やか過ぎる笑顔が逆に怖い・・・・!)

「えっと・・ぉ・・・・」

「こういうはっきりしないところが、たまきずだけど。まぁ、俺は白状させるのが専門だから、今夜にはかたくでしょう。」


(え・・・?自白剤で拷問・・・・・?何されるの私・・・?)

自分の命が危ぶまれて、急に冷や汗が出てくる。
宗の目は、至って真剣そのものだ。


「今夜は、たくさん愛し合おうね。俺のユミ。」

「はぁ?宗さん、俺のユミちゃんに手ぇ出すなら、相手がアンタでも容赦しねぇよ?」


イケメン二人がギャアギャア言い合う中で、私は自分の命が今夜までかもしれないと十字を切った。






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