33 / 63
大我の身体
しおりを挟む「なぁ、今夜一緒に風呂に入らねぇ?」
大我の突然の申し出に、私の頭はフリーズしていた。
「え・・?た、大我君、どうしたの急に・・・?」
(ゆ、夢じゃないよね・・・?!お風呂・・・?!一緒にって・・私と大我君、二人で・・・?!)
目の前の黒髪ワンレン色男が、同じバスタブに入って、裸で私を抱きしめる。
お湯の中で、彼の肉棒がぬるりと私の中へ入り込んで、水音と喘ぎ声がバスルームにいやらしく響く。
そんな妄想を一瞬にして浮かべた私は、かなりの欲求不満なのかもしれない。
「風呂の中までは監視カメラついてねぇし、俺らが二人きりになれるのって、そこだけだろ。」
一緒にお風呂=いやらしい意味ではないと、彼は主張したいようだった。
(いやらしい意味で、全然OKなんですけど・・・?!)
「泡風呂にして見えねぇようにするし、ユミちゃんが先に湯船に入って、俺が後から入れば大丈夫だろ?」
私が恥ずかしくないようにと、気遣ってくれる彼の優しさに、私は感動していた。
大我君の裸見放題?!と盛大に喜んだ自分が、恥ずかしい。
(この超絶イケメンと同じバスタブに浸かれるなんて・・・・寿命100年くらい延びそう・・・♡)
私はこの組織に捕まったことを、心の底から神に感謝したい気持ちだった。
♢♢♢
「いいか?入るぞ?」
何度も確認してからバスルームに入ってきた彼は、シャワーを浴びて身体と髪を洗っている。
私はというと、彼の身体を見ないように、自分の欲求を自制することに苦労していた。
生まれつき、意志は弱い方だ。
薄目を開けて、彼の肉体美を盗み見る。
湯気の向こう側に、彼の背中がチラリと見えた。
それだけで鼻血が出そうになるほど、イケメンの肉体美は強烈だ。
一眼で、鍛えられているとわかる、引き締まった筋肉。
腰にかけてのラインが卑猥すぎて、ぎゅっと目を閉じた。
(み、見ちゃった・・・・!大我君の身体・・・・!?)
正確には背中から腰にかけてのラインしか見ていないが、あとは得意の妄想力で補う。
「入るぞ・・?」
「は・・・はい・・・・!」
一気に湯船のお湯が増え、私は浮遊感にキャッと小さく悲鳴をあげる。
彼が笑いながら、抱き止めてくれた。
「ははっ、悪い。びっくりしたよな?」
目を開けると濡れたボブヘアを爽やかにかき上げる、イケメンの笑顔。
(なに・・・?!ここ・・・天国・・・・?!)
まさに天国と呼ぶにふさわしい光景。
泡風呂に浸かる彼が、こちらを見て照れたように笑う。
「やっと・・二人きりになれたな。」
「大我君・・・・」
(近い近い・・・!これ以上は、私の理性が持ちません・・・・っ!!)
心の中で歓喜の悲鳴を上げながら、目の前のイケメンを見つめる。
「監視カメラで見られてると、せいぜいキスくらいしかできないだろ?もっと・・お前に触れたくてたまらないのに。」
(それって・・・・キス以上のこと、シたいって意味ですかぁ・・・・?!)
中学生並みのウブな反応をしている私は、実際にはいい歳したイタイ女だ。
誰からも相手にされなかった私を、こんなイケメンが欲してくれているなんて未だに信じられない。
「大雅く・・・ん・・・っ」
唇が重なる。
「ユミ、俺は本気でお前が好きだ。誰にも渡したくない。」
私の身体を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめる腕の力強さ。
(わ・・・っ・・・あ、あたってるんですけど・・・・っえ、嘘これって・・・?!)
太ももにあたる、硬いモノ。
その感触に、私の興奮は一気にヒートアップする。
若くてたくましい、美しすぎる大雅の肉体。
「・・・っ?!ユミ、おい、大丈夫か・・・!?」
大雅の慌てた声が、少しずつ遠ざかっていく。
生暖かい液体が唇の上を伝っていくのを感じながら、私は幸せの絶頂の中で意識を手放してしまった。
♢♢♢
「男の裸を見て鼻血出すって・・・大雅君の身体は、そんなに魅力的だったんだ?」
目を覚ますと、黒髪サラサラヘアが、私の頭の上にちらついて見えた。
「宗さん・・・・?あれ、私・・・大雅君は・・・?!」
ガバッと起き上がると、身体に力が入らず、ぐるぐると視界が回るので慌てて目を閉じる。
「身体がおさまりつかないから、頭冷やしてくるって出て行ったよ。」
(おさまりつかないって・・・・あの、太ももにあたってた・・・・アレのことだよね・・・?)
思い出したらまたドキドキして、鼻血が吹き出そうになる。
「好きな女と風呂に入ったりしたら、おさまりつかなくもなるよな。・・・わかるだろ?男の身体のことは。」
「そ、宗さん・・・っ?」
彼は、ベッドに寝転ぶ私を見下ろしながら、こちらへすっと手を伸ばす。
「俺がこの前、じっくり教えてやっただろ?」
綺麗な指が、私の鎖骨を撫で、バスローブの胸元までゆっくりと下りてきた。
毒物による拷問を得意とするこの男は、その危険な中身とは裏腹に、見た目がひどく美しい。
「大雅君は、お前に本気みたいだから・・俺もそろそろ本気出さなきゃね。」
この世のどんな美女でさえ一瞬に落としてしまえるだろう。
彼の美しい微笑み。
本性を知っているというのに、いつだって騙されそうになる。
「まずは、その鼻血さっさと止めてくれる?」
嫌悪感剥き出しの声で、彼はそう冷たく言い放った。
2
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!
不埒な社長と熱い一夜を過ごしたら、溺愛沼に堕とされました
加地アヤメ
恋愛
カフェの新規開発を担当する三十歳の真白。仕事は充実しているし、今更恋愛をするのもいろいろと面倒くさい。気付けばすっかり、おひとり様生活を満喫していた。そんなある日、仕事相手のイケメン社長・八子と脳が溶けるような濃密な一夜を経験してしまう。色恋に長けていそうな極上のモテ男とのあり得ない事態に、きっとワンナイトの遊びだろうとサクッと脳内消去するはずが……真摯な告白と容赦ないアプローチで大人の恋に強制参加!? 「俺が本気だってこと、まだ分からない?」不埒で一途なイケメン社長と、恋愛脳退化中の残念OLの蕩けるまじラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる