悪の組織のイケメンたちに捕まったのですが、全員から愛されてしまったようです。

aika

文字の大きさ
51 / 63

年下彼氏

しおりを挟む


「ユミさん・・・俺、まだ・・・心の準備が・・・・出来てなくて・・・っ」

穂高ほだかと「恋人」として過ごす、初めての夜。
ベッドに入った彼は、震える声でそう切り出した。

私が彼を取って食うと思っているのだろうか?と、思わず本気で不安になるほど、彼は距離を取っている。


「心の・・・準備・・・?」

「み・・・みだらな・・・行為は・・・・したことないから・・・・・」

淫ら、という言葉を口にするだけで、彼の顔はみるみるうちに赤く染まっていく。
若くウブな彼に、淫らな行為を強要する大人だと、私は思われているわけね・・と、ショックを受けた。


「私と穂高君は、今日恋人になったばかりだよ・・?関係を急いで進める必要は、ないんじゃないかな・・?」

うつむいて顔を赤くしていた彼が、私の言葉に驚いたように、顔を上げる。


「だって・・・恋人になったらユミさんがすぐ求めてくるから、ちょ・・調教・・・?しないと、即振られるって・・・・聞いたから・・・」

(な・・・っ・・・・そうの野郎・・・・こんなウブな子に、何吹き込んでくれてんのぉ・・・?!)

誰から聞いたの?と問いただすまでもなく、犯人の顔が頭に浮かぶ。


(確かに、大我君や宗さんとは、即日ベッドインしましたけど・・・・・!!宗さんには即日変態行為を強いられましたけど・・・・!!)


私が望んだわけじゃないし!!と、誰に向けてなのかわからない言い訳を、心の中で一通りし終えると、不安そうにこちらを見ている穂高に向き直る。

「そういう行為は、お互いが同じ気持ちになった時にすればいいことだし、無理矢理しなきゃいけないことじゃないよ。」

ね?と同意を求めると、穂高は私からプイと目を逸らし、眉間に皺を寄せたまま、難しい顔で黙り込んでしまった。


「したくないわけじゃない・・・・」

「え・・・?」

「俺も・・・ユミさんと・・・淫らなことしたい・・・っ」


(!?・・・年下彼氏・・・萌える・・・やばい・・・・っ可愛いすぎる・・・・っ)


内心身悶えまくっている私を知ってか知らずか、彼はぐい、とこちらへ近付き、私の両手を包み込んだ。


「俺も、男だから・・・っ・・ユミさんの身体に・・触りたいし・・・・中に・・・出したいって思ってる・・っ・・!」

(な、中に出したい・・・っ・・!?)

途切れ途切れ決意表明をする彼の可愛さに、押し倒したい欲求が込み上げてきた。
可愛さがまさっているけれど、彼が口にした言葉は、意外にも過激だ。


昼間、中庭でシた、彼とのキスを思い出す。

柔らかい唇。

緊張して汗ばむ、手のひら。
未だ完成していない男としての欲望がちらつく、熱い視線。
若さ特有のエネルギーと、瞬発力。


(あの時と・・・同じ目だ・・・穂高君・・・・♡)

未熟さや幼さの中に潜む、男の本能を目にして、私の興奮は一気に高まった。


「俺・・お前からしたら、まだ子どもに見えるかもしれねぇけど・・・本気でお前が好きなんだ。・・・っ・・・だから・・・、一生、ユミと一緒にいたい。」

(年下彼氏の、「お前」呼び・・・・ものすごい、キュンとするなぁ・・・♡)


この若さで、「一生」という言葉を口にできる彼を尊敬する。
私は彼よりいくつも年上なのに、「大きな決断」を下した経験がなかった。

「ユミのこと、気持ち良くできるように頑張るから・・・セ・・・セック・・・ス・・してもいいか・・・?」


(NOなんて・・・言えるわけないでしょ・・・・・!!!もちろん、YES・・・!!)

年下彼氏の可愛い上目遣いに、私は一撃でノックアウトされてしまった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...