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年下彼氏
しおりを挟む「ユミさん・・・俺、まだ・・・心の準備が・・・・出来てなくて・・・っ」
穂高と「恋人」として過ごす、初めての夜。
ベッドに入った彼は、震える声でそう切り出した。
私が彼を取って食うと思っているのだろうか?と、思わず本気で不安になるほど、彼は距離を取っている。
「心の・・・準備・・・?」
「み・・・淫らな・・・行為は・・・・したことないから・・・・・」
淫ら、という言葉を口にするだけで、彼の顔はみるみるうちに赤く染まっていく。
若くウブな彼に、淫らな行為を強要する大人だと、私は思われているわけね・・と、ショックを受けた。
「私と穂高君は、今日恋人になったばかりだよ・・?関係を急いで進める必要は、ないんじゃないかな・・?」
俯いて顔を赤くしていた彼が、私の言葉に驚いたように、顔を上げる。
「だって・・・恋人になったらユミさんがすぐ求めてくるから、ちょ・・調教・・・?しないと、即振られるって・・・・聞いたから・・・」
(な・・・っ・・・・宗の野郎・・・・こんなウブな子に、何吹き込んでくれてんのぉ・・・?!)
誰から聞いたの?と問いただすまでもなく、犯人の顔が頭に浮かぶ。
(確かに、大我君や宗さんとは、即日ベッドインしましたけど・・・・・!!宗さんには即日変態行為を強いられましたけど・・・・!!)
私が望んだわけじゃないし!!と、誰に向けてなのかわからない言い訳を、心の中で一通りし終えると、不安そうにこちらを見ている穂高に向き直る。
「そういう行為は、お互いが同じ気持ちになった時にすればいいことだし、無理矢理しなきゃいけないことじゃないよ。」
ね?と同意を求めると、穂高は私からプイと目を逸らし、眉間に皺を寄せたまま、難しい顔で黙り込んでしまった。
「したくないわけじゃない・・・・」
「え・・・?」
「俺も・・・ユミさんと・・・淫らなことしたい・・・っ」
(!?・・・年下彼氏・・・萌える・・・やばい・・・・っ可愛いすぎる・・・・っ)
内心身悶えまくっている私を知ってか知らずか、彼はぐい、とこちらへ近付き、私の両手を包み込んだ。
「俺も、男だから・・・っ・・ユミさんの身体に・・触りたいし・・・・中に・・・出したいって思ってる・・っ・・!」
(な、中に出したい・・・っ・・!?)
途切れ途切れ決意表明をする彼の可愛さに、押し倒したい欲求が込み上げてきた。
可愛さが勝っているけれど、彼が口にした言葉は、意外にも過激だ。
昼間、中庭でシた、彼とのキスを思い出す。
柔らかい唇。
緊張して汗ばむ、手のひら。
未だ完成していない男としての欲望がちらつく、熱い視線。
若さ特有のエネルギーと、瞬発力。
(あの時と・・・同じ目だ・・・穂高君・・・・♡)
未熟さや幼さの中に潜む、男の本能を目にして、私の興奮は一気に高まった。
「俺・・お前からしたら、まだ子どもに見えるかもしれねぇけど・・・本気でお前が好きなんだ。・・・っ・・・だから・・・、一生、ユミと一緒にいたい。」
(年下彼氏の、「お前」呼び・・・・ものすごい、キュンとするなぁ・・・♡)
この若さで、「一生」という言葉を口にできる彼を尊敬する。
私は彼よりいくつも年上なのに、「大きな決断」を下した経験がなかった。
「ユミのこと、気持ち良くできるように頑張るから・・・セ・・・セック・・・ス・・してもいいか・・・?」
(NOなんて・・・言えるわけないでしょ・・・・・!!!もちろん、YES・・・!!)
年下彼氏の可愛い上目遣いに、私は一撃でノックアウトされてしまった。
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