官能男子

aika

文字の大きさ
29 / 39

夏休み ②※R-18

しおりを挟む



大きな麦わら帽子をかぶって作業する彼は、まるで少年みたいな純粋さでこの世界を見ている。
俺にはそれがわかった。

彼は生意気で、知ったかぶりで、意地悪。俺に対してはいつもそうだ。俺を馬鹿にするような言葉をわざと言うけれど、それは親しみという意味合いが強い。
俺にはいつも、小学生の頃と変わらない悪戯で純粋な笑顔を向ける。

それを見るたびに、小学生の夏休みのようなワクワクした懐かしい気持ちになるんだ。

夏休み中、彼と一緒に過ごすと決めていた。

蒼甫は、3年前と全然変わらなかった。
会わない間に彼が変わってしまったのではないかと俺が勝手に抱いていた恐怖は全て杞憂に終わり、もっと早く帰って来ればよかったと後悔したほどだ。

3年前までと同じように、母さんが作ったご飯を蒼甫の家で2人で食べる。
3年前までと違うところは、その後一緒に風呂に入って、彼のベッドで眠ることだ。


帰省した初日、俺は蒼甫と初めてのセックスをした。
食事が終わった後、久々に一緒に風呂に入ろうと彼が言い出したのだ。
久々なんて言うけれど、俺と彼が一緒に風呂に入っていたのは中学生までのことだ。

蒼甫への気持ちが全く吹っ切れていない俺は、彼の誘いを断る理由がなかった。

風呂場で彼の裸を見てすぐに、俺は欲情した。
本当は脱衣所で服を脱いでいる時から、彼の裸を想像して勃起していて興奮をおさめるのが大変だった。

乳白色の入浴剤のおかげで助かったと思っていたのに。
彼と同じ湯船に入ると俺の脚の間に彼が背を向けて入り込んできて、俺が勃起していることがすぐにバレてしまった。

裕翔ゆうと、当たってる・・・」

振り返った彼が、至近距離で俺を見つめた。
その視線があまりにも情熱的だったので、俺は息を飲んだ。

次の瞬間、蒼甫が急にスイッチが入ったように俺に激しくキスをした。
貪るような、キス。舌を絡める。
俺は何が起きているのかわからなくて頭が酷く混乱したけれど、身体は本能に忠実に勝手に動いた。

お互いの性器を握り合って、キスをしながら何度か射精した。
俺たち二人はすっかりのぼせてしまい、風呂から上がって場所をベッドに移すことにした。

ベッドの上に曝け出された蒼甫の身体は、少年のように細くて頼りなさげだったけれど、その中心には大人の象徴のようにペニスが大きく勃起していて、俺はそのギャップに興奮した。

「う・・・ッ・・あ・・・」

「蒼甫・・・あ・・・出る・・・っ!」

蒼甫の中に挿れると、あまりのキツさに童貞の俺はすぐに射精してしまった。

彼は最初苦しそうにしていたけれど徐々に声が甘く変化していく。その喘ぎ声がまた俺を煽る。


「あ・・・裕翔・・・っ・・・そこ・・・やだ・・・ああ・・・ッ!!」

俺が最奥に挿入した瞬間に、彼は大きく身体を震わせて射精した。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...