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学園祭編
学園祭9
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……頭が痛い。体がふわふわとした感覚だがここは一体どこだろうか。
見知らぬ部屋だがベッドで横になっているということはわかる。
「あ、気が付いた。大丈夫?」
えーと、誰だっけ……そうだ、ナギリさんだ。心配そうに横から覗き込んできた。
そうか、いきなり襲われて、速攻で意識がなくなって……いや、眠らされたのか。
「……助けて頂いてありがとうございます」
「いやいや、サイリスが抵抗してくれたおかげだよ。あんな禍々しい闘気がいきなり現れたら何か異常自体だっていうのはすぐに気付くよ」
なるほど、一応キスされる前に先手を打ったおかげで未来を変えれたのか。
「実はあの彼女は知り合いで……八鬼仙、夢幻のルイルイ。元々はSSランクの闘士で一緒に協力して戦ったりもしたことがあるんだけど、突如として世界ギルドを抜けてブラックリスト入りしたんだ。今では最強格の賞金首8人という意味で八鬼仙と呼ばれる強さにまでなってしまったんだけどね」
八鬼仙という名前は本で見たな。『夢幻のルイルイ』は幻惑幻影のスペシャリストだったはず。
「いきなり目の前から消えたんですが、あれって幻惑だったんですか?」
「そそ、あなたの意識から見えなくしただけ。彼女はあの場から一歩も動いてないはずだよ。その後の強制睡眠も同じで催眠の類なんだ」
幻惑も催眠も、いつかけられたのかまったくわからなかった。まったくのノーモーションだったはずである。
「例えば、キスとかされたら、催眠状態になるんですか?」
「あー、そうなんだよね。触られたりするだけで周りに気付かれることなく簡単に催眠状態にできるから、そのあたりがルイルイは幻惑のスペシャリストと言われてるんだ。もしサイリスが先にキスなんてされていたら、間違いなく助けることはできなかったよ」
やはりそうだったか。もし何も手をうってなければ相当危なかったんだな。
「はぁ……最近は俺も強くなった自信はあったんですけど、強い人はまだまだいるんですね」
「そうねー。真正面からやり合えば勝てるような相手でも、全員がそうしてくれるとは限らないから。常に最悪な自体を想定するのと、あとはひたすら闘気量を増やすことかな。闘気の総量はそのまま命に直結するからね」
最強の技を手にしても使う前に決着がついてしまえば、ないのと一緒だもんなぁ。
「じゃあ私はそろそろ行くね。彼女が話したいことがあるみたいよ」
そう言うとナギリさんは部屋から出ていった。それと入れ替わりでミズモが部屋の中へ入ってきた。
「……ごめん。あの夢のシエノさんは偽物で、サイリスも操られてたんだってね」
「いや、まあ、あの夢だけなら何もわからないから仕方ないさ」
ミズモが物凄く落ち込んだ表情をしている。
「こんなんじゃこの先も仲間だって名乗れないよね。ごめんね。あの約束は一旦なくしていいよ」
「え、一緒にパーティー組む話?」
「うん。このままだと足だけ引っ張って役にたてなそうだから」
「いやいや、そんなことはないよ」
「もう決めたから。どうせ私はまだまだ学園から卒業はできないしね。もし将来もっと強くなってサイリスの役にたてるようになった時は、またパーティー組んでくれたら嬉しいな」
そう言うとミズモは部屋を飛び出していった。
体が言うことをきかず追いかけることはできなかった。全然気にしてないのに。
せっかく出来た仲間がいなくなって、また一人になってしまった。
見知らぬ部屋だがベッドで横になっているということはわかる。
「あ、気が付いた。大丈夫?」
えーと、誰だっけ……そうだ、ナギリさんだ。心配そうに横から覗き込んできた。
そうか、いきなり襲われて、速攻で意識がなくなって……いや、眠らされたのか。
「……助けて頂いてありがとうございます」
「いやいや、サイリスが抵抗してくれたおかげだよ。あんな禍々しい闘気がいきなり現れたら何か異常自体だっていうのはすぐに気付くよ」
なるほど、一応キスされる前に先手を打ったおかげで未来を変えれたのか。
「実はあの彼女は知り合いで……八鬼仙、夢幻のルイルイ。元々はSSランクの闘士で一緒に協力して戦ったりもしたことがあるんだけど、突如として世界ギルドを抜けてブラックリスト入りしたんだ。今では最強格の賞金首8人という意味で八鬼仙と呼ばれる強さにまでなってしまったんだけどね」
八鬼仙という名前は本で見たな。『夢幻のルイルイ』は幻惑幻影のスペシャリストだったはず。
「いきなり目の前から消えたんですが、あれって幻惑だったんですか?」
「そそ、あなたの意識から見えなくしただけ。彼女はあの場から一歩も動いてないはずだよ。その後の強制睡眠も同じで催眠の類なんだ」
幻惑も催眠も、いつかけられたのかまったくわからなかった。まったくのノーモーションだったはずである。
「例えば、キスとかされたら、催眠状態になるんですか?」
「あー、そうなんだよね。触られたりするだけで周りに気付かれることなく簡単に催眠状態にできるから、そのあたりがルイルイは幻惑のスペシャリストと言われてるんだ。もしサイリスが先にキスなんてされていたら、間違いなく助けることはできなかったよ」
やはりそうだったか。もし何も手をうってなければ相当危なかったんだな。
「はぁ……最近は俺も強くなった自信はあったんですけど、強い人はまだまだいるんですね」
「そうねー。真正面からやり合えば勝てるような相手でも、全員がそうしてくれるとは限らないから。常に最悪な自体を想定するのと、あとはひたすら闘気量を増やすことかな。闘気の総量はそのまま命に直結するからね」
最強の技を手にしても使う前に決着がついてしまえば、ないのと一緒だもんなぁ。
「じゃあ私はそろそろ行くね。彼女が話したいことがあるみたいよ」
そう言うとナギリさんは部屋から出ていった。それと入れ替わりでミズモが部屋の中へ入ってきた。
「……ごめん。あの夢のシエノさんは偽物で、サイリスも操られてたんだってね」
「いや、まあ、あの夢だけなら何もわからないから仕方ないさ」
ミズモが物凄く落ち込んだ表情をしている。
「こんなんじゃこの先も仲間だって名乗れないよね。ごめんね。あの約束は一旦なくしていいよ」
「え、一緒にパーティー組む話?」
「うん。このままだと足だけ引っ張って役にたてなそうだから」
「いやいや、そんなことはないよ」
「もう決めたから。どうせ私はまだまだ学園から卒業はできないしね。もし将来もっと強くなってサイリスの役にたてるようになった時は、またパーティー組んでくれたら嬉しいな」
そう言うとミズモは部屋を飛び出していった。
体が言うことをきかず追いかけることはできなかった。全然気にしてないのに。
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