【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
12 / 167

初見の相手にはとにかくやたら滅多ら打ち込むべし!

しおりを挟む
「ジェン、俺そろそろ」

「はい、気をつけて行ってきてください。」

「3体割り振ったけど多く流れちゃったら、」

「大丈夫です、それぐらいこちらで何とかします。」

「あと、ビッグベアーのメスがいたら、」

「はいはい。分かりました。飯の心配より自分の心配してくださいよ全く。」

「ふふふ。じゃぁまた後で。」

俺が手をあげたらジェントルドも手をあげて答えてくれる。
何だかんだ小言や文句が多いけど、俺が全て言う前に理解してくれたり手を上げて応えてくれたり、こういう小さなところで信頼されてるなぁっと思う。いやほんとにいつも怒られたり小言ばっかりなんだけども、もっと大幅に減らしてくれてもいいと思う。いや減らそ?

さてそろそろ魔獣たちに向き合いますかね。

森の奥に進みながら俺は刀身
他の剣よりが少し濃い灰色をした双剣を構えて身体強化も強める。
騎士団の中でも双剣を扱うのは片手で足りるくらい少ない。双剣を扱えるやつなんて冒険者上がりとかばっかしだし、街育ちが大半の貴族の次男以降なんて双剣を扱うタイミングなんて無いみたいでね。基本的に腰からぶら下げてる長剣って奴を使う人が殆どだ。それに、身長と力があれば1振りで大打撃を与えられる方がやっぱり良い訳で。別に俺はヒト族だからね、力が獣人に比べると足りないのは仕方ないんだよ、足りないのは、ね。身長もきっと平均だよ人族の中では、決して低くないと思うわけよ、うん。

まぁそんな理由もあったのを知ったのは、山を降りた後色々試してみて双剣が1番だなって思った大分後だったり。だって長いのは重し振り回すと俺が振り回されるし、1本だと投げたら手元に残らないし、色々考えた上で双剣を選んだわけよ。実体験に勝るもの無しってね。


よし先ず、3体は後ろに流すっと。
「フリーズ」
真正面から突っ込んでる訳では無いので、前から数えて4体目以降に足場を氷で固める。
前の3体が後ろの異変に気付いて一旦進みを止めたが、俺に気付けずに前進した。
ビッグベアー3体。キチンとメスも居たからお昼ご飯は期待していいかな。

んで、今俺の目の前にいるのはマナケグマ2体と黒くて太い針みたいな毛の生えたビックフット?いやでも顔は豚みたいだなぁ。毛むくじゃらのオーク?ちょっと判断付かないなぁ。俺の身長の3倍くらい。体がデカいから威力も凄まじいだろうな、まぁいっか。どんなんでも討伐対象には変わりない。

まずはナマケグマ2体から。
魔獣ではあるけども全身に生えてる長毛が厄介で炎系の魔術が無効化される。
氷魔法を解いてから、双剣に風を纏わせて斬れ味を増して斬り掛かる。
毛が長くて邪魔をして1振りでは地肌まで刃が届かない。なら手数で勝負だっ!

足止めの氷魔法は解いてしまっているので相手の攻撃を避けながら間合いを詰めて2振り、一旦距離とって攻撃を見極めてまた距離を詰めて2振り、を繰り返す。

ナマケグマは足は遅いが腕が長いし指先の爪も長くて鋭い。その長い腕を鞭のように振り回してくるから当たったら衝撃も凄い。
そして今ナマケグマは2体。4本の振り回される腕を掻い潜って斬撃を食らわす。でもそれだけじゃなく奥にいる謎のケモノにも意識を向け、

「!!っアイスシールド!」

どかーんっ

魔力の流れが変わったと思ったらファイアボール放って来たんですけど!何アイツ!ナマケグマが火に強いからファイアボール放って来たの?そうだとしたら頭良すぎるね!?

とりあえず先ずはナマケグマ!片方は大分毛を刈ったからもうすぐでイける!確実に1体だ!

ナマケグマの両腕のタイミングを見計らって双剣に風魔法を纏わせ地面を蹴って間合いを詰める。
狙うは首。確実に!
「ウインドカッター!」
風魔術で斬れ味を上乗せした斬撃にその後風で切り刻むように魔術をかける。

綺麗に切り落とす予定だったが、皮1枚、いや3枚位の厚さで繋がっている。思い通りには行かなかったが、あそこまでやれば十分だ。

「っ!」

倒したナマケグマから瞬時に距離を置く。
先程まで居た所にファイアボールが2つ上から降ってきた。

あっぶねー!丸焦げにされる所だった!

ファイアボールか消えて焦げ臭い煙の向こうからナマケグマが跳んでくる。
それを余裕で避けて後ろに回り込んで4撃打ち込む。まだイける!

「シールド」

さらに追撃しようとした時謎生物から腕が飛んできた。
手はクマっぽいな、元はウルフベアーか?

どちらともから距離をとっては少し息を整える。

ばきんっぼきんっぐちゃっ

「ぇ?」

およそ討伐中に似つかわしくない音が謎ケモノから聞こえ、そちらを振り向いたら、先程俺が討伐した、まだ少し息があったであろうナマケグマを謎ケモノが食べていた。

「うそーん、まじかぁ、何でも食うのかぁ、そっかぁ。」

いや、うん正直驚いた。
でもちょっと2体から距離取ったからって気を抜いてはダメだね。

もう1体のナマケグマがまたこちらに飛び掛かろうとしていので先程と同じように避けて背中に回り込んで打ち込む!振り回される両腕を掻い潜って打ち込む!
これを繰り返して先程と同じ様にもう一体も動けなくした。

「はぁ、はぁ、はぁ。」

少し距離をとって息を整える。

ふぅ、最近マジで書類仕事ばっかやってたから運動不足何ですけど!これはレスト副団長に要抗議案件だ!

距離を保ったまま相手の動向を伺う。
こちらが仕掛けないのを分かってるからなのか、単純に空腹なだけかは分からないけどもう1体のナマケグマもばきんっぼきんっもぐもぐと食べてしまった。

あの針の様な毛のようなものは火系統はきっと無効化されるだろうな。何食べたらあの状態のが生えるんだろう?それにあの異様なデカさはそれ相応の何かを食べたから?それとも単純にそれくらいの量を食べたから?
ちょっと分からなすぎるから手当たり次第に仕掛けてみるしかないなっ

「ウォーターボール!」

取り敢えず1番効きそうなので攻めてみる。
水玉を作って顔を水没させて窒息死させる手段である。

「ぇっわわっ」

最初は息が出来ず暴れていたケモノは口を大きく開けて火柱を吹いた。俺が作った水玉はジュワワァと水蒸気になって消えていった。

そのまま火柱が俺を目掛けて襲ってくる。

「アイスシールド!」

じゅっ

まじで間一髪だった!制服燃えた!右肩部分!
上着で良かった!なぜかって?普段来てないから!


「ファイアアロー!ウインドカッター!サンダーアロー!」

取り敢えず当初の予定通り手当たり次第仕掛けて弱点を見つけてみることにした。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。 それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。 家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。 そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。 ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。 誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。 「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。 これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。

【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる

ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。 ・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。 ・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。 ・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】もふもふ獣人転生

  *  ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。 本編、舞踏会編、完結しました! キャラ人気投票の上位のお話を更新しています。 リトとジゼの動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 『伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします』のノィユとヴィル 『悪役令息の従者に転職しました』の透夜とロロァとよい子の隠密団の皆が遊びにくる舞踏会編は、他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きしているので、お気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 ジゼの父ゲォルグ×家令長セバのお話が『ずっと、だいすきです』完結済みです。 ジゼが生まれるお話です。もしよかったらどうぞです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

猫になった俺、王子様の飼い猫になる

あまみ
BL
 車に轢かれそうになった猫を助けて死んでしまった少年、天音(あまね)は転生したら猫になっていた!?  猫の自分を受け入れるしかないと腹を括ったはいいが、人間とキスをすると人間に戻ってしまう特異体質になってしまった。  転生した先は平和なファンタジーの世界。人間の姿に戻るため方法を模索していくと決めたはいいがこの国の王子に捕まってしまい猫として可愛がられる日々。しかも王子は人間嫌いで──!?   *性描写は※ついています。 *いつも読んでくださりありがとうございます。お気に入り、しおり登録大変励みになっております。 これからも応援していただけると幸いです。 11/6完結しました。

【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】

ゆらり
BL
 帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。  着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。  凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。  撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。  帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。  独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。  甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。  ※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。 ★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!

処理中です...