【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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心配してもらってすみません

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目が覚めたらそこはテントの中でした。

あ~・・・。今何時かな?

体を起こしたらズキッと頭が痛んだ。

「・・・くしゅっ」

ズキッ
ぁ、くしゃみしても頭痛いわ。

「ん~!っとぉ。」

テントから出て伸びをする。ガッツリ寝てたみたいだ、体がギシギシする気がする。そーいえば足の怪我、は、うん治ってる。誰か薬かけてくれたんだなぁ。
太陽も大分傾いてるな、あと1時間もすれば夕方かな。
お腹すいたなぁ、俺結局お昼ご飯食べて無いじゃん?何か食べたい。ぁ、ビッグベアー残ってるかなぁ、食べたいなぁ。

きょろきょろと辺りを見回す。

ぉー、橋殆ど出来てんじゃん。明日には帰れそう。
ぇーと、ぁ、ニール居た。

ニールは騎士団に珍しい猫の獣人で茶色ベースに黒の縞模様のキジトラさんである。なのに耳は縁が明るめの茶色で中心に向かって黒になっていくのうっすらと縞模様があって素敵すぎる!耳って柄とか模様のある人少ないからこれは誰がなんと言おうとニールのチャーミングポイントだ!尻尾は縞々!最高だよね。ゆらゆらしてるとつい目で追ってしまう。イルのフサフサとはまた違う良さがね!

「ニール!」
「ぁ、団長。目覚められたんですね、体調良くなりました?」
「ん?別に体調悪くないですけれど?」
「え?」
「え?」
「・・・ちょっと失礼しますね。」

そう言ってニールは俺のおでこに手を宛てた。

「ん~まだちょっと温かい気が、」
「無いよ!無い無い!そんな事よりお腹が空きました。何か食べたいんですけれど・・・。」
「うーんそうですね。・・・お昼の残りがあるので温めましょうか。そういえば私初めてビッグベアーの肉を食べましたよ。脂がジュワッと甘めで美味しいですね!」
「そうでしょう!?王都で何で食べないのか疑問しか無いんですよ!あんなに美味しいのに、討伐して焼いて捨てちゃうなんて勿体ない!ねぇ、残ってる?残してくれてますよね!?」


ビッグベアーはこの国の森や山の割と浅い地域でも出てくる有名な魔獣であり害獣の一種で冬眠に向けて今の時期によく子供やご老人等が被害にあっている。
俺の育った村ではビッグベアーは割と日常的に食していて、メスのビッグベアーはオスより肉が柔らかく脂肪が多くて美味いのだ。だから普通に食料として見てたのだが、王都やその周辺の街や村では食されてなくてただの害獣とされているのに凄いカルチャーショックを受けたんだよね。
っていうか俺が普通に食料だと思ってた魔獣の大半が王都では食べられてなかったからビックリというか何というか・・・。

「ふーんふんふふーん♪」

久しぶりのビッグベアーにテンション上がってきた!
王都で食されてないからこういう時にしか食べられないのだ!だから討伐ご褒美みたいな感じでね!俺頑張ったからね、いやっほーい、ビッグベアーだぁ!いっぱい食べよー!


が、しかし。俺はビッグベアーを堪能する事が出来なかった。

「ダメに決まってるじゃないですか。団長は取り敢えずスープでも飲んでて下さい。直に夕食ですので。」
「・・・ぇ、なんで」
「なんでじゃ無いですよ。前回の討伐時も大丈夫って言ってたから食べさせたら全部戻したじゃないですか。」
「いや、それは前回の話であって今回は大丈夫ですよ?」
「いや、前回より体調最悪じゃないですか。前回こそ倒れてなかったのに全部綺麗に戻したじゃないですか。食べて1時間くらいしたら気持ち悪いって言い出して。」
「倒れてないですよ?ちょっと寝てただけですよ?」
「我慢できないほど眠いのは世間一般的に元気とは言いません。しかも3ヶ月連勤記録更新中何でしょう?確実に疲れは溜まってます。いい加減自分の体調くらい把握して下さい。」
「把握してますよ!?むしろ寝たから滅茶苦茶元気ですけれど!」
「どこが元気ですか。まだ熱下がってないですし、どうせ頭痛もしてるんでしょう?」
「うぐぐぐぐ。鬼ぃ悪魔ぁ。」
「残念でした。俺はクマ族です。」
「そういう意味じゃないっ」

こんな感じでジェントルドに阻止された。
食べたかった。もの凄く食べたかった。吐いてでもいいから食べたかったんだよ。くそう!ジェントルドめ!

しかも新人3人に「まず熱下げて元気になりましょう?」とか「団長また食べられる機会はありますから」とか「スープも美味しいですよ」って慰められた。

でも持ってきてくれたスープは温かくて冷えてきた体に染み渡ってほっこりして「スープうまぁ。」って思わず零したら皆ニコニコしてた。だって美味いんだもの。空腹と冷えたからだで荒んでた心が一気に温まってほっこりしたよ。ふぅ、ご馳走様でした。

「ジェンー、そういえば俺倒した奴そのまま放って来ちゃったんだけど。」
「ぁぁ、大丈夫です。新人たちの良い訓練にさせてもらいました。」
「処理済みなら良かったです。こっちも戦力過剰だったから問題無かったですよね?」
「ぇぇ、滞りなく。団長が魔獣討伐講義をしてくれるお陰で討伐が随分捗るようになりましたよ。」
「ふふふ。仮設も大丈夫そうだし、じゃぁ明日には戻れそうですね?」
「はい、何事も無ければ。」

俺が団長になってから、魔獣討伐講義というのを定期的に行っている。これは俺が団長になって団員が一気に減ってしまった際に討伐依頼に余計に時間がかかってしまい他業務に影響が出てきてしまったので始めたものだ。
まぁ、騎士団は体力・腕力バカが多いので1発で仕留めようと頭を狙って外れてたり、心臓の辺りを狙ってガードされてたり、無駄な手数が多かったので、こいつを狙うんだったらここ!みたいな講義と連携の大切さ講義を開催したのである。
そのお陰か討伐が随分楽になったと団員から声が上がりまして。うへへ、俺って凄いよね?

お腹も満たされたしちょっとテントに戻ろうかなっと立ち上がって歩き出した時、向こうから馬耳お兄さん2人とブルガがやって来た。

ブルガ!そうだ終わったらモフモフならぬモジャモジャさせて貰おうと思ってたんだった!ナイスブルガ!自らモジャられに来てくれたんだね!

俺は馬耳兄さんの方へというよりはブルガに向けて歩を進めた。

「団長様、目が覚めたようで良かったです。」
「あ、えと、あの、今まで通りで大丈夫です。様とか背中がゾワゾワします・・・。お陰様で体調は万全です!」
「流石に今まで通りとは行けませんけども。それより本当に体調大丈夫なんですか?倒れてたって聞いたんですけど。」
「あー、陽射しがぽかぽかで気持ちよくて休憩のつもりが寝ちゃったんですよねぇ。あははは。」

心配してくれてたのにただ眠りこけてたとか申し訳ない。申し訳ない気持ちで一杯だけど、手は無意識にブルガをモジャってる。このふわふわで毛厚でほんのり暖かいところが何とも気持ちいい。ビッグベアーは食べれなかったけどこれはこれで良いご褒美じゃん?

「ふふふ、ブルガさいこー。」

「でも僕達本当に心配だったんです。だって、いきなり森の木がなぎ倒された後に燃え爆ぜる音が聞こえるし、と思ったら洪水みたいな水の音が響き渡るし、火柱が見えるし、最後には雷落ちるし。そしてそんな相手を1人で倒してしまうなんて本当に尊敬します。」

そう言って2人は片膝をつき左手を軽く握って地面へ、右手も軽く握って左の肩に当てるポーズをした。

おっと、何だっけこのポーズ。今度自警団の人に聞いてみよう。んでまたもや心配して貰って申し訳ないんだけども、それ火柱以外俺だわ。

「あの、すみません。あ、楽にしてもらって大丈夫です。で、その、ええと。・・・火柱以外の犯人は俺です。」

目が点になるってきっとこの2人の状態のことを言うんだね。
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